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周りを砂漠に囲まれたピラミッドが建ち並ぶ村の集落にて過ごす一人の蝶野李騎(ちょうのりき)という若者。彼の正体は人間にそっくりに化けた宇宙人であり、口に出した呪文は様々なことに使える便利な代物だった。
そんな彼が今日も村から離れた花畑で氷望晶子(ひもちしょうこ)と誕生日プレゼントの花の冠を作る最中に不手際を感じていた……。
実は李騎は人間の姿の反動により、一晩寝てしまうと前日の記憶を無くしてしまい、次の日は何も理解できていない白紙の記憶になってしまう。
彼はそのことに気づきながらも晶子に心配をかけまいと、彼女に宇宙人だと分からないようにありとあらゆる方法や能力を使い、何とか誤魔化してきた。
しかし、ある日、そのほのぼのとした日常の
花畑での裏で、李騎の居ない合間の村にて異変が起こる。
それを不意に気配で悟った李騎だったが、村は既に壊滅状態、そして、愛する母親との悲しい別れが訪れていた……。
次の日、何事もないようないつもの寝床から目覚めても、とある呪文により前日の記憶を繋いでいた影響により、目の前の真実を知った彼の前にジワジワと崩れ出す世界。
一人の狂った宇宙人タケシと、そのタケシにわけありで従う李騎の父の手によって、この世界も二人の手により、さらに狂ってしまうということに気づいてしまう……。
それを止めるために李騎と晶子はタケシが待ち構えるアメリコへと向かおうとするが、渡米する船もなく、世の中は中々うまくいかないようなものを思い知らされる。
だが、それでも二人は何とか旅をする決意をし、初めての長旅に胸をときめかすのだった。
さて、笑いと衝撃の結末による珍道中な冒険の始まりです。
※この掲載している作品は全てフィクションであり、実際の人物・団体・事件などは一切関係ありません。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。