アリシアとシャロン様が着替えに行ったので一人寂しく待っていた。

「ミナ、ここに居たのか」

「あれ?　エリオットも上がり?」

「あぁ、やっと解放されたよ」

「お疲れ様～」

「ここで何やってたんだ?」

「アリシアとシャロン様がファッションショーのモデルにスカウトされてね、今着替えてるんだよ。もうすぐ出て来るから楽しみにしてて」

「あぁ、なるほど。あの二人なら確かにお似合いかもな。ミナは...すまん、なんでもない...」

　をい!　そこで謝るな!　言いたいことがあるならハッキリ言えや!　か、悲しくなんかないんだからな!

「お～い、お前ら、ここに居たのか～」

「探しちゃったよ～」

「殿下にシルベスター、そっちも上がりですか?」

「あぁ、もっとも俺はあんまり働いてなかったんだけどな」

「ボクもそうかな。ところでここはファッションショーやってるんだっけ?」

「うん、今エリオットには話したんだけど、アリシアとシャロン様がモデルにスカウトされて、もうすぐ出て来るよ」

　アタシが言い終わらない内にまずアリシアが出て来た。清楚な感じの白いワンピース形のドレスを着ている。スタイルが良いからモデル歩きも様になってるね。

「アリシア、綺麗だね～」

「そうだな、良く似合ってる」

「惚れ直しちゃった?」

「ほ、惚れ!?　ばっ!　な、なにを言って!」

　あらら、エリオットってば、真っ赤になっちゃったよ。初々しいのぅ～♪　青春やのぉ～♪

「あ、シャロン様が出て来たよ」

　シャロン様はアリシアと好対照で扇情的な感じ。真っ赤なドレスは胸元が大きく開いている。

「色っぽいね～」

「そうだな」

「殿下、惚れ直しました?」

「いや別に?　見慣れてるし」

　あらら、こちらはクールな反応。これが婚約者の余裕ってヤツかな。

「お集まりの皆さん～!　全てのモデルが出揃いました～!　今から人気投票を行いますので、奮ってご参加下さいね～!」

　へぇ～ これってミスコンも兼ねてたんだ。だからモデル全員が番号札付けてたんだね。壇上にはモデルになった全員が勢揃いしてるね。

「それで?　男性陣は誰に投票するんです?」

「僕は...アリシアかな...」

「俺はシャロンに入れるしかないだろ」

「ボクは...ミナに...」

「いや私出てないから」

　見りゃ分かんだろ!

「あ、そうか...じゃあ誰にしようかな...ミナは?」

「私はアリシアにするよ」

「じゃあボクも...」

　結果、アリシアが一位になった。アタシ達の票が生きたのかな。嬉しそうにしてるね。良かった良かった。

「賞品はオペラ観劇のペアチケットで～す!　おめでとうございま～す!」

　オペラか～ ペアチケットってことはやっぱりエリオットを誘うのかな?