「アリシア~! なにやってんの!?」
いくら身体強化をしているとはいえ、飛行中のナギから飛び降りるなんて無謀過ぎる! アタシは堪らず叫んでいた!
「大丈夫! 私はここで攻撃するから! みんな、フォローをお願い!」
勝手なことを! そうは思うものの、もう飛び降りてしまったものはしょうがない! ただし後で説教だ!
「みんな! 仕方ない! アリシアをフォローしてあげて!」
アタシ達は土竜の気を逸らすために、それぞれが魔法で攻撃を続ける! アリシアは一人、物理で攻撃を仕掛ける!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜はアリシアの攻撃を嫌がってるようだ! 体を激しく揺すってアリシアを振り落とそうとする!
「ナギ! ブレスを土竜の足元に!」
「キュイ!」
これで少しでも土竜の動きを止められれば!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜の動きが鈍くなった! 良し! 今なら!
「ナギ! 土竜の後ろに降りて! みんな、それぞれ土竜の足を物理で攻撃!」
「「「「 応っ! 」」」」
アタシが右前足! シルベスターが右後ろ足! 殿下が左前足! シャロン様が左後ろ足! それぞれが位置に付いて攻撃を加える!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜がますます嫌がってる! その時だった! 土竜が長い首を後ろに捻った! 恐らく一番ダメージを与えているであろうアリシアを、先に始末しようとしているのだろう!
「マズい! ナギ! 土竜の背中に出来るだけ近付いて! アリシア! 聞こえる? いったん離れて! ナギに飛び乗って!」
アタシは叫びながらブーメランを土竜の首元目掛けて投げた! ブーメランが土竜の首元に突き刺さる!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜の首の捻りが止まった!
「ミナ! ゴメン! 先走り過ぎた!」
アリシアがナギに乗って戻って来た!
「謝罪は後! アリシアも足元の攻撃に加わって! 私の武器はもう無いから!」
「分かった!」
アリシアにアタシの担当分、右前足を委ねる! その代わりアタシは、土竜の首元に刺さったブーメラン目掛けて魔法を放つ!
『ロックシュート!』
岩を打ち出して、刺さったブーメランを押し込んで行く!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜が苦しそうな鳴き声を上げる! 良し! 効いてる!
「シルベスター!」
『ロックシュート!』
皆まで言わなくても分かってくれた! 岩の数が倍に増えた! ますますブーメランが土竜の首元に食い込んで行く!
「グオォォォォッーーーーー!!!!!」
土竜はますます苦しそうだ!
もう一息!
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