だが、それも今日で終わりだ。
ニュートリノは最新の武器と兵器、十三歳から三十五歳までの最大幅で徴兵し二年がかりで訓練した優秀な騎士団をもって、全勢力をアクシオンにぶつけるのだから。
自業自得でさまざまな痛手を負った今のアクシオン王国には、致命的な出来事となるだろう。
根底から揺らいだ国家は、今まさに崩れるときが来たのだ。
耳をすませば、雨音と混じって熾烈な空中戦が聞こえてくる。
これまで侵略の危機に脅かされながらも、かろうじてアクシオンが踏みとどまっていられた理由は、ひとえに軍隊――特に『空軍』の強さにある。
見事な隊列をなして飛行する戦闘機の群れは、空から作戦遂行の強力なバックアップをする。
パイロットの圧倒的能力にどの国も太刀打ちできず、ニュートリノでさえ戦闘機の性能を上げることで対抗するしかなかったほどである。
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