菊原さんは何を考えているのかよくわからない。

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公開日時: 2021年1月27日(水) 06:00
文字数:664

2月14日。


「はい、どうぞ」

「ありがとう」

菊原さんからチョコレートをもらった。

バレンタインデーにチョコレート。数年ぶりにもらった気がする。嬉しい。今までに感じたことのないうれしさだった。

「風間君、チョコいる?」

佐藤さんが聞いてくる。

「あー、うん。ありがとう」


さて、ホワイトデーどうしようか。



バレンタインデーにチョコレートをもらうのは嬉しい。大抵の場合は美味しいし。でも、1ヶ月後のことを考えて頭を抱えることになってしまう。

さて、どうしようか・・・・・・。



3月14日。


結局母に頼んでクッキーを用意してもらって菊原さんと佐藤さんに渡した。

とりあえず喜んでもらえたが、これでよかったのだろうか。



そういえば、いつのまにか3年生は卒業していたらしい。

再来年には、僕らも卒業。

菊原さんは、どこの大学に行くのだろうか。

できれば一緒に大学に行きたいな・・・・・・。

成績もそこまで変わらないのだし、同じ大学に行けると思うのだが・・・・・・どうだろうか。


まあ、再来年のことは再来年の自分に丸投げしよう。



終業式があり、1年間が終わった。

1年間、随分と短かった気がする。

人間は、楽しいと感じると時が短く感じるらしいが、それかもしれない。今までは長く感じることはあっても、短く感じることはなかったのだが――。


来年は2年。

選挙では生徒会長になる可能性もある年。

生徒会長になるつもりはないが、それにしても、後期には学校の中心になるわけだ。

災難がなければいいが・・・・・・。


だが、災難がないことを祈る僕の願いは叶うことなく、4月から災難が降り注ぐことになった。

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