なにがどーしてこーなった!? ~乙女ゲームの世界に転生したと思ったらモブですらないちみっこですが、何故か攻略対象や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛されています

ロリっ娘無双
真理亜
真理亜

ちみっことドワーフの村 その9

公開日時: 2021年5月1日(土) 00:18
文字数:1,106

 その後、族長さんの家で夕食をご馳走になった訳だが...


 うん、もうね...これもドワーフのイメージ通りって言っていいのか分かんないんだけど...とにかく肉、肉、肉、そいでもってまた肉な訳よ...あとお酒ね。ドワーフの皆さんは水を飲むようにガバガバ飲んでる。ドワーフはお酒に強いってイメージあったけど、まさにその通りって感じだね。


 アタシ達は全員未成年ってことにして、ジュースを出して貰った。飲んでもいいんだけど、さすがにあのペースには付いて行けないって思ったからだ。シルバ君はアタシ達と同い年くらいって言ってたけど、大人と同じペースでガバガバ飲んでる。さすがはドワーフ。


 宴もたけなわに差し掛かった頃だった。


「あ、あの! ミナさん!」


 シルバ君が私の側にやって来た。


「はい?」


「あの、その、えっと...」


 なんだろう? 髭モジャで顔赤らめてモジモジされると若干キモいんだが...


「ぼ、僕と、けけけ結婚してくれませんか!」


「はいぃ!?」


 ちょっと待って欲しい。初対面でいきなり結婚とか有り得ないでしょ!? そう言おうと思ったら、


「シルバとか言ったな? ミナは俺達の大事なむす...仲間だ。結婚なんてまだ早い...ってか会ったばかりだろうが。絶対に許さん。分かったな?」


 だから殿下! また娘って言おうとしたろ!? ってかいつの間に現れたのさ!? さっきまで側に居なかったよね!?


「殿下が先に言っちゃいましたけど、いきなり会った初日にそんなこと言われても...なんで私なんです?」


「その...運命を感じたんです!」


「はぁ...」


「ドワーフの血を引いていて、こんなに美しい人を僕は初めて見ました!」


「はいぃ!?」


 いや、ちょっと待って欲しい。誰がドワーフの血を引いてるって!?


「プハッ!」


 おい殿下! 他人事だと思って笑ってんじゃねぇ!


「ち、違います! 私、ドワーフの血は引いていません! 両親とも人間です!」 


「えぇ~! そんなに小さいのに!? ウソだぁ~!」


 あんたに言われたくないわ!


「プハッハッハッハッ! く、苦しい...ヒャハハハ!」


 殿下うっさい! 笑い過ぎ! ほら、何事かと思ってみんな集まって来ちゃった!


 もうそこからはカオスだったよ...


 シルベスターが「ミナは絶対渡さない! 決闘で勝負だ! 表出ろ!」とか言い出すし、エリオットは「ミナが欲しいなら僕を倒して奪ってみろ!」とか言い出すし、シャロン様は「私の娘に手を出そうなんて百年早いのよ!」とか言い出すし、アリシアは「キャハハ! こりゃ良い酒の肴だ! もっと酒持ってこ~い!」とか言い出すし。


 まぁ要するに、みんな酒が入っていたと。


 この酔っ払いどもがぁ! 人を酒の肴にしてんじゃねぇ!


 こうなりゃアタシも飲んでやるぅ!



読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート