2月14日。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
菊原さんからチョコレートをもらった。
バレンタインデーにチョコレート。数年ぶりにもらった気がする。嬉しい。今までに感じたことのないうれしさだった。
「風間君、チョコいる?」
佐藤さんが聞いてくる。
「あー、うん。ありがとう」
さて、ホワイトデーどうしようか。
バレンタインデーにチョコレートをもらうのは嬉しい。大抵の場合は美味しいし。でも、1ヶ月後のことを考えて頭を抱えることになってしまう。
さて、どうしようか・・・・・・。
3月14日。
結局母に頼んでクッキーを用意してもらって菊原さんと佐藤さんに渡した。
とりあえず喜んでもらえたが、これでよかったのだろうか。
そういえば、いつのまにか3年生は卒業していたらしい。
再来年には、僕らも卒業。
菊原さんは、どこの大学に行くのだろうか。
できれば一緒に大学に行きたいな・・・・・・。
成績もそこまで変わらないのだし、同じ大学に行けると思うのだが・・・・・・どうだろうか。
まあ、再来年のことは再来年の自分に丸投げしよう。
終業式があり、1年間が終わった。
1年間、随分と短かった気がする。
人間は、楽しいと感じると時が短く感じるらしいが、それかもしれない。今までは長く感じることはあっても、短く感じることはなかったのだが――。
来年は2年。
選挙では生徒会長になる可能性もある年。
生徒会長になるつもりはないが、それにしても、後期には学校の中心になるわけだ。
災難がなければいいが・・・・・・。
だが、災難がないことを祈る僕の願いは叶うことなく、4月から災難が降り注ぐことになった。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!