「あれは……!」
少年は、自分の目が信じられず、何度もまばたきを繰り返す。
墜落する戦闘機は、美しく均整の取れた白銀の機体だった。
少年はすぐさま上着を羽織って小屋を出た。
雨は小雨になっていたけれども、しびれるような冷気が肌を刺す。
その上、白い濃い霧があたりを覆っていた。
少年は舌打ちした。嫌な天気だ。
恐らく、すぐそこだ。戦闘機が墜落した方角に向かって、確実な足どりで進む。
この樹海には凶暴な獣も多いが、そんなことは百も承知だ。
五年も前から、庭のようにして生活していたのだから。
墜落して間もないため、エンジンの稼動音がこちらまで聞こえてくる。
この湿気だ。機体は燃え上がってはいないだろうが……。
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