7月に入り。
「文化祭何する?」
という話が出た。
去年も同じようなことがあった気がする。きっと来年も同じようなことがあるのだろう。
「劇!」
に決まった。
何故か反論なし。
この時点で嫌な予感はしていた。
嫌な予感はしていたのだが。
「主人公は勿論風間君っ!」
その嫌な予感は的中してしまう。
「何故、理由がわからない」
「そうよ、何で皆風間を主人公にしたがるの?」
唯一転入生も疑問を抱いているらしい。
誰かが転入生に何かを教えている。
「風間君主人公に意義がある人」
挙手したのは・・・・・・僕だけ。
どうやら、去年の劇での僕の演技は本当にすばらしいものだったらしい。
緊張しすぎて何も覚えていないのですが。
というか、僕の意見は無視ですか、そうですか。
「何の劇をする?」
「白雪姫」
「シンデレラ」
僕はよくその2つがどっちかよくわからなくなる。
「桃太郎」
「浦島太郎」
「金太郎」
「竹取物語」
とあるCMを連想するな、この4つ。
というか、去年はこの話し合い、9月にやったと思うのだが、何故今年は7月にしているのだろうか。
それだけ力をいれるとか言われたら泣く。
もうどうせ主人公するしかないんだし、どうにでもなれ、と思って去年と同じように話し合いを聞き流していた。
「それでは、決定しました。ロミオとジュリエット、どいうことで」
・・・・・・。
来年は、ちゃんと話し合いに参加しよう。
黒板を見る。
ロミオ役は僕だとして、ジュリエット役は・・・・・・中島。誰だっけ。あ、転入生か。
転入生を見る。
何か喜んでいるように見えるのだが。
僕はよくわからない人とペア組まされて最悪の気分なんですが。
去年の夏休みは皆で海にいこうという話になって、結局行かなかった。
来年は受験勉強で忙しいだろうから行けないだろう、ということで、去年のメンバーでまた海に行くという話がでてきた。
「風間君と菊原さんは来るよね?」
「勿論」
「風間君が行くなら」
「・・・・・・そっか」
村田君の反応が何かいつもと違う気がするな。主に、菊原さんの台詞の後。菊原さん、何か変なことを言っただろうか。
海に行くメンバーが決まった。
僕、菊原さん、村田君、佐藤さん、鈴木君、近藤君、吉良さん。
吉良さんは菊原さんが最近仲良くなった友達らしい。
教室で村田君と海行きの話をしていると。
「海に行くの?私も行ってもいい?」
転入生が入ってきた。
「え、何で?」
「まだこの学校の人たちと仲良くなれてないから、交流?」
「いいんじゃない、風間君?別に駄目な理由はないでしょ?」
「んー、まあ、そうだけど」
何かこの人好きになれないんだよなあ。
というか、村田君、何か顔赤くないか?
熱でもあるのか。
それとも、まさか、転入生に・・・・・・、いや、まさかな。
1学期が終わり、夏休みに入った。
勿論夏休み中もよく学校に来るから、中学校のときのように長期休暇といった感じはしないが。
生徒会室で仕事を片付けていると。
「もうすぐ選挙だね」
宮坂先輩が話しかけてきた。
「そうですね。宮坂先輩と小野先輩と僕と菊原さん。この生徒会も解散ですね」
「風間君と菊原さんは生徒会続けるんでしょ?」
「・・・・・・え?」
「はい」
「え!?」
謎に菊原さんがやる気を出している。
「風間君が生徒会長になって、私が副会長になります」
「応援するよ。風間君の応援演説、僕がしようか?」
「立候補しないので」
「元生徒会長が応援演説ってできるんですか?」
「できるらしいよ」
「じゃあお願いします」
あの、菊原さん、勝手に話を進めないで下さい。
僕の意思はどこにあるんですか・・・・・・。
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