なにがどーしてこーなった!? ~乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

ロリっ娘無双
真理亜
真理亜

ちみっことエルフの里 その4

公開日時: 2021年5月23日(日) 06:20
文字数:1,070

「あ、あの! 顔を上げて下さい!」


 アタシは居たたまれなくなって思わず叫んでいた。


「あぁっ! 巫女様! なんとも麗しいお姿で!」


 お婆ちゃんエルフはまだ畏まったままだ。


「私はその巫女? とかじゃありません! 単なる旅行者です!」


 アタシはもう一度叫ぶ。なんだか良く分かんないけど、誤解されたままじゃ堪んない。


「いいえ! あなた様は巫女様に相違ありません! 水竜をお側に侍らせておられるのが何よりの証拠!」


 そう言ってお婆ちゃんエルフは、アタシが抱いてるナギを指差す。


「キュイ?」


 ナギも首を傾げる。


「長老! この不審者が巫女様ですって!? 俺には到底信じられません!」


 アタシをここまで連れて来たリーダーらしき人が叫ぶ。うん、アタシもそう思うよ。

  

「黙れ! ルーク! 巫女様を不審者呼ばわりなどこの罰当たりが!」


「し、しかしっ!」


 この人ルークって言うのか。なんかカッコ良いな! スカイでウォーカー的な? ライトなセーバーは持ってないけど。最初に会った時はアタシより歳上かな? って思ったけど、こうやって叱られてムクれているところを見ると、案外アタシと同い年くらいなのかも知れない。


 もっとも、良く言われるようにエルフが長命種なら、見た目はあまり関係無いのかも知れないけど。


「巫女様、このバカが大変失礼致しました。どうかお許し下さい」


「いえ、ですから...」


「長老! これはなんの騒ぎですか!?」


 アタシが抗議しようとしたら、また誰か現れた。今度は壮年の男性だ。


「おぉっ! 族長! 喜べ! 巫女様がおいで下さったぞ!」


「なんと!? それは本当ですか!?」


「あぁっ! 間違いない!」


 いやいやちょっと待ってよ! 盛り上がってるところ悪いんだけどさ! アタシは巫女様なんかじゃないんだってば!


「では早速儀式の準備を!」


「あぁっ! 頼む! ささっ! 巫女様! どうぞこちらに!」


 は、話を聞いて~!



◇◇◇



 そんで今アタシは巫女服に着替えさせられてる訳なんだが...白衣に緋袴って...まんま前世の巫女さんやん...なんでエルフの里にこんなもんがあるんだよ...違和感が半端ねぇ...


 しかも良くアタシのサイズがあったな!? なんだって!? 子供用!? うるさいわっ! そんなこと分かってるちゅ~ねん! (;´Д`)ハァハァ


 ちなみについでというか、マリーまで着替えさせられていた。クソッ! めっちゃ似合ってるやん! スタイルが良い人は何着ても似合うよなぁ。か、悲しくなんか...あるんだからね!


 アホなこと考えてる間に、アタシは儀式とやらを行う場所まで連れて来られた。なんか火の見櫓みたいな所に昇るらしい。


 アタシはナギを抱っこしながら向かった。

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