(5)
娘が言ったことはこうだった。
「あの日ねぇ、ミナ、お遊戯の番が来るまで時間があったから優君と鬼ごっこしてたの。それでミナが鬼になったから優君をさがしてたらねぇ、優君が廊下を曲がるのが見えたの。それで見つけに行こうとしたら、突然遊戯の番が来て、ミナお遊戯室に戻ったの。お遊戯が終わって先生が優君を探しているのが見えたから、ミナねぇ、道具箱室へ行ったの。そこにはお遊戯の道具もあったから優君が隠れるにはいい場所だって思った。それで行ってみたら、優君が跳び箱で隠れていたの。それで『見つけた』と言って出て行ったの。だって直ぐに鬼になったら追いかけてくるからね。その時、その跳び箱の下に落ちてたのこの指輪。それでそれを拾ってずっとね、ミナ持ってたのよ」
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