「皆さん!『ギガントロック』には体のどこかに核があります! その核を壊さないと何度でも復活して来ます! 注意して下さい!」
シルバ君がアドバイスをくれる。なるほど、そういう系の魔物か。だとすれば大体、核の位置ってのは決まってくるはずだ。頭か胸の中心か。
アタシは取り敢えず頭を狙ってみることにした。約10mもの高さがあるならそれは無理じゃないかって? 甘い甘い! そのために精霊の力を借りるんだよ!
「皆さん! 聞いての通りです! 核の位置が分からないので、手分けして攻めます! まずはアリシアとエリオット! あなた達は頭を攻めて! シルフ! 二人を頭まで運んで!」
「「 応っ! 」」
『Yes,Ma'am!』
ん? シルフの返事がシャロン様の時と同じだわ...ま、まぁいいか! 細かいことは気にしない!
「私が右腕、シルベスターが左腕、殿下とシャロン様はそれぞれ右足と左足をお願いします!」
「「「 応っ! 」」」
「攻撃開始!」
シルフがアリシアとエリオットの足元に風を起こして二人を宙に浮かせる。頭に近付くと『ギガントロック』は振り落とそうと両腕を上げる。
そうはさせじとアタシがブーメランで、シルベスターが魔力の矢でそれぞれ攻撃する。両腕がポッキリと折れた。うん、ブーメランの威力が今までと段違いだ。
アリシアとエリオットの攻撃が頭にヒットして頭を吹き飛ばす。だがまだ『ギガントロック』は倒れない。
殿下とシャロン様の攻撃が両足に炸裂する。両足が破壊された。終わったかな? 核を上手いこと潰せたかな?
「あうっ!」「いたっ!」「うぐっ!」「えやっ!」「おわっ!」
ダメだった...
バラバラになった岩の破片がアタシ達に飛んで来た。念のため、バリヤを張っていたアタシと身体強化を掛けていたアリシア以外、全員被害を受けてしまった。
「みんな! 大丈夫!?」
「な、なんとか...」「あいたた...」「倒したと思ったのに...」「か、硬かった...」
『ギガントロック』は何事もなかったかのように復活し始める。
「みんな! 仕切り直し! 私の側に集まって!」
『ギガントロック』が完全に復活して、こっちを襲って来る前に次の方針を決めないと!
「核は頭じゃなかった。だとすれば胸の中心、人間で言えば心臓に当たる部分だと思う。みんなはどう思う?」
「「「「「 異議なし! 」」」」」
「次は魔法で攻めたいと思う。『ギガントロック』が完全に復活したら、各自貫通系の最大攻撃魔法をヤツの胸元に向かって放つ。みんな、準備して!」
「「「「「 応っ! 」」」」」
良し! 第2ラウンド開始だ!
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