軽井沢大橋を後にして、侑斗は持参しておいたタブレットで”慰霊の旅路”の管理者ページにログインすると、すぐさま投稿をしてくれた清水氏に連絡を取ることにした。
「投稿をして頂いた案件ですが、非常に申し訳ないのですが、現地には夥しい数の自殺者の未成仏霊が彷徨っていました。全ての霊を除霊をするということは誠に申し訳ありませんが、数が多すぎる故、手伝っていただいた4名のボランティア霊能者でも対処しきれません。恐らくですが、1000名は超えるだろうと推測されます。霊がいない事を証明することはできませんが、今後肝試しを行うであろう若者たちに対してエンジンが本当にかからないのかどうかを実証するための、駐停車禁止のところで車を駐車したり、食べたり飲んだりした際のごみを捨てたりするなどの行為をこのサイトを通して強く指摘をしたいと思います。鳥居が無くなった寂しげな天狗神社の祠を見て思いました。一部の情報筋によると、鳥居をくぐれば呪われる、事故を起こすなどの情報があって、その情報を信じた若者たちによる悪戯行為があったために撤去された可能性があります。こんな悲しいことはあってはならないと思います。出来る限りのことはしてあげたいと思いますが、同時に我々としてはあの天狗神社を本来なら恐らく山の神でもある天狗を祀る目的で造られたのだと思いますが、自殺者の御霊達の心の救済をできるのは神しかいません。地元の方達であの天狗神社を綺麗に整備してあげてください。宜しくお願いします。」
侑斗はそう書き綴ると、自殺者の女性の幽霊を見た橋の真ん中あたりで撮影をした写真を添付して返事をすることにした。
その際に改めて撮影した写真を見て背筋が凍る思いになった。
その写真を左隣に座っていた嶋崎がのぞき見すると「何これ!?オーブばっかり写っているじゃないか!!」と話すと、右隣に座っていた笹山も「え?オーブばっかりの写真って何?」と話して侑斗のタブレットをのぞき見し始めるのだった。
そんな二人の様子を侑斗は「大量のオーブが写るのはわかっていた。わかっていたから証明するためにも撮った。」と答えると、嶋崎は「写真の御祓いはするのか?」と訊ねると侑斗は「ああ。勿論行うよ。」と答えてから、早速写真の御祓いを行い始めるのだった。その様子を二人はじっくりと観察し、御祓いが終わったところで侑斗はハッと天井を見上げた。
「御祓いをしても昇天するためのお手伝いをしたとは言い切れない。」
侑斗が呟くと、嶋崎は「何言ってるんだよ。侑斗君の今の行いだって立派な霊能者としての活動じゃないか!」と話すと、侑斗は「自信を持って言えることじゃないけどでもそう言ってもらえるだけでも嬉しい。有難う。」と言って返事をすると、運転をする夜明に「また長時間送ってもらって申し訳ないです。中部セントレア空港まで着いたら後は何とかします。」と話すと、夜明から思いもしない答えが返ってきた。
「侑斗君にはまだお付き合いをしてほしいところがある。ただ距離があるので途中で一泊してからそこへ向かおうとしている。侑斗君が3連休というのは星弥君から話は聞いている。」
夜明の話を聞いた侑斗は「えっ!?そんな話聞いていません!またクソッ!あの糞兄貴め、肝心なことを説明していないで、俺はてっきり軽井沢大橋だけかと思ってましたが、今度は夜明さんの依頼のお手伝いなんですか?」と聞き始めると、夜明は「聞いて居なかったのね。まあ星弥君が”課題の一つ”と言っていたから、最後まで言わずに黙っているつもりだったのかもしれないけどね。」と話し、侑斗は仕方ない表情で「次はどこに行かれるのですか?」と訊ねると、夜明は答えた。
「実はいうと、星弥君からの依頼を受けてね。軽井沢大橋と同様なんだけど、こちらは前もって星弥君が知人からの心霊検証をしてほしいというのがあって、なかなか忙しくて行けそうにないからお願いしたいと言われたところがあるからそこに向かおうと思っている。」と事の経緯を説明してから、次の目的地について説明した。
「次に向かう場所は、神奈川県の相模原市にある虹の大橋よ。ここも軽井沢大橋と同様に自殺の名所としても知られる有名な場所よ。」
夜明から説明を受けた侑斗は「まさか、そこでも”霊の有無を確認して”という依頼なのですか。ハハハ。関東圏ですからね、100%出てくるに決まっているじゃないですか!都会だし人口密度だって高いんですから、九州のド田舎とは事情が違います!」と言い放つと、嶋崎がGoogleのストリートビューで虹の大橋の様子を侑斗に見せ始めると「軽井沢大橋は明らかに心霊写真と思える箇所が加工された痕跡があったが虹の大橋のほうがまだいいほうかもしれない。」と呑気に話しかけると、侑斗は持っていたタブレットでGoogleマップのストリートビューを開くとある点に気が付く。
「まだいいってか!?冗談じゃない。走っている人やマウンテンバイクやらバイクに乗っている人は心霊じゃない。命あるから怖くないけど、でもこの花束が置かれていたり、ああここなんて有刺鉄線が切断された痕跡があるから何かあっただろっていうのが生々しく残っているじゃないか。このビニールのポリ袋だけってのも何だ?まさかお供え物?だとしたらここのほうが危険度が高いような気がする。」
侑斗がそう語ると、笹山がある可能性を示唆した。
「そのポリ袋、金魚掬いで金魚を掬ってきたときに貰ってくるような袋じゃね?だったら、祭りの帰り道でたまたま通りかかった虹の大橋で要らないと思って捨てた金魚を放流した可能性もあるよ。」
笹山の話に侑斗は「捨てるぐらいならもっと違う場所を選べよ。」と突っ込むのだった。そして助手席の福原があることを話し始めた。
「因みに星弥さんに入った心霊依頼の内容は、厚木市内に住む市内の救急隊員によるものだったんだけどね、その人曰くつい最近に虹の大橋で投身自殺があったらしくって急遽搬送のためにも向かわなければいけなくなったらしくって、実際に現地で飛び込んだ人の救命措置を行っていた時の事だった。心臓マッサージや人工呼吸などを救命措置などを行っていた時に、背後は宮ケ瀬湖で誰も立つことすらできないスペースになっているはずなのに誰かに背中をポンポンと叩かれたような、叩かれた冷たい手の感触が残っていて振り返るとそこは暗闇の世界が広がっていたという。当然ながらその人は投身自殺の緊急搬送の対応のみならず、現地にT字路の交差点があってそこでは事故が起こりやすいからそこでも傷病者の対応をしたりと、虹の大橋付近に行くのはこれが決して初めてではない。ただ、明らかに生きている者の手ではない、ドライアイスのように冷たい手の触感だけが気持ち悪く今も感じてならない、という話だった。その他にも現地の警察官も頻繁にパトロールをするところでもあるみたいだけど、宮ケ瀬湖から呻き声のような叫びが聞こえて確認のためにもパトカーを緊急停車させたところ、橋を注意深くチェックをしたところ誰もおらずまたパトカーには二人の警察官が乗っていたみたいだけど橋の上には自分たちしかいないにも関わらず大勢の人が近付いてくるような足音が聞こえ始めて身の危険を感じてすぐその場から立ち去ったというのもあって、自殺者の御霊による現象の報告が後を絶たない。そこで今回の依頼が完全に除霊はしきれないと思うが、救いを求める霊達に救いの手を差し伸べてほしいというもの。勿論警察官や救急隊員の方も、ここの自殺者が神奈川県内において明らかに多いことは知っているし、完全除霊をすることは出来ないことは分かり切っていることだから依頼としてはやりやすい仕事だと思うよ。」
福原の話に侑斗は「やりやすい仕事ですか。それは完全除霊をしきれないことを分かっているからということですか。だったら軽井沢大橋も虹の大橋もいい勝負をしていると思いますよ、僕的にはですよ。」と語ると、二人の話を運転席でじっくりと聞いていた夜明は「侑斗君の言っていることも理解はできる。ただ我々霊能者として見極めをしなければいけないことはただ一つ、それはこの地で現れるとされる自殺者の御霊が今この地で救済を求めて彷徨っているかどうかを確かめてくること。そこは侑斗君にも出来ることだよね?」と侑斗に質問すると、質問された侑斗は断るわけにもいかず「わかりました。ここまでして頂いているんですから、それはそれはもう断る理由なんてありませんよ。」と話し渋々引き受けることになった。
そして一同は20時を回った頃ぐらいに相模原市内にあるビジネスホテルにチェックインをした後、侑斗は嶋崎と笹山と同じ部屋に泊まることになった。
「はあ~さすが都会は違う!あっちこっちにコンビニがある!良いなあ!!」
侑斗が思わず田舎の愚痴を語ると、名古屋ではそれが当たり前なのかそれを聞いた嶋崎と笹山は「あっちこっちにコンビニがある?それがあって当然じゃね?」と嶋崎が話すと続いて笹山も「歩いて徒歩5分の圏内に必ずコンビニがあるのが普通なんじゃないのか?」と話すと、侑斗は「佐賀と名古屋とでは事情が違うに決まっているだろ!因みに僕の住むアパートから近くのコンビニは歩いて30分内の圏内にあって車でも使わないと5分じゃ辿り着かねぇよ!」と若干怒り気味の口調で反論すると、嶋崎は「地方ってそんなにコンビニの店舗数に格差があるのか?」と不思議がると侑斗はさらに怒った。
「地方で悪かったな!」
侑斗の怒りの突っ込みで3人は夜の23時過ぎに就寝し始めた。
そして日が変わり、2025年8月10日 日曜日の朝を迎えた。
朝の7時過ぎに起床した侑斗は、眩しい太陽の陽ざしに目を向けると、「起きなきゃ。」と眠たい目をこすりながら洗面所へと向かい顔を洗い始めると、続けて笹山と嶋崎が目を覚めて続けて洗面所へと現れ始めた。
「あっ、おはよう。寝れた?」
侑斗が二人に対して何気なく語ると、嶋崎は「ああ。うん。寝れた。」と答えると、笹山は「特に。誰のいびきがうるさいとかそういったこともなくね。」と話すと、身支度をサッと終えてから3人でモーニングを取るために1階へと降り始めると、先にモーニングを食べ始めていた夜明と福原の二人と合流し、5人で仲睦まじく食べ始めると、朝の8時過ぎにはホテルをチェックアウトをして、虹の大橋へとむけて出発をし始めた。目的地の虹の大橋の近くにある駐車場へと到着するとそこで車を停車させてから、徒歩で虹の大橋を目指して向かうことにした。
「先生、橋が近付くにつれ寒気と言いますか、悪寒に近いものを感じます。」
福原が夜明にそう打ち明けると、夜明もある存在に気が付き始めていた。
「自殺防止用の2mはあるだろう高い柵と有刺鉄線で張り巡らされてはいるが、効果はいまひとつってところね。有刺鉄線にしたから自殺を予防できるわけではないからね。切断してしまえば怪我しなくて飛び降りることは可能だからね。本当に予防したいのならば、それこそ触れば感電してしまうぐらいのシステムがあったほうがいいと思うけどなあ。」
夜明が有刺鉄線を眺めながら提案すると、侑斗は夜明の案に「それは意味がないと思います。感電してしまえば益々自殺者は増えます。感電してしまえば意識が飛んで倒れた方向によっては橋に落ちるか、橋の下に落ちるかのいずれかですからね。ただどっちにしろ高さがありますから、死ぬ可能性は高いと思われますし、電流を流したところで自殺防止の抑止効果にも何にもならないと思います。他にもブルーライトを導入する、ヒーリング効果のある絵を飾る、音楽を流すなどの策もありますが、衝動的な自殺を食い止めるためには、説得力の高い偉人の言葉を掲示板で伝えるにしても、その場でふと我に返って冷静になるタイミングを与えるような何かをこれからもっと人間心理の行動学も含めて検証をして行かないと、自殺は減らないと思います。」と話し始めると、それを聞いた夜明は「まあ、まあそうよね。でも現実それが出来ないから難しいところよね。」と話しながら霊視検証を行い始める。
侑斗も辺りを注意深く警戒しながらデジタル一眼レフカメラを片手に歩き始めると、嶋崎があることに気付いた。
「歩いていたらさ、橋の下から男の呻き声のような声がしないか?ああ、あああってね。やはり自殺者の御霊なのだろうか。それに足音だって歩いているのは俺達5人しかいないはずなのに、それ以上の足音が聞こえてならない。」
嶋崎がそう話すと、福原は「わたしもさっき女性の叫ぶような声がした。女性が履くようなヒールのある高い靴でコツンコツンと歩くような音も聞こえてきたけど、やはりここには心の闇の救済を求める自殺者の御霊で溢れかえっているような状態ね。ストリートビューでは映し出されていなかったが、やはり複数の人から見られている。多くの視線を強く感じてならなくなった。」と話すと、侑斗は夜明に「まだこの先も歩いていくおつもりですか?」と話すと、夜明は「検証のためだ。致し方がない。虹の大橋を往復で検証した結果、危険なのかそうでないかを冷静に見極めた結果を報告したほうがいい。」と話すと、侑斗は「そうですね。それが依頼でもありますからね。でも長居はし過ぎないほうが良いと思います。僕もさすがに多くの自殺者の御霊の救いの声に助けられるかと言われたらそれは出来ないと言いますからね。」と話すと、夜明は「それはわたしだって出来ないことよ。ここには何百人、いや何千人もの方々がこの地で最期を遂げている。除霊を行えば、続けて何名もの御霊と対峙しなければいけなくなる。きりがない。侑斗君は心霊写真が撮れるか否かを持っているデジタル一眼レフカメラで撮影することに専念してくれたらいい。」と話すと、侑斗は「わかりました。」と話し、可能な限り隈なく写真撮影を行った。
しかしながらも、侑斗も感じ始めていた。
橋の下から誰かが覗き込む複数の人の視線の存在。
「これは霊的エネルギーの強さに勘づかれているのかもしれない。」
侑斗はそう気づいて橋の出口付近まで辿り着いたと同時に背後を振り返ると、そこには嶋崎や笹山、福原が霊視検証を行っている以外の姿はなかった。隣で歩いていたはずの夜明は、出口付近で最終確認を行うために立ち止まって霊視を行っていたため、虹の大橋には自分たち以外の姿は何もないことになる。
侑斗は「視線はどこからなのか。やはり足元なのか。」と気付き始めると、足元を恐る恐る除き始めると、数えきれないほどの人の目が覗き込んでいることに気付くと侑斗はヒッとなってたまらずカメラのシャッターを切るのだった。
その様子を見た夜明は「どうした?侑斗君?」と近付いて聞き始めると、侑斗は「橋の欄干の下から、何十人もの人の目が、視線を強く感じて足元を覗いてみたら目が合ってしまったんです。呪い憑かれないためにも慌ててカメラのシャッターを切ったんです。」と説明すると、夜明は「それでは効果は無意味ね。」と説明した。
侑斗は「それはどういうことですか?」と聞くと、夜明はこう答えた。
「カメラのシャッターを切ったからって、それは心霊写真を撮っただけに過ぎない。後々御祓いをするにしても、お焚き上げで写真の供養をしたとしても、この地で彷徨う未成仏の地縛霊の心の闇の救済までは出来ない。侑斗君には精神力が強いから、霊的エネルギーが今いるメンバーの中では群を抜いて強いから霊を引き寄せてしまう力があるからしょうがない。でも侑斗君には侑斗君なりの強い自信と立ち向かっていくんだという冷静な見極めが出来るから、この場で彷徨う御霊達も誘発しようと侑斗君に近づこうとしたが、自殺をしようとする気配が明らかにないと見て諦めがついてさっと消えただけに過ぎない。ここにはこの世に未練を残してはいるが、諦めがついて成仏した御霊もいれば、冷静になって飛び込むべきじゃなかったと後悔の念を残し今も呻き声や叫び声をあげて自己主張をすると同時に、自分と同じ目に遭えばいいのにとばかりにこの世の中に逆恨みをして悪さをする悪霊の存在も捨てきれない。大事なのは、身を護るための行動をとるよりもまずはその現れた霊がどうアクションを取るのかをしっかりと見極めたうえで、抵抗を示すべきだと思った場合はすべきだし、そうでなければしっかりと向き合って対峙していくべきだと思う。」
夜明がそう語ると侑斗は「対峙していくって、それは安全性を確認したうえでということですか?」と聞き始めると、夜明は「今の侑斗君の技量なら、未成仏の浮遊霊なのか、地縛霊なのか、見極めは出来るはずだし、禍を齎すのかそうでないのかも区別はしっかりと出来ると思う。だから後は、霊能者としてしっかりと対峙していくための術を今後は学んでいかないと、憑かれることを怯えていたら仕事にならない。」と語ると侑斗は冷静になって考えて再度橋の下を注意深く覗き込んだ。
先程の視線を感じた複数の人たちの目はその場から消えていなくなっていたが、宮ケ瀬湖の岸のほうを覗き込んでみると、飛び込んで流れ着いた遺体がぐったりとした状態でそのままこの世を去ったのだろうか、数え切れぬほどの救済を求める御霊を改めて目の当たりにしたところで自分のした行為は果たしてと冷静になって考え始めた。
「先生。僕は九千部山で除霊に失敗して、憑かれることに怯えていました。でも霊能者がいないと、誰も引き受けたがらない仕事だってわかっているから、僕自身霊能者として続けなければいけないという自責の念に駆られていました。でも今、改めて見たときに、自分が一人一人の御霊に対して対処できる範囲内なら対峙していくことも学習していかなければいけないと思いました。そこが今の僕が出来ない部分です。一人ぐらいなら対処はしたことがありますが、2人、3人となると、僕の中では複数になって躊躇ってしまっていたところがありました。でも続けていくと兄に決意を決めた以上、あまりにも彷徨う御霊の数が多すぎて危険と判断しない以上は対峙しなければいけないですね。」
侑斗はそう答えると、その場で読経をよみはじめ深々と両手で拝み始めた。
その様子を見た夜明は「御経をよみあげるのではなく、読経をよみあげると良いと判断したのは冷静な考えで素晴らしいと思うわ。」と語ると、嶋崎と福原と笹山も侑斗がよみあげる様子をじっくりと観察するのだった。
そして侑斗が何気ない表情で戻ってくると、夜明に「怖がっていたら誰の救いにも何もなりませんね。読経をよみあげていたら、誰かしら僕の耳元で”ありがとう”とささやく声が聞こえ始めたんです。全ての人に僕の読経が聞こえてくれたらいいんですけどね、でも少しでも救いの手が差し伸べられたら、それで良いんですかね。」と語り始めると、夜明は「それでいい。それぐらいで十分よ。」と話し、侑斗を労うとそっと侑斗に近づいて抱擁し始めた。
「ありがとうございます。抱きしめられて何だかほっとしました。」
こうして侑斗の弾丸”慰霊の旅路”は1泊2日の日程で終了し、侑斗は佐賀へと帰るため横浜駅まで送ってもらい、そこから新幹線で博多まで移動し、在来線に乗り換えて小城まで戻ってきたのだった。
「やっぱり我が家が一番落ち着く!」
侑斗がベッドにダイブすると、その時に星弥からLINEのメッセージが入ってきた。
「二日間の霊視検証並びに御祓い(_´Д`)ノ~~オツカレー これからは対峙していく技術も学んでいこうね。読経だけで解決できる霊ばかりではないよ~。」
星弥からのメッセージを見た侑斗は右手の拳を強く握り始めると、怒り心頭になって思わずこう返事をしてしまった。
「虹の大橋に行くことすら説明もしてくれなかったくせに!ああそうだな!仰る通りですよ!!これから色んな心霊スポットに行って対峙することも学習してくるからどんどんと色んな除霊の仕事を与えてくれよ!!話し合い対峙が出来ると分かれば、怯えずに霊能者として対応するから!!」
侑斗が返事すると、星弥から思わぬ答えが返ってきた。
「あっ、じゃあこれからは修業編ではなく対峙編だね。これから対峙することを学習しなければいけない依頼があれば侑斗にお願いしてもらおうかな。そうじゃなかったら霊能者として成長も出来ないしね。では(@^^)/~~~ 」
星弥の返事に「えっ?ちょっ対峙って、まさかいきなり対峙が必要な難しい御祓いとかでも依頼するのか。」とハッと我に返ると勢い余って反論するような返事を送ってしまったことを強く後悔する侑斗がいた。
「俺だって命あるけど後悔することばかり、俺だって助けてほしいよ~!」
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