6月中旬となり、テストが終わり。
結果が返ってきた。
1位は僕。
「菊原さん、何位でした?」
「あれ、菊原さんと風間君はまだ敬語なのかな?友達なら敬語なんてやめようよ!カタッ苦しいよっ!」
「佐藤さんは馴れ馴れしすぎ」
「あー、それはそうかもね。風間君は何位だったの?」
「僕は1位。佐藤さんは?」
「143位。いいのか悪いのかよくわかんない」
「菊原さんはどうでした?」
「だから敬語やめなって」
「はぁ。菊原さんは、どうだった?」
「私は、2位だった」
菊原さんも佐藤さんにおされて敬語をやめたみたいだ。
でも佐藤さんの言うとおり、敬語じゃないってだけでちょっと距離が縮まったような気がする。
「これで、お金、受け取って貰えるよ」
「あー、そうだね」
「お金?何の話?」
「佐藤、2人の時間を邪魔するなって」
鈴木君が来た。
「あ、そっか。ごめんごめん、愛の巣を邪魔する気はなかったんだよっ!」
「愛の巣じゃないし」
「風間君と菊原さんがツートップか。流石だね」
村田君も来た。
「村田君は、何位だったの?」
「僕は4位だよ。僕が3位だったらここ3人でトップ3制覇だったんだけどね」
そういえば鈴木君は何位だったんだろう。佐藤さんを引き連れてどこかに行ってしまった。後で聞いてみよう。
「それにしても、風間君もようやく他人に興味を示すようになったんだね」
あ・・・・・・。
「余計なお世話かもしれないけど、僕は君をもっと社会的に生きていけるようにしてあげたい。いいかな?」
「自分でどうにかするから大丈夫。本当に、余計だよ」
「・・・・・・そうか」
「いや、冗談だよ。でも、社会的に生きるって言われてもね」
「もっと人と関わりを持つべきだよ」
他人のためにこんなに努力しようとするだなんて、村田君は人格ができているんだろう。
家に帰った後、勉強を始める。
菊原さんからはお金をもらうことになってしまった。
お金をもらう以上は、それなりに教えないといけない。
それなりに教えるには、それなりに自分ができておかなければならない。
だから、勉強をする。
テスト前はあまり勉強しなかったけど、テストも終わったからテストの範囲外も勉強しても問題ない。
だから全力で勉強する。
今日までに、数学と英語と物理と化学は高校範囲は終わったし、国語と地理、歴史、生物、地学も高校2年の範囲までは終わった。
菊原さんに教えつつ、進級までに全教科の大学までの予習を終わらせたい。
高校3年生のときには受験勉強に力を注がなければならないだろうから、大学の予習は今のうちにしかできないかもしれない。
そう思って大学の予習をする。
でも、菊原さんは何でそんなに勉強をしたいんだろうか。
というか・・・・・・。
僕は、菊原さんのことが好きなのだろうか。
菊原さんと出会ってから、僕は明らかに、自分でも分かるほど性格が変わったと思う。
家族からも「何かあったの?」と聞かれるし。
菊原さんと出会ってから、人と話すことが多くなった。
あるいは、今までは話しても記憶に残らなかったのかもしれない。
でも、これを好き、だというのかな?
今までそういうことを考えてこなかったから、今の状況をなんと表すのかがわからない。
菊原さんに会いたいと思うし、菊原さんのそばにいたいとも思う。
これが、好き、っていうことなのだろうか。
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