菊原さんは何を考えているのかよくわからない。

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公開日時: 2021年1月6日(水) 16:00
文字数:1,336

6月中旬となり、テストが終わり。

結果が返ってきた。

1位は僕。

「菊原さん、何位でした?」

「あれ、菊原さんと風間君はまだ敬語なのかな?友達なら敬語なんてやめようよ!カタッ苦しいよっ!」

「佐藤さんは馴れ馴れしすぎ」

「あー、それはそうかもね。風間君は何位だったの?」

「僕は1位。佐藤さんは?」

「143位。いいのか悪いのかよくわかんない」

「菊原さんはどうでした?」

「だから敬語やめなって」

「はぁ。菊原さんは、どうだった?」

「私は、2位だった」

菊原さんも佐藤さんにおされて敬語をやめたみたいだ。

でも佐藤さんの言うとおり、敬語じゃないってだけでちょっと距離が縮まったような気がする。

「これで、お金、受け取って貰えるよ」

「あー、そうだね」

「お金?何の話?」

「佐藤、2人の時間を邪魔するなって」

鈴木君が来た。

「あ、そっか。ごめんごめん、愛の巣を邪魔する気はなかったんだよっ!」

「愛の巣じゃないし」

「風間君と菊原さんがツートップか。流石だね」

村田君も来た。

「村田君は、何位だったの?」

「僕は4位だよ。僕が3位だったらここ3人でトップ3制覇だったんだけどね」

そういえば鈴木君は何位だったんだろう。佐藤さんを引き連れてどこかに行ってしまった。後で聞いてみよう。

「それにしても、風間君もようやく他人に興味を示すようになったんだね」

あ・・・・・・。

「余計なお世話かもしれないけど、僕は君をもっと社会的に生きていけるようにしてあげたい。いいかな?」

「自分でどうにかするから大丈夫。本当に、余計だよ」

「・・・・・・そうか」

「いや、冗談だよ。でも、社会的に生きるって言われてもね」

「もっと人と関わりを持つべきだよ」

他人のためにこんなに努力しようとするだなんて、村田君は人格ができているんだろう。



家に帰った後、勉強を始める。

菊原さんからはお金をもらうことになってしまった。

お金をもらう以上は、それなりに教えないといけない。

それなりに教えるには、それなりに自分ができておかなければならない。

だから、勉強をする。

テスト前はあまり勉強しなかったけど、テストも終わったからテストの範囲外も勉強しても問題ない。

だから全力で勉強する。

今日までに、数学と英語と物理と化学は高校範囲は終わったし、国語と地理、歴史、生物、地学も高校2年の範囲までは終わった。

菊原さんに教えつつ、進級までに全教科の大学までの予習を終わらせたい。

高校3年生のときには受験勉強に力を注がなければならないだろうから、大学の予習は今のうちにしかできないかもしれない。

そう思って大学の予習をする。


でも、菊原さんは何でそんなに勉強をしたいんだろうか。


というか・・・・・・。

僕は、菊原さんのことが好きなのだろうか。

菊原さんと出会ってから、僕は明らかに、自分でも分かるほど性格が変わったと思う。

家族からも「何かあったの?」と聞かれるし。

菊原さんと出会ってから、人と話すことが多くなった。

あるいは、今までは話しても記憶に残らなかったのかもしれない。

でも、これを好き、だというのかな?

今までそういうことを考えてこなかったから、今の状況をなんと表すのかがわからない。

菊原さんに会いたいと思うし、菊原さんのそばにいたいとも思う。

これが、好き、っていうことなのだろうか。

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