アクシオンには、空軍とは別に王直属の小隊が四つ組まれているらしい。
ただし、それを見たものはいない。
正確に言うならば、その白銀に輝く戦闘機を見て、生き残った者はいないということなのだろう。
どおん、と一際激しい爆発音が鳴り、鳥が舞い立つ羽音が重なった。
少年は顔を上げた。
木枠にガラスをはめこんだだけの素っ気ない小窓を開け放つと、普段ならいるはずの野生動物の気配はほとんどなかった。
ここは樹海だ。みな利口に身をひそめているのだろう。
空を見て、少年は目を瞠った。
戦闘機が一機、黒煙を上げ、ものすごいスピードで一直線に降下していく。
――墜落するのだ。
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