ナギにおやつをあげたり、みんなと駄弁ってたりして待っていたら、アリシアとビルダさんが戻って来た。
「お帰り~ どうだった?」
二人が顔を見合わせて微妙な表情を浮かべる。どうしたんだろ?
「それがね...鑑定不可って出たのよ...」
ビルダさんが代表してそう言った。
「鑑定不可!? そんなことあるのか!?」
「ううん、少なくとも私は聞いたことが無いわ。前代未聞よ」
ビックリだね!
「危険な生き物なのか、そうでないかの判別も出来ないってことか!?」
「現時点ではそうなるわね。ただあくまでも推測だけど、危険な魔物とかではないと思うわ」
「その根拠は?」
「アリシアさんって珍しい聖属性持ちでしょ? その彼女にこうして懐いている時点で、魔物じゃないと思うのよ。魔物は聖属性を嫌がるから」
「なるほど...」
確かにそれはもっともらしい意見だと思う。アリシアに大人しく抱かれているところを見る限り、危険な生き物には到底思えないし。ただ問題は...ウチらの学生寮ってペット禁止なんだよね...
「アリシア、お前はどうしたい?」
「その...出来れば飼いたいです。こんなに懐いてくれているし...」
「なら決まりだな。お前が面倒見ろ」
「で、でも殿下、学生寮はペット禁止ですけど!?」
「あぁ? んなもん気にすんな。俺がビシッと言っといてやるよ」
「い、いいんでしょうか...」
「いいんだよ。アリシア、俺達は国を救った英雄なんだぞ? 少しくらい我が儘言ったって罰は当たらんて。俺に任せておけ」
「あ、ありがとうございます!」
こうして殿下のゴリ押しもあり、青い鳥はアリシアのペットになった。いつまでも青い鳥のままじゃ可哀想だから、名前付けてあげないとね。
◇◇◇
翌日、アリシアの部屋で一緒に名前を考えることにした。
「アリシア、お願いだからチルチルミチルだけは止めてね? 百円ライターを思い出すから」
「ゴメン、意味分かんない。何それ?」
「さすがに私もリアルタイムじゃなくて、私の親の世代にそんな名前の商品があったって話」
「ふうん、良く分かんないけど、それもメーテルリンクの青い鳥から取ったんでしょ?」
「そうなんだろうね。知らんけど」
「メーテルリンク...メーテルとか...」
「それは絶対ヤバいから止めて...」
「じゃあリンクとか?」
「なんか可愛くないな...メーテルリンクから離れてみるってのは?」
「確かに...拘る必要もないか...う~ん...メルってのはどう?」
「メーテルリンクから離れてないじゃん...まぁでも呼び易い名前かも」
「うん、決めた。あなたは今日からメルね!」
「クウッ!」
まるで言葉が分かっているようなタイミングでメルが鳴いた。
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