『...ナ...』
...ん...なに?...眠いんだけど...zzz
『ミナっ!』
「ふぁい!?」
『良かった! 無事じゃったか!』
「えっ!? 精霊王様!? どこから!?」
いつもと違って頭の中に直接声が響くような感じ!?
『詳しい説明は後じゃ! どこか体におかしな所はないか!? 怪我はしとらんか!?』
「は、はい、えっと...特には...」
『そうか。ひとまずは一安心と言った所か』
「えっと...一体なにが!?」
『覚えておらんか?』
「う~んと...確かマリーと一緒にナギに乗って...ハッ! マリー! ナギ!」
『慌てるでない。お主の下におる』
「へっ!? あっ! ホントだ!」
今頃気付いた。アタシはマリーとナギの上に乗っていた。通りで柔らかいと思ったよ。
「マリー! ナギ! しっかりして!」
「う~ん...」「キュイ...」
「良かった! 無事だったんだね! どこか痛い所とかない?」
「えぇ、特には...」「キュイ」
「良かった! 本当に良かった!」
アタシはマリーを抱き締めて涙を流していた。
「み、ミナお嬢様!?」
「ゴメン...ゴメンね、マリー...私が悪戯しようなんて思ったばっかりに...怖い目に合わせちゃったね...本当にごめんなさい...」
「い、いえ、だ、大丈夫ですから! あ、あの、泣かないで下さい!」
「ふえ~ん!」
アタシは年甲斐もなく号泣してしまった。
◇◇◇
ややあって少し落ち着いた所で、現状を把握することにした。
「ここはどこなんでしょうか?」
「分かんない。落ちて行く時はどこかの森の上だった。恐らくその森の中だと思う」
アタシ達の周りには、鬱蒼とした原生林が広がっていた。
『少し落ち着いたかの?』
「あ、精霊王様。ここって一体どこなんですか?」
「えっ!? 精霊王様!?」
マリーがキョロキョロと辺りを見回す。あれ? 精霊王様の声が聞こえてないのかな?
『理由は分からんが、この場所は精霊の力が弱まっておる。じゃからお主にしか儂の声は届かん』
そうなんだ...アタシはマリーにそう説明した後、気になったんで聞いてみた。
「精霊王様、もしかして闇の精霊の仕業なんでしょうか...」
『いや、その気配は無い。じゃがそれとは別の何かが影響しているようじゃ。油断するなよ』
「分かりました...」
マリーに説明したアタシはナギを抱き上げる。今のナギはいつもの猫サイズになっている。
「ナギ、もしかしてあなたも影響を受けて小さくなっちゃったの?」
「キュイ~...」
どうやらそうらしい。これは困った...これからどうしようかと思っていた時だった。
「ミナお嬢様っ!」
マリーが警戒する!
「動くなっ!」
姿は見えないが、誰何の声がした! 周りから誰かの気配を感じる!
囲まれた!?
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