菊原さんは無事に退院し、日常が戻ってきた。
僕と菊原さん、宮坂先輩と小田先輩は生徒会の活動で割と疲れている。
生徒会の活動って、結構大変なんだな。
知らなかった。
最近はあまり図書室に行くこともできていない。
土日に菊原さんに勉強を教えるのはやめていないけれど。
「なあ、クリスマスパーティーしようと思うんだけど、来る?」
また鈴木君か。
「まだ11月末じゃん。気が早いんじゃない?」
「そんなことないだろ。パーティーだぜ?」
「メンバーは?」
「まだあまり声かけてないから正確にはいえないが、確定してるのが俺、村田、佐藤。他に、風間と菊原、・・・・・・あと、近藤と木村ぐらいには声をかけようかと思ってるが」
「また村田君の家で?」
「ああ」
村田君の家、広いもんな。
「佐藤も友達に声かける、っていってたから、もうちょっと増えるかもしれないけど」
「うん、わかった。僕も行くよ」
「よっし、サンキュ」
クリスマスか。
クリスマスプレゼントとか、あげたほうがいいのかな。
でも、今まであげたことないしな。
「あ、そうだ。パーティーでな、できればプレゼント持ってきてくれ。プレゼントまわす、あれ、やるから」
あれ、っていうのは、皆が何か持ってきて、椅子取りゲームみたいに音楽流してとまったときに持ってたものをもらう、とかいうやつだろうか。
「わかった」
やっぱりプレゼントはいるのか。
何がいいだろうか。
誰にいくのかわからないし、無難に・・・・・・文房具とか?
うーん。どんなのがいいんだろうか。
「鈴木君は、何を用意するの?」
「んー、そうだな。鏡?」
「何で?」
「あって困るもんじゃないだろ」
使い道もないと思うけどな。いや、でも、鏡使う人って多いのか。意外といいのかも・・・・・・いや、それにしてもプレゼントとして贈るのは僕の感覚とはずれている。
11月末にあったテストでは、僕は1位をとり、菊原さんは2位、村田君が3位。僕のクラスが上位を独占することになった。
「まだ追いつけなかったなー。残念」
「教える側としては追いついて、いや、追い抜いて欲しいけど、同級生としては追い抜かれたくないな」
菊原さんの都合がつかず、勉強を教えにいかないことになった、ある土曜日。
菊原さんへの誕生日プレゼントを買った店に再びやってきて・・・・・・
店員さんにクリスマスプレゼントを決めてもらった。
慣れてるだろうから、僕が選ぶよりはきっといいだろう。
選ばれたのは、消しゴム。まあ文房具屋だから文房具なのは当然として、何故消しゴムなのかと思ったのだが、この消しゴム、消しかすがでないらしい。
本当に消しかすがでないならすごいと思うが、自分用に試しに1つ買ってみて使ってみたが、これは消しかすがでないわけではなく、でにくい、という表記にしないと駄目だと思う。
少しだけ消しかすが出た。一般の消しゴムとは比べものにならないくらい少なかったけど。
12月に入り、2学期も終わり、冬休みに入り、クリスマスパーティーが開かれた。
「何回来ても圧巻だな・・・・・・」
やっぱり村田君の家は広い。
「風間君」
振り向くと、そこには菊原さんがいた。お洒落していて、いつも以上に可愛い。
「可愛いね、菊原さん」
「ありがと。風間君も格好良いよ」
僕はいつもとあまり服装を変えていないんだけど。
「ありがとう」
とりあえずお礼は言っておく。
パーティーでは村田君が料理を提供してくれて、その後、プレゼントの交換があった。
僕に回ってきたのは鈴木君からの・・・・・・
「え、これ、何?」
何かわからない。タオルのようだが、絵がついている。
「それはな、最近有名なアニメのキャラクターのタオルだ」
知らないし、最近のアニメとか。
僕が買ってきた消しゴムは佐藤さんへといった。微妙な顔だ。お気に召さなかったらしい。
菊原さんのプレゼントは、まさかの薔薇。村田君へ渡った。クリスマスプレゼントに、薔薇・・・・・・?
さっきから皆の感性おかしいんじゃないかと思っていたが、皆おかしい、ってことは僕の方が少数派。つまり僕の方がおかしいんじゃないのか?という疑問を抱く。
いや、考えても仕方ない。
菊原さんを家まで送ってから帰って寝た。
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