【完結】慰霊の旅路~修業編~

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沙美海岸(岡山・倉敷市)

公開日時: 2021年11月18日(木) 23:47
更新日時: 2021年11月21日(日) 14:29
文字数:8,228

旭川ダムを15時30分過ぎに沙美海岸へと向けて出発した一同は、一般道と有料道路を使いながら1時間20分後になる16時50分頃に沙美海水浴場の駐車場へと到着すると車とバイクを停車させてから徒歩で沙美海岸を目指し歩き始めた。


海岸沿いでゆっくりと瀬戸内海を眺めながら歩く侑斗は、沙美海岸に纏わる心霊スポットが大体予想がついたのか、聞く前に勝本と日向に聞き出すことにした。


「見た感じ、至って普通の海岸にも見えますが、ここが心霊スポットとして言われる所以としては、僕の勘が間違っていなければこの沙美海岸で海難事故が多発しているとかそういう理由でしょうか。」


侑斗が大体思ったことを語り始めると、勝本が答え始めた。


「勘と言うよりかは”ここは海岸だから多分そうじゃないか”と思ったことを言っただけじゃないのか?」


思わず考えていたことをズバッと言われてしまった侑斗は嘘をつくわけにはいかないと考えた末に、「すみません。海水浴場としてもつかわれる海岸で考えられることとしたら、海難事故の多さから心霊スポットとなったのかなと思った、それだけです。かっこよく言ってしまったのが何だかバレてしまったみたいで、失礼しました。」と語ると、そんな侑斗を見た勝本は笑いながら「ハハハ。何もそこまで謝ることなんてないよ。見栄を張ってカッコつけたかっただけなんだろ?」と話すと、侑斗は照れ臭そうに「少しでも、自分が成長したところを見せたかったんです。」と語ると、そんな侑斗を見た日向は「侑斗君にも可愛らしい一面があるのね。勿論今までの心霊スポット地で沢山経験してきたなあということは、一緒に行動してみて伝わってきているしゆくゆくは星弥君にも認められる日は近いと思うよ。」と語ると、侑斗は「さあ。兄ちゃんも俺の活動に影響されて今までボランティア霊能なんて行ってこなかったのですが、僕が本格的に活動するようになって活動を再開するようになった、そんな感じですけどね。」と答えると、二人の話のやり取りを聞いて居た勝本は意味深な言葉を言い始めるのだった。


「今まで霊能者としての活動をセーブしていたのに、再開したのには何かある。侑斗君が気がかりでというのが理由ではないだろう。それこそ未来が見える透視能力を持つ饗庭君のことだから、己の死が近付いてきていることを知って、この世へ少しでも心残りを残したくない一心で活動するようになったんじゃないのか。」


それを聞いた侑斗は「えっ!?そんな冗談にも何にもならないことを言ったら、兄ちゃん普通に元気ですし、あんな皆のムードメーカー的な存在だから、自殺するなんてことは100%ありえません。兄ちゃんが再開したのは終活のためとか考えたくもないです!」と強く言い切ると、勝本は侑斗に冷静になって考えるようにと促してから勝本なりの意見を話し始めた。


「饗庭君は自殺はまず考えられない。実際に自分の父親が悪に憑依された挙句、自我や自制心までも失った状態で首を吊った父の最期を見ているわけだからね。ただいまの饗庭君の仕事は危険と隣り合わせでもあるんだ。それだけに、いつ殉職をしてもおかしくないから、今自分が出来る自分なりの人助けをしたい一心かもしれない。侑斗君には分かっていないことだけど、俺も死ぬまで黙っていてほしいって言われていることがあって、それは饗庭君が保険会社で生命保険をかけていて、死後の保険金の受取主を弟でもある侑斗君にしているんだよ。」


勝本から突如聞かされた内容に侑斗は驚きを隠せられないでいた。たまらず侑斗は勝本に「兄ちゃんは27歳ですし、しかもそこまで生命保険をかけて、死んだ後の保険金の受取主を僕にしていたなんて、初耳ですよ。でもどうして?遙さんが亡くなったとしても、兄ちゃんにはまだ幸せを掴める機会なんて幾らでもあるのにそれを兄ちゃんは次の恋愛へのステップを踏もうとしていないだけなのに、どうして兄ちゃんは僕に何を託そうとしているんですか?」と聞き始めると、勝本は答えた。


「饗庭君は言う、”侑斗には幸せになってほしい”ってね。佐賀はどの都道府県においても凶悪犯罪が群を抜いて日本一とかそういう県ではないことは言えるけど、でもやはり人に恨みを買われたりすることも暫しある仕事なんだ。逆恨みされた末に殺されてしまう危険性だってある。警察というのは刑事ドラマの影響もあってか”正義の味方だ”という考え方を持たれがちだが、それは決して”正義の味方だ”とは言えない。警察は”治安を維持していくための組織”であって”トラブルが生じて困った時に必ず助けてくれる組織”というのは違う。警察の行う行動の全ては刑法に沿って従う、ただそれを知らない人があまりにも多すぎる。警察という組織が働いているおかげで日本は犯罪大国にならずにいるんだ、警察の組織があっても機能しない世の中だったらどうなっているか。あちこちで犯罪が多発し、それこそいつ死んでもおかしくない時代と化してもおかしくないだろう。饗庭君にはそれなりの覚悟があって、少しでも我が命が無くなっても残せられるものがあるようにって言ってね、高い保険料を払っているんだよ。饗庭君がそんな事を言い出すのは何かあるんじゃと思ってね。」


今までどう話すべきか迷いに迷っていたことをやっと話せることが出来た勝本の表情は清々しかった。しかし星弥が終活ともとれる行動を起こしていることを知ってしまった侑斗は戸惑いを隠せられずにはいられなかった。


勝本の話を聞いた侑斗は「今はそんな兄ちゃんの死、たった一人しかいない兄です。死んだ後など、とてもとても考えられません。」と強く訴える口調で反論するとそんな侑斗を見た勝本は「まあ・・・。俺が切り出したのもあれだから、ごめん。言うべきタイミングじゃなかった、もう少し見計らうべきだった。今俺の話したことは忘れよう。気持ちを切り替えて、沙美海岸での心霊スポットとしての検証に専念しよう。」と切り出すと、侑斗は吹っ切れたのか「そうですね。気持ちを切り替えましょう。気持ちを強く保たねば、悪に憑かれてしまいますね。」と語ると、勝本の隣にいた日向が沙美海岸に纏わる心霊スポットとして伝わる所以を語り始めた。


「沙美海岸は日本で初めて海水浴場が出来た場所としても知られており、そのためか海水浴場としてオープンしてから海難事故が多く多発して死者が出ているという話から心霊スポットとしても知られる経緯にも繋がった。あくまでも都市伝説の域にしか過ぎないが、海中のある場所には沢山の石に御札が貼られてある場所があるとされている。中には船舶での通行が出来ないとされている場所もあり、そのエリアを通ってしまったために事故が起きてしまったという話がある。先程話をしたことの補足になるが、御札が貼ってある石については、海水浴場での溺死事故があったために、お亡くなりになられた方の魂を弔うために行ったという説がある。その他にも海岸で写真撮影を行うと海面から白い手がでているような”何か”が写し出されるという。」


日向の話が終わったところで続いて勝本から説明が行われた。


「先程日向が話したように、日本における海水浴場発祥の地としても知られているだけに、海難事故でお亡くなりになられた方々の魂が未だに成仏できず、彷徨っているとされている。海面に白い手が浮かび上がってくるという写真が撮れるほかに、海中のある一角には御経が書かれた石が無数に落ちているとされる場所がありこれは溺死した海水客の霊魂を供養する目的で行ったという。その他、色々な心霊スポットの検索サイトで書かれている情報には諸説あり、水難事故で亡くなられた方が多い。溺死した海水浴客が成仏できずに御霊として現れるとされ、特に人気が少なくなる夜の時間帯での目撃例が多いために、今もなおこの世に未練を残しているのではないかというのと、海という条件であることに目をつけて事故と見せかけて殺害されたケースもあったのではというのもある。そして御経の書かれた石には、近くに住む住職が溺死者の御霊達を鎮める目的で御経を書いた石をばらまいたという説がある。」


日向と勝本の話を一通り聞いた侑斗はある疑問が芽生えた。


「海中のある一角に石がある、御経が書かれた、御札が貼られた、非常に情報があやふやであいまいですね。そこはどうなんでしょう?」


侑斗が疑問に思ったことを話し始めると、日向は「仮にもし石に御札が貼ってあったとしたら潮の流れによりそもそも御札が流れてしまう可能性があってただの石にもなりかねない。やはり有り得るとしたら、御経が書かれた可能性があるのだが果たしてそうならば、その石を目撃したという人も出てくるはずだが、やはり御経が潮の流れで消えてしまったために、御経そのものが消えてしまっている可能性もあり、実際にその石を見たという人はいないあたりから、都市伝説にしか過ぎない可能性のほうが極めて高いと思われる。今回侑斗君にお願いしたいのは、この石を探してほしいとかそういうことではなく、単純にこの地で今もなお彷徨い続ける過去に水難事故の犠牲となってお亡くなりになられた方の御霊が彷徨っていないかどうかを心霊検証を行ってほしいというのが今回の課題ね。夜になればより不気味な雰囲気で漂うことでも知られている場所だから、霊能力が強くまた過去の世界を透視することが出来る侑斗君にしか見ることが出来ない世界を教えてほしい。」とお願いすると、侑斗は「勝本さんと日向さんの話を一通り聞いて大体のことは想像つきました。霊視検証を早速行いましょう。」と語ると、頭をリセットした状態で気を集中させ精神統一を行ってから霊視検証を行い始めた。そして海をじっと眺めること13分ほどが経過して、やっと自分なりの考えを後ろでじっと見守る日向と勝本に切り出した。


「海のほうをじっと眺めていたら、天国へ昇天するために高い山の高さを利用することにより今まさに登ろうとしている複数の浮遊霊は確認することが出来た。ただこの地で彷徨っている浮遊霊に関してはこの海岸で死んだわけでもなく、水場であることと山が近いという事も相まって、御霊が集まりやすい場所の条件がそろっているだけなのかもしれない。噂にも伝わっている、御経が書かれた石は、この地で水難事故によりお亡くなりになられた方を弔うのが目的ではないだろう。」


侑斗がそう切り出すと「僕の推理ですが、恐らくは東日本大震災で犠牲になられた方々の魂を弔うために御経を書いた石をこの沙美海岸で撒いたことがきっかけで心霊スポットの一つと思われてしまった理由の一つになってしまったのかもしれませんが本来の目的でもある”東日本大震災でお亡くなりになられた方の鎮魂”であるということが忘れ去られてしまい、いつしか”海難事故で多くの方が犠牲になりその方の魂を供養するため御経に石を書いたものをばらまいたという嘘の話が真実よりも多いに広まってしまった虚しい結果になった。ばら撒いた石がまだこの地にあるのは間違いないだろう、内海で荒波に揉まれる危険性もないのだからね。大きく手を振り上げて投げたとしても、瀬戸内海のどこかで今もある可能性はあるだろう。ただもし石を見つけたとしても、御経の文字はすでに消えているだろう。ただそれでも、石をばらまくまでに住職の方が思いに思いを込めて読み上げた御経の力は決して消えるものではないだろう。」と語りだすと、侑斗は持っていたタブレットで改めて調べ始めた。


侑斗がタブレットで調べている間に、日向と勝本は確認のためにも霊視を行い始めることにした。


そして侑斗が日向に声をかけると、「日向さん。僕言い当てたかもしれないです。僕の頭の中でお寺が出てきた、お坊さんが白い石を前にして御経を書きあげている姿を見て、そのお坊さんが”東日本で未曽有の大災害が、亡くなられた方々の霊魂を供養したい”と一心不乱になって向き合っている姿が見えて、やはり東日本大震災で犠牲になられた方々の供養を行っていたのは間違いのない事実のようです。だとしたら御経の石は海難事故でお亡くなりになられた方を弔うためというのはデマだったという事ですよ。」と説明をすると、勝本もその話を聞きつけると二人で侑斗が持ってきたタブレットをじっと見つめるのだった。


心霊スポット検索サイトで記載された記述内容を確認したところで、勝本がどう切り出そうかと考えている姿を見て、日向が自分なりの見解を話した。


「仮にもしここで海水浴客による水難事故が遭ったと考えたとしても、気になるのが離岸流が発生するか否かというのもあるのだが、発生しやすい要因として挙げられているのが海岸が太平洋か日本海などの外洋に面しており、遠浅で海岸線が長く、波が海岸に対して直角に入る海岸が危険性が高いとある。残念ながらこの沙美海岸で離岸流による水難事故が起こるとは考えにくい。やはり考えられるとしたら、行き交うタンカーによる船舶事故といったところだろうが、履歴がないためにやはりここは古くからある海水浴場だから”何か悪い過去でもあるのだろう”と周りが囁かれるようになってから言われるようになってしまったのかもしれない。侑斗君の話にもあったように、わたしも海岸付近を静かに山の方向へとゆっくりとした歩調で向かっていくご高齢の女性の御霊を先程見たわ。その他にも、色々な方が山を目指して昇っていくのが見える。付近で病気などでお亡くなりになられた方の魂が肉体から離れ、天国へと向かうための旅路としてこの沙美海岸が御霊達の通り道になっているのだけかもしれない。海岸で白い手が写し出されるという現象についても、溺れた人によるものでも何でもなく、たまたま写り込んだ浮遊霊の手が写された可能性もある。成仏しており、かつ浮遊霊としてこれから天国へと昇天していく途中でもあるのだからこの世への未練もなく、生きている人に対して呪い祟るほどの力は存在しないと見た。」


日向が話した説明に勝本は「ここは岡山の中でも平和なほうなのかもしれない。人形峠は異質だったが、さっきの旭川ダムは、まあ侑斗君は居眠りじゃと言っていたけどね、俺はあれは違うと思った。侑斗君は、透視をした世界をそのまんま伝えたに過ぎない、トンネルから出たときにお父さんがふらふらしていたのが見えたのだろう、でもそれが睡魔によるものならば衝突したときに目が覚めるはずだからね。意識を取り戻せず、車体が沈み込むのをじっと家族が必死になって助けてとSOSを叫んでいるというのならば、俺はお父さんは居眠りが原因によるものではなく病気としか考えられない。警察も遺体解剖をした結果、お父さんの死因が病気だと分かれば、”故意による事故”ではないと判断されることだろうし、報道はされなくとも世間話で広がってしまった可能性は捨てきれないというのは思った。その他にも工事中で殉職死された方々や、自殺されたであろう御霊も確認できたが、成仏されており、また投身自殺を図った方も少ないから除霊を行っても良かったんだけど、侑斗君が行わないと判断したのは”この地には色々な事情を抱えた人がいるから全ての人の心の闇の救済は出来ない”と判断したからだろう。でも沙美海岸は、東日本大震災の供養を行ったという話から段々と違う方向へと情報が発信されてしまったがために心霊スポット化されたのかもしれない。ここは観光としてくることを目的にしてほしい、そればかり祈るしかない。」とそれまでの心霊ポットを振り返りながら語ると、侑斗は首を振りながらうんうんと頷き、「日向さんや勝本さんの仰る通りだと思います。旭川ダムでの僕の考えはあくまでも、透視をしただけの結果をお伝えしたに過ぎず、事故死したであろうご家族の御霊を呼び出してまでのことはしていませんでした。人形峠については、僕もあの特異なといいますか、空気が重いと感じてやはりあそこは違うと考えたからというのがあって、次に検証を行った旭川ダムは、この地で最期を遂げた方々の、それぞれの思いが違い、我々のような霊能者を通して訴えたいことだってそれぞれあるだろう、でも一人一人の思いや訴えを聞き続けては、深入りしすぎてはいけないゾーンに入ってしまうと思ったからでもあるんです。」とここまで行ってきた心霊スポットを思い出すようにして振り返ると最後に侑斗は「僕も駆け出しの霊能者として見習わなければいけないところがあると思います。まだまだ修行を積まなくてはいけませんね。お二人のような大ベテランの霊能者と話し合える機会を頂いて本当にありがとうございました。」と語ると、日向は笑いながら「除霊にチャレンジをしても良かったんじゃないのかな。私達だってついているし、何かあれば救えるからね。心配を掛けたくないという思いがそうさせているのならば、いざ除霊を行ってくださいと言われたときにどうする?危険だと分かれば潔く退散しちゃうわけ?」と語ると、勝本は「やれることはやって、それでも身の危険が生じると判断が出来る程のレベルではないというのが正直な感想だ。まだまだ”御祓い”を経験していかないと、それこそ今はまだ依頼がないだけで今後”心霊スポットの除霊を行ってほしい”という依頼が入ってきたらどうする?今の侑斗には果敢に挑戦することも必要なことだと思う、冷静に判断することも出来るようになったのだから、あとはボランティア霊能者として自立をして行くための道筋を自らの手で築いていかねばならない。」とアドバイスを送ると侑斗は「ありがとうございます。認めてもらえるように鍛錬を続けます。」と答えるにとどまった。


そして一同は車とバイクを停車させておいた駐車場へと戻り始めると、「また会おうね。」と語り合った後に、それぞれの連絡先を交換し終えてから自宅がある場所へと帰ることにした。


「有意義な2日間だった。でもまだまだ俺には兄ちゃんの背中は遠い。」


侑斗がそう思いながら、佐賀への道を帰ろうとしていた同時刻に、星弥はかつてかもめ荘があったとされる場所にやってくると思わず口に出してしまった。


「ここは何ですか?廃墟ではなくなっていますね。」


星弥がプロデューサーの多田野に話すと、多田野は答えた。


「近々オープンすることになった、日御碕キャンプ場になります。」


それを聞いた星弥は「廃墟はどうしたんですか?」と聞き始めると、多田野は「見て御覧のとおりです。廃墟は2021年に本格的な解体工事に入った後に、2022年にはかもめ荘の建物があった場所は全て更地になりました。しかし島根を代表する心霊スポットの一つとして知られていたところでしたので、跡地を利用したいという業者がなかなか見つからずやっと、この地をキャンプ地として利用したいというリゾート会社が開発をしてくれたおかげでこの地に再び人が訪れるようになっていくだろうと思います。」と話すと、星弥は「それだけなら怖くないじゃないですか。他に理由があるという事ですよね?」と追及すると、多田野は答えた。


「キャンプ場開発に携わったリゾート会社のある社員Aによる問い合わせが当テレビ局に是非とも心霊番組として取り上げてほしいという内容だった。内容としては、常に誰かに見られているような視線を強く感じる、現場には誰もピンヒールのようなコツンコツンと歩けば鳴り響くような音のする靴を履いていないのに、そのような音が聞こえてくるなど、不可解な現象が起きたんだ。それだけでなく、一緒にメールで添付されていた、森を写真撮影したとされる写真には沢山のオーブが写し出され、これは未だなおかもめ荘の御霊が彷徨っているという何よりの証拠ですよ。」


多田野が見せた写真を見た星弥は「これはあまりにも、多すぎる。話しかけるにしてもきりがない。」と語った後に「多田野さん、出来る限りのことは僕もこの地に来た以上行いましょう。ただここは民宿があった以外に何か闇に葬らなければいけない歴史があったはずです。収録が始まるまでにかもめ荘としてオープンするまでに何があったのか出来る限り調べてください。」とお願いをすると、多田野は「出来る限りのことは行いましょう。」と話した後に、近くにいたディレクターに情報を集めるようにと指示を出すのだった。

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