みんなそれぞれ攻撃魔法を放つ準備をする。
ちなみにシルベスターは、一番得意な火魔法で殿下と一緒に攻撃するとのこと。準備が整った。
『『 ファイアーランス! 』』
極太の火の槍が二本『ギガントロック』の胸元に突き刺さる! 続いて、
『アイススピアー!』
氷で出来た鋭い銛が突き刺さる! 続いて、
『ウインドスクリュー!』
風がドリルのように渦巻いて突き刺さる! 最後はアタシだ!
『ツリースパイク!』
針のように尖った木の枝が突き刺さる!
これでどうだ!
『ギガントロック』の胸元に大穴が開いた!
...だがまだ倒れない...核は胸元でもなかった!? じゃあどこに!? まさかとは思うけど...
「シルバ君! もしかして核って移動してない!?」
「す、すいません! 僕は戦ったことが無いので分かりません! ただ聞く所によると、今までこの『ギガントロック』を完全に倒した人は居ないそうです!」
なるほど、そういうことか。確かにガルム族長は言ってたもんね。「試し斬り」にピッタリの相手だって。あれは倒すって意味じゃなく、言葉通りの意味だったってことか。
戦ってみて武器の斬れ味を確認する。そして満足したら倒すことなく撤退する。今までの人達はそうやって来たんだろう。でもアタシ達は...
「みんな! そういうことらしいけど、どうする? 武器の斬れ味は確認できただろうから、このまま撤退する? それとも...」
「「「「「 倒すに決まってる! 」」」」」
だよね! そう来なくっちゃ! ではまず核の位置確認なんだけど、
「シャロン様! 核の位置をスキャンすることって可能ですか?」
「なるほど! やってみますわ!」
『ギガントロック』の巨体を「空間」って考えれば、シャロン様の空間認知能力で何とかなるかなって思ったんだけど。どうかな? これが無理なら、それこそナギにも手伝って貰って、力業で全身を粉々にするくらいしか思い付かないんだけど。
「見えましたわ! 今は頭の位置にありますわ!」
良し! 上手く行った!
『ギガントロック』は胸元の再生を終え、再び動き始めた。
「みんな! シャロン様の支持に従って攻撃して! シャロン様は攻撃に加わらず、みんなのナビをお願いします!」
「「「「「 応っ! 」」」」」
その後は「右腕ですわ!」「今度は左足ですわ!」「頭に戻りましたわ!」などなどしばらくは、いたちごっこを繰り返していたが、最後は...
「胸元から動かなくなりましたわ!」
『ギガントロック』の方が根負けしたのか、核の移動が止まった!
千載一遇のチャンス!
「みんな! 胸元に攻撃集中!」
やがて核が破壊されたのか、『ギガントロック』が再生して来ることはなかった。
ふぅ...やっと終わったね!
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