なにがどーしてこーなった!? ~乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

ロリっ娘無双
真理亜
真理亜

ちみっこと土竜討伐 その1

公開日時: 2021年5月4日(火) 00:58
文字数:1,015

『ギガントロック』を倒してみんなとハイタッチを交わしながら、


「みんなどうだった? 武器に満足した?」


「斬れ味は最高!」「何も問題なし!」「殴り甲斐がありますわ!」「これなら何でも壊せそう!」


 うんうん、みんな概ね好評のようで本当に良かったよ~♪


「みんないいな...」


 シルベスターが1人だけ寂しそうにしてるけど、まぁそれは仕方ないよね...

 

「皆さん、凄いです! まさか『ギガントロック』を倒しちゃうなんて!」


 シルバ君の目がキラキラ輝いてる。髭モジャじゃなきゃ可愛いかもね。


「特にミナさん! 全員に指示を出している姿、とても素敵でした!」

 

「あ、ありがとう...」


「ますます惚れ直しました! 是非とも僕のお嫁さんに」


「ならないから!」


「うぅ...グスグス...」


 泣いたってダメだから! 全く油断も隙もないな!


 アタシ達は泣いてるシルバ君を放置し、ナギに乗って帰路に就いた。



◇◇◇



 それから何日か経った後、王都に激震が走った。ギルドから緊急クエストが公表されたのだ。その内容とは...


『王都に土竜接近の兆しあり』


 というものだった。  


 モグラじゃないよね? 緊急クエストっていうくらいなんだから、竜なんだよね? 取り急ぎアタシ達はギルドに集合した。


「みんな、来てくれてありがとう。国難クラスのクエストだから、あなた達が参加してくれたら心強いわ」


 いつになく固い表情のヒルダさんが出迎えてくれた。やっぱり相当ヤバそうな相手なんだね...


「冒険者だけじゃなく、軍も動員するって話だ。俺達も全力で迎え撃つ」


「頼りにしてるわ」


「今はどんな状況なんだ?」


「土竜の動向を高ランクの冒険者達が監視してるわ。土竜は明らかに王都に向かって進行中とのことよ。ただ...」


 そこでいったんヒルダさんは言葉を切った。


「この間も言ったと思うけど、現在この国には高ランクの冒険者が居ないわ。現状ではBランクが最高で、彼らじゃ土竜は止められない。あなた達だけが頼りなの.. 」


「任せろ。こっちには水竜が居るんだ。土竜なんかに負けないさ」 


「ありがとう。お願いね。地図を見て頂戴。ここが現時点での土竜の位置よ」


 そう言ってヒルダさんは地図を指差した。


「この通り、真っ直ぐ王都に向かっているわ。このままだと3日後には王都に到着する予定よ」


「分かった。その前に絶対止める。みんな、行くぞ!」


「「「「「 応っ! 」」」」」


 アタシ達はナギに乗って土竜の元に向かう。


 緊急クエストがスタートした。


 王都を守るために頑張るぞ!

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