アリシアとシャロン様が戻って来た。
「アリシア~♪ おめでとう~♪ キレイだったよ~♪ シャロン様も色っぽかったですよ~♪」
「「「 おめでとう 」」」
「ありがとう!」
「ありがとうございますですわ」
「そんでアリシア、ペアチケットは誰と行くの? やっぱりエリオット?」
「にゃっ! にゃに言ってんのよ! まだ決めてないわよ!」
盛大に噛んでるし。エリオットはソワソワしてるよ?
「そ、その、出来ればミナと行きたいかなぁって...」
いやそんな赤くなってモジモジされても...
「なんで私なのよ!? 悪いけどオペラには微塵も興味無いから。間違いなく寝る」
「あぁ、まぁ私も正直あんま興味無いけど」
「だったら殿下とか」
「俺? いやそれはマズいだろ? なあ?」
「あら? 私は別に気にしませんことよ?」
「おいシャロン、それでいいのか...」
なんか不穏な感じになって来たんで仕切り直し!
「じゃあシルベスターとか」
「いやボクもちょっと...ミナと一緒ならいいけど...」
ダメだこりゃ! なんかもう面倒になって来た...
「エリオット、アリシアとなら一緒でもいいでしょ?」
「あ、あぁ、もちろん...」
「じゃあ決まりね!」
「み、ミナ~...」
「ほら、チケット渡しな?」
「うぅ...はい...」
「これにて一件落着!」
ところでなんでアタシが仕切ってんだ!?
◇◇◇
その後、全員で講堂に行って演奏会を見学したり、各クラスの催し物を覗いたりした。喫茶店関係が多くて、定番のメイド喫茶や猫カフェなんてのもあったりして、十分に学園祭を満喫出来た。
そろそろ学園祭も終了の時間が近付いて来たので、それぞれ自分達のクラスに戻った。
「ただいま~ ナギを預かってくれてありがとう~ 良い子にしてた?」
「うん、とっても良い子だったよ! 客寄せにも貢献してくれたしね!」
「キュイ~♪」
それは間違いなく客からの「あ~ん♪」を期待してのことだろうけどね。まぁ楽しんで貰えたならいいか。お祭りたしね。
やがて学園祭終了の時間になった。片付けは明日みんなで行うから今日はこのまま解散だ。ちなみに後夜祭は無い。貴族子女が多く通う学園なんで、あんまり夜遅くまではやらないらしい。
定番のキャンプファイアーを囲んでのダンスも無し。告白イベントも無し。多少物足りない感じは残るけど、初めての学園祭はこうして幕を下ろした。はずなんだが...
「こらカイル! あんたまだ居たの!? さっさと帰れって言ったでしょ!?」
「げっ! 姉ちゃん!」
「だから姉上と呼べ!」
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