菊原さんは何を考えているのかよくわからない。

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公開日時: 2021年1月24日(日) 03:00
文字数:1,686

菊原さんは無事に退院し、日常が戻ってきた。


僕と菊原さん、宮坂先輩と小田先輩は生徒会の活動で割と疲れている。

生徒会の活動って、結構大変なんだな。

知らなかった。

最近はあまり図書室に行くこともできていない。

土日に菊原さんに勉強を教えるのはやめていないけれど。


「なあ、クリスマスパーティーしようと思うんだけど、来る?」

また鈴木君か。

「まだ11月末じゃん。気が早いんじゃない?」

「そんなことないだろ。パーティーだぜ?」

「メンバーは?」

「まだあまり声かけてないから正確にはいえないが、確定してるのが俺、村田、佐藤。他に、風間と菊原、・・・・・・あと、近藤と木村ぐらいには声をかけようかと思ってるが」

「また村田君の家で?」

「ああ」

村田君の家、広いもんな。

「佐藤も友達に声かける、っていってたから、もうちょっと増えるかもしれないけど」

「うん、わかった。僕も行くよ」

「よっし、サンキュ」


クリスマスか。

クリスマスプレゼントとか、あげたほうがいいのかな。

でも、今まであげたことないしな。

「あ、そうだ。パーティーでな、できればプレゼント持ってきてくれ。プレゼントまわす、あれ、やるから」

あれ、っていうのは、皆が何か持ってきて、椅子取りゲームみたいに音楽流してとまったときに持ってたものをもらう、とかいうやつだろうか。

「わかった」

やっぱりプレゼントはいるのか。

何がいいだろうか。

誰にいくのかわからないし、無難に・・・・・・文房具とか?

うーん。どんなのがいいんだろうか。

「鈴木君は、何を用意するの?」

「んー、そうだな。鏡?」

「何で?」

「あって困るもんじゃないだろ」

使い道もないと思うけどな。いや、でも、鏡使う人って多いのか。意外といいのかも・・・・・・いや、それにしてもプレゼントとして贈るのは僕の感覚とはずれている。


11月末にあったテストでは、僕は1位をとり、菊原さんは2位、村田君が3位。僕のクラスが上位を独占することになった。

「まだ追いつけなかったなー。残念」

「教える側としては追いついて、いや、追い抜いて欲しいけど、同級生としては追い抜かれたくないな」



菊原さんの都合がつかず、勉強を教えにいかないことになった、ある土曜日。

菊原さんへの誕生日プレゼントを買った店に再びやってきて・・・・・・

店員さんにクリスマスプレゼントを決めてもらった。

慣れてるだろうから、僕が選ぶよりはきっといいだろう。

選ばれたのは、消しゴム。まあ文房具屋だから文房具なのは当然として、何故消しゴムなのかと思ったのだが、この消しゴム、消しかすがでないらしい。

本当に消しかすがでないならすごいと思うが、自分用に試しに1つ買ってみて使ってみたが、これは消しかすがでないわけではなく、でにくい、という表記にしないと駄目だと思う。

少しだけ消しかすが出た。一般の消しゴムとは比べものにならないくらい少なかったけど。



12月に入り、2学期も終わり、冬休みに入り、クリスマスパーティーが開かれた。

「何回来ても圧巻だな・・・・・・」

やっぱり村田君の家は広い。

「風間君」

振り向くと、そこには菊原さんがいた。お洒落していて、いつも以上に可愛い。

「可愛いね、菊原さん」

「ありがと。風間君も格好良いよ」

僕はいつもとあまり服装を変えていないんだけど。

「ありがとう」

とりあえずお礼は言っておく。


パーティーでは村田君が料理を提供してくれて、その後、プレゼントの交換があった。

僕に回ってきたのは鈴木君からの・・・・・・

「え、これ、何?」

何かわからない。タオルのようだが、絵がついている。

「それはな、最近有名なアニメのキャラクターのタオルだ」

知らないし、最近のアニメとか。


僕が買ってきた消しゴムは佐藤さんへといった。微妙な顔だ。お気に召さなかったらしい。


菊原さんのプレゼントは、まさかの薔薇。村田君へ渡った。クリスマスプレゼントに、薔薇・・・・・・?


さっきから皆の感性おかしいんじゃないかと思っていたが、皆おかしい、ってことは僕の方が少数派。つまり僕の方がおかしいんじゃないのか?という疑問を抱く。

いや、考えても仕方ない。


菊原さんを家まで送ってから帰って寝た。

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