なにがどーしてこーなった!? ~乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

ロリっ娘無双
真理亜
真理亜

ちみっこと冒険者活動 その12

公開日時: 2021年5月19日(水) 04:06
文字数:1,089

 ナギにおやつをあげたり、みんなと駄弁ってたりして待っていたら、アリシアとビルダさんが戻って来た。


「お帰り~ どうだった?」


 二人が顔を見合わせて微妙な表情を浮かべる。どうしたんだろ?


「それがね...鑑定不可って出たのよ...」


 ビルダさんが代表してそう言った。


「鑑定不可!? そんなことあるのか!?」


「ううん、少なくとも私は聞いたことが無いわ。前代未聞よ」


 ビックリだね!


「危険な生き物なのか、そうでないかの判別も出来ないってことか!?」


「現時点ではそうなるわね。ただあくまでも推測だけど、危険な魔物とかではないと思うわ」


「その根拠は?」


「アリシアさんって珍しい聖属性持ちでしょ? その彼女にこうして懐いている時点で、魔物じゃないと思うのよ。魔物は聖属性を嫌がるから」 


「なるほど...」


 確かにそれはもっともらしい意見だと思う。アリシアに大人しく抱かれているところを見る限り、危険な生き物には到底思えないし。ただ問題は...ウチらの学生寮ってペット禁止なんだよね...


「アリシア、お前はどうしたい?」


「その...出来れば飼いたいです。こんなに懐いてくれているし...」


「なら決まりだな。お前が面倒見ろ」


「で、でも殿下、学生寮はペット禁止ですけど!?」


「あぁ? んなもん気にすんな。俺がビシッと言っといてやるよ」


「い、いいんでしょうか...」


「いいんだよ。アリシア、俺達は国を救った英雄なんだぞ? 少しくらい我が儘言ったって罰は当たらんて。俺に任せておけ」


「あ、ありがとうございます!」


 こうして殿下のゴリ押しもあり、青い鳥はアリシアのペットになった。いつまでも青い鳥のままじゃ可哀想だから、名前付けてあげないとね。

 


◇◇◇



 翌日、アリシアの部屋で一緒に名前を考えることにした。


「アリシア、お願いだからチルチルミチルだけは止めてね? 百円ライターを思い出すから」


「ゴメン、意味分かんない。何それ?」


「さすがに私もリアルタイムじゃなくて、私の親の世代にそんな名前の商品があったって話」


「ふうん、良く分かんないけど、それもメーテルリンクの青い鳥から取ったんでしょ?」


「そうなんだろうね。知らんけど」


「メーテルリンク...メーテルとか...」


「それは絶対ヤバいから止めて...」


「じゃあリンクとか?」


「なんか可愛くないな...メーテルリンクから離れてみるってのは?」


「確かに...拘る必要もないか...う~ん...メルってのはどう?」


「メーテルリンクから離れてないじゃん...まぁでも呼び易い名前かも」


「うん、決めた。あなたは今日からメルね!」


「クウッ!」


 まるで言葉が分かっているようなタイミングでメルが鳴いた。


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