「才賀君」
「晴生君を止めてちょうだい」
でも、結局私は男の子の親友才賀君を頼った。
理々花ちゃんを危ない目にあわせたくない。
しかして、先程から、才賀君は何か悩んでいるようだ。
「あ、ああ」
僅かに返事はあるが、才賀君の歯切れが悪い。
「なぁ、月恵ちゃん」
「前前から思ってはいたんだ」
「もう、限界なのかもしれない」
才賀君は、悩んで、決めかねている。
迷いが見られる。
すぐには、助けてくれそうにない。
「うるせぇ」
「うるせぇ」
「オレを縛るんじゃねぇ」
「うるせぇんだよお前らぁ!」
「口を開けば説教・授業」
「オレを縛りやがる」
「オレを教育しやがる」
「オマエは何様だ理々花ァ」
まずいわね。
晴生君の怒りが、理々花ちゃんに向いている。
あてにするしかないわ。
富造君のヘッドギアを外し、フルダイブのバーチャル世界から、現実に引き戻す。
「相棒」
「理々花ちゃんが危ないの」
相棒の返事がすぐには来ない。
「月恵殿が望むなら」
「某、やるでござる」
返事をすぐに出せないのは、私だった。
富造君と才賀君の方が、もっともっと考えてて。
覚悟もしていたのかもしれない。
私には、覚悟がなかった。
覚悟どころか、まだ何も決まっていなかった。
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