なにがどーしてこーなった!? ~乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

ロリっ娘無双
真理亜
真理亜

ちみっこと学園祭 その6

公開日時: 2021年4月13日(火) 00:56
文字数:1,009

嫌がる愚弟を接客に出すことにした。


「お帰りなさいませだにゃん♪ ご主人様、お嬢様」


「うぉぉっ!」「可愛い~♪」


 なんか大人気なんだが。


「ミナ、あれって君の弟だよな?」


「そう、カイルだよ」


「なんであんな格好して接客してるんだ?」


「まぁ、罰ゲームみたいなもんかな」


 本来はこんなもんじゃ済まないんだけどね。なにせ王女様を唆したんだから。軽過ぎるくらいだよ。


「可愛いな...なんか新しい扉が僕の中で開くような感じが...」


「エリオット、その扉は絶好に開いちゃダメだ。しっかり鍵掛けとけ」


「わ、分かった...」


 危ない危ない、BL展開なんか冗談じゃない。タグ張ってないんだから。


「カイル様~♪ 素敵ですわ~♪ 可愛いですわ~♪ 飼いたいですわ~♪」


「こ、これは凄い攻撃力だな...さすがはミナの弟。男でも有りだな...」


 おい、そこの王族二人、興奮し過ぎだ。飼うとか有りとか不穏な言葉を口にするんじゃねぇ。


「ブッホォォォッ! 」


 シルベスター、お前も興奮し過ぎだ。男だって分かってんだろ。鼻血を拭け。


「お兄様、私も着てみたくなりましたわ!」

 

 この王女はまた変なこと言い出したぞ。


「いやそれはさすがに...なぁ?」


 アタシに振るなよ。仕方ないなぁ...


「王女殿下、申し訳ありませんが、殿下のサイズに合う衣装がありませんので、ご勘弁下さい」


 こう言っときゃ諦めんだろ。


「そうなんですの...」


「ねぇ、ミナちゃんの替えの衣装だったらピッタリなんじゃない?」


 をいっ! 衣装係、余計なこと言うんじゃねぇ!


「本当ですの! ミナさんとお揃い、着てみたいですの~♪」


 ほら、その気になっちゃったじゃねぇか!


「仕方ないな、ミナ、頼んでいいか?」


「はぁ...しょうがないですね...王女殿下、こちらに」


「はいですの!」



◇◇◇



「猫耳カチューシャを着けて、尻尾を着けてと。良し、完成です」


「わぁ~♪ 可愛いですにゃん♪」


 確かに可愛い。元がお人形さんみたいに整ってる顔だから余計にね。


「ミナさんも着て下さいな。二人でお揃いですにゃん♪」


「はぁ...仕方ないですね...」


 どうなっても知らない。



「お待たせしました~♪ ほら、ミナさんも早く!」


「はいはい...」


「「 お帰りなさいませだにゃん♪ ご主人様、お嬢様 」」


「ブッホォォォッ! 」


「キャアアアッ!」


 あ~あ、喫茶店が野郎どもの鼻血で血の海に...知~らないっと。


 この後、今年の学園祭は「血の学園祭」と呼ばれるようになったとかならなかったとか。

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