その後もアタシ達の訓練は続いたんだけど...
見学しているライオネル王子の様子がおかしい。さっきまではドン引きしてたはずなんだけど、今は放心状態? 魂抜けてる? そんな感じ。どうしたんだろ? なんかヘンなモノでも食った?
「アリシア、ちょっと休憩しよ?」
「ハァハァッ...りょ、了解...」
飛ばし過ぎだよ、アリシア。肩で息してるじゃん。でも、そろそろストレスは解消したかな?
「な、なぁ、お前達、いつもこんな訓練やってんのか!?」
あ、ライオネル王子が復活した。
「えぇまぁ。今日は久し振りなんで、少し抑え気味ですけど」
「あれで...」
なんだろう? 今度は絶句しちゃったよ。あ、もしかしたら...
「ライオネル王子もちょっとだけ一緒にやってみますか?」
「ちょ、ちょっとミナ!?」
まぁまぁ、アリシア。仲間外れは良くないよ。ちょっとくらいならいいじゃん?
「い、いいのか!?」
ほら、ライオネル王子の目が輝いてる。やっぱりやってみたかったんだよ。
「えぇ、まずはゴーレム相手に戦闘でもやってみます?」
「あぁ、頼む!」
複雑そうな顔のアリシアを横目に、アタシはライオネル王子との訓練を開始した。
◇◇◇
「あ、あの、王子、大丈夫ですか!?」
「ゼイッハァ...ゼイッハァ...」
ライオネル王子は言葉も出ないくらいお疲れのようだ。おかしいな? 仮にも王族で他国の要人に怪我を負わせる訳にはいかないから、ゴーレムの強度は一番弱めで数も少なくしたはずなのに。
そんなアタシ達の様子を、他のみんなも興味深そうに見てくる。
「王子、今日はこの辺りで止めときますか?」
「ま、まだだ! まだ俺様は戦える!」
いやそんな...足がフラフラしてる状態で少年マンガの主人公みたいなセリフ言われても...
「はぁ...分かりました。じゃあ今度は私に攻撃してみて下さいな」
「やってやるぅ~! やってやるぜぃ~!」
お前は某アニメのボ○られク○か!? 殴り掛かって来た王子をヒョイッと絡み取ってと。
「ふぎぃっ! な、なんじゃこりゃあ!?」
今度は松田○作か!?
◇◇◇
「ハァハァ...ハァハァ...」
ついにライオネル王子は地面に大の字になっちゃったよ...
「王子、さすがに今日はもう...」
「ま、まだだ...まだ俺様は...」
「ライオネル、その辺にしとけ」
殿下達がやって来た。向こうも今日は終わったみたいだね。
「俺達の訓練に一般人は付いて来れない。良く分かっただろ?」
「俺様が一般人だと!? ふざけるな!」
「起き上がれもしないヤツがいくら吠えても説得力無いな」
「く、クソッ! クソッ! 俺様は、俺様はぁ~!」
な、なんかライオネル王子の体が光ってるんですけど!?
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