「月恵殿。今日の19時から始まるフルダイブMMORPGエターナルファンタジーオンライン」
「遊ぶでござるよな」
親友の中の親友と呼んでも良い存在の新田富造が、MMORPGの話しを持ちかけてくる。
「ええ」
「当然」
「一緒に遊びましょうね」
「相棒」
富造君は、この世界で相棒と呼ぶに最も相応しい存在だ。
「それは喜びにそうろう」
富造君は、見るからなオタク君で、二次元の美少女も大好きだからか。
ずっと気とかウマってのがあって、私にとって、最も仲が良い。
ずっと一緒だった。
初めに富造君が喧嘩売ってきて、私が負けた所からの関係だったが、
そんな事はもう今となっては良い思い出。
とは言えず。
いきなり女の子に喧嘩売ってきて肘撃打ち込まれた事は、今も忘れていない。
ずっと、根に持ってるからね、富造君。
一生引きずるからね富造君。
「晴生君も、一緒に遊ぶわよね」
「エターナルファンタジーオンライン」
親友の晴生君にも声を掛ける。
「あぁ!?エターナルっていやぁよ」
「フルダイブってやつだろ」
「オレァ、フルダイブってのがわかんねぇんだよ」
晴生君は、いつもこうだ。
いろんな事が分からなくて、知らない。
「フルダイブってのはね」
フルダイブを晴生君に説明しようと試みる。
まぁ、無駄だとは思うけれど。
「うるせぇ!」
「オレェに講釈たれてんじゃねぇ!」
「月恵、お前でも女子でもブットバスぜ」
「オレに授業始める奴はなぁ」
と、晴生君はまるで、講釈も授業も始めなければ、女子は殴らないとでも言っている。
おかしいですね。
晴生君は初めに私に喧嘩売ってきて、私の事ブットバシましたよね。
飛びましたよ、あれは。
そして、私は負けました。
なんで、こんなパワータイプわからない知らない君に突然喧嘩売られて、ブットバサレなければいけなかったんでしょうか。
私、女子ですよ。
今も、まったく納得いってません。
私達がおばあちゃんとおじいちゃんになっても、その話し持ち出しますからね。
来世でも異世界転生しても恨み続けますからね。
「晴生君。やめたまえ」
「女性に対して声を荒げたり、乱暴をするものではないよ」
クラスの委員長である親友の才賀君が、晴生君を制止する。
才賀君は、女性に対して乱暴したりしてはいけないと、
まるで常識人のような事を言う。
おかしいわよね。
才賀君は、突然私に喧嘩売ってきて、大外刈りからの下段突き決めましたよね。
そして、私は才賀君に負けました。
女性に対して乱暴をするものではないんですよね。
あの大外刈り→下段突きは、乱暴ではないとでもいうんでしょうか。
今も、毎日のように、あの大外狩り→下段突きの事を思い出してしまいます。
今までも、これからも、ずっと、消えない傷になっています。
絶対絶対、許しませんからね。
才賀君は、スラリとした美少年なんだけど、私にはどうでもいい事なのよね。
私、美少年とか好きじゃないんです。
私が好きなのは美少女です。
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