田沢湖での検証を終えた一同は、予め烏藤が予約をしておいたホテルにチェックインを済ませた後に、星弥と支倉と烏藤、侑斗と長谷川、芦原と吉原の部屋と3つの部屋に別れると、朝から動き続けた疲れもあったのだろうか、それぞれ夕ご飯を食べることもなく、部屋の中にあるシャワーを浴びてから眠りにつくことにした。
そして夜が明けた。
2025年5月5日 月曜日の朝を迎えた。
途中で起きることもなくぐっすりと熟睡をすることが出来た長谷川は朝7時に目覚めると、長谷川が起きたのに侑斗が気付き、起き始める。
長谷川が侑斗に声をかけた。
「昨日の田沢湖の件で何だか迷惑をかけてしまったな。本当に俺のワガママで付き合ってくれているのに俺が一番困らせてしまって申し訳ない。」
神妙な面持ちで語った後に今までのことについて振り返り始めた。
「今回饗庭の兄さんや烏藤さん、芦原さんのような優秀な霊能者がいるおかげもあって。色々と思い知らされた。今まで心霊スポットとして紹介されてある場所は興味本位で知り合いと肝試しに行ったりして、心霊廃墟なり心霊スポットの観光地に夜な夜な行くのが凄く好きだった。”怖い、怖い”と怯えながらも、幽霊が出てくるかもしれない!と思いながら先へ先へと進むスリリングな世界観が俺は好きだった。でも、初めて森のしずく公園に来て学習をした。今迄いろんな人が心霊現象を体験したという書き込みを見て、ずっと航空自衛隊への怨みを募らせる怨霊が集まる場でもあるとしう概念でしかなかった。でも違っていた。一つ一つの慰霊碑に頭を下げ、一人一人の亡くなった方々に対して追悼の意を表したことで、入ってきたときは冷ややかな視線とは打って変わって、温かく歓迎をしてくれた。世の中って幽霊と言えば怖いというイメージが強かったけど、森のしずく公園にいる霊は違う。生者に対して、自分たちが生きられなかった分を代わりに生きてほしい。そんなバトンタッチを受けたような気がした。田沢湖での話は、俺は主にヤクザが遺体処理として使った説を日本で最深の湖だから有り得るのではとも思っていた。でも饗庭の兄さんが話すことが真実なら、俺は訪れた人々がそうなんじゃないのか思い込んだ話を信じ切っただけに過ぎないってことだった。」
長谷川が語ると、侑斗は「何もそこまで皆気にしていないと思うよ。俺も色々な心霊スポットへ行ってはデマかどうかを見極めて、現地へ実際に赴いて霊視を行った末に真実なのかどうなのかの検証をすることだって必要なことだしね。この仕事は、下手をすると、人が来なくなってしまい肝試し目的の若者がゴミを無造作に捨てたり、あるいは悪質ないたずらだってする可能性も、有名な心霊スポットとなれば、その土地を管理をする側のみならず近隣住民だって迷惑行為にも繋がりかねない。少しでも、悪意を持った若者による訪問を避けるためにも欠かせないことだ。」と語った。
長谷川は侑斗の言葉を聞いて、「そう言ってもらえるだけでも嬉しい。俺も都市伝説で知りえた情報など、はしゃぎ過ぎずに冷静になって語れることが出来たらと思う。少しでもデマなのかどうなのかを見極めるようになっていきたい。」と話した。
侑斗は長谷川の言葉を聞くと、「大丈夫。きっと色んな所に行けば学習できるものだってあるはずだ。何だったら霊能力者訓練中の俺と一緒に、心霊スポット巡りをしないか。」と笑いながら話すと、長谷川は思わず「え?饗庭ってまだ訓練中!?」と聞き返すと、侑斗は答えた。
「兄ちゃんから課題として週末の土日に必ずと言ってもいいぐらい、この心霊スポットに行ってきて御祓いをするべきか否かこの目で確認してトレーニングをしてきなさいってね。俺が、九千部山で俺がこの地で彷徨う御霊達に対して優しさの感情を持って接した結果、悪意ある霊に憑かれてしまい、我さえも見失ってしまった。兄ちゃんはそんな俺に”侑斗には向いていないからこんな活動は続けるべきではない!”と叱責されたが、でも俺にはこの活動しか向いていないと気づかされた。俺には浮遊霊とも話せることが出来る、この世に強い怨恨の感情を抱く地縛霊とも語り合えることだって出来るんだ。霊になってしまえば、語り手がいないと、訴えたいことがあったとしても声を大にして訴えることはできない。兄ちゃんには何度も何度も説得されたが俺はそれでも霊能者としての活動を続けたいと訴えた結果、兄ちゃんが師匠となって俺の指導に携わってくれるという事になって、今の俺がいる。でも兄ちゃんの御払いの様子などを見ていても、やっぱり兄ちゃんは違う。格別だ。強いし、決して己の弱さを悪霊には見せつけず、真正面で対決する姿勢は俺には真似はできない。そんな兄ちゃんに俺は今までずっとずっと憧ればかり募らせてきた。俺はそんな兄ちゃんのような強い霊能者になりたい。諦めずにこれからも霊能者としての鍛錬を続ければきっと兄ちゃんと並ぶぐらいの存在になれると思って続けている。そんな俺で良ければ、俺の助手としてついてくるか?」
侑斗のお願いともいうべき内容に長谷川は「うーん。」と言いながらじっくりと考え始めること、5分ほどが経過して長谷川の重い口が開いたのだった。
「霊能者見習いの助手に向いているか分からないが、俺も幽霊ハンターとして侑斗と一緒になって活動をして行きたい。」
長谷川の答えに侑斗は「ありがとう。きっと誰かが一緒になってくれたほうが俺も守らなければいけない存在をより意識して鍛えられると思う。」と御礼を言った。
そして二人は、ホテルの1階にある朝食のフロアへと足を運ぶと、バイキング形式になっているところから、ご飯や味噌汁やメインディッシュの焼き魚や漬物などを取って、空いているテーブルに座り始めると、黙々と食べ始めるのだった。
「昨日は吉原さんがいなかったからぐっすりと眠れた。でもおかげで、すんごくお腹が空いた。夢の中で俺は、ご飯の中に埋もれてしまう夢を見てしまったよ!」
侑斗が長谷川に笑いながら話すと、長谷川は「ご飯に埋もれてしまうってか!それだったら俺は味噌汁風呂につかってゆっくりとしている夢を見たよ!」と話すと、侑斗は「ハハハ。お互い食べ物のことしか考えていなかったってことだよね!」といって二人で談笑し合った。
一同は朝の8時にはホテルをチェックアウトすると、秋田市内にある浜田森林総合公園へとむけて出発した。昨日とは違って、侑斗と長谷川は烏藤が運転する車に乗ることになった。星弥と支倉と吉原は芦原の運転する車に乗り込むことにした。移動中の車内で、助手席に座る侑斗が霊能者として先輩でもある烏藤に侑斗はある質問をし始めた。「今まで行ってきた中でも怖いと思ったことってあるんですか?」
侑斗が烏藤に訊き出すと、意外な答えが返ってきた。
「侑斗君。怖いと思ったほうが負けだよ。」
その答えに侑斗は思わず「えっ!?」以外の言葉が見つからず、どう切り返せばいいのか戸惑ったりしたが、そんな侑斗の様子を見て烏藤がさらに話を続けた。
「霊能者である以上、お亡くなりになられた方々に対して恐怖心を持つのは大変失礼なことだ。亡くなられた方がどんな経緯であれ、どんな人生を歩んできたか、そういったことは一切排除して、生きている人と同じように扱うことが大事なことなんだ。それが御霊達にとっては何よりの供養なんだ。目には見えない、だから科学者だ、物理学者と言った専門家が”目には見えぬ存在などはいない”と強く言い張るものではあるけれど、俺たち霊能者にとっては、霊や悪魔というのは確実にこの世の中には存在していると強く断言できる。もともとは生者だったのだからね。侑斗君の話は饗庭から聞いたよ。これからもずっと御祓い活動を続けるのならもっと、もっと、御霊達に対して己の強さを主張できるぐらいのことはできないと、悪に精神的な弱さに付け込まれた末に取り憑かれ発狂しておしまいだな。俺はそんな霊能者を何人も見てきた。そんな人は向かないから辞めろと説得してきた、饗庭と同じ考えだ。しかし侑斗君はそれでも続けたいと考えた意思は今でも変わらないと俺も見ていてわかった。ただくどいほど言われたかもしれんが、己の精神を鍛えることというのはそう簡単にできることではない。俺も饗庭も偉そうなことを言っているけど、本当は霊能者としてはまだまだ生半可なレベルに過ぎないんだよ。一流でも何でもない、ただそれでも霊能者としてすべき活動をして行かなければ、今後この活動をする人たちが減ってしまう。それは何としてでも避けたい、その一心で警官になった饗庭だって、自衛官になった俺も、そして芦原も、本当に困っている人たちに救いの手を差し伸べたいから地方公務員としてまたボランティア霊能者としての活動をスタートしたに過ぎない。」
烏藤の話す内容に侑斗は「そうだったんですね。とても色々と考えさせられました。貴重な意見を聞かせてもらってありがとうございました。」と御礼をするのだった。
車で有料道路などを使い走らせること1時間20分が経過してやっと目的地の浜田森林総合公園へ到着した。時間は午前9時20分をまわろうとしていた。
車から颯爽と降り始めた吉原は「5月上旬から中旬までが梅の花が満開で見頃を迎えるとスマートフォンで検索したらあったからゴールデンウィークの今の時期なら木々がピンク色に染まった絶景が楽しめるのかな?インスタ映えしそうな写真を沢山撮影してアップロードをしようっと!」と張り切って発言すると梅林園の方向へと向かって歩いていく。長谷川は、心霊現象を確かめるためにデジタル一眼レフカメラを片手に熱心に管理棟の周辺から展望台、さらには展望台の階段を上り始めるとワンフロアごとに撮影を行い始めた。長谷川が夢中になってあちこちと撮影をし始めるのを横目に侑斗は気を集中し精神統一を行ってから、深く深呼吸をした後に霊視を行いながら心霊スポットとしての検証を行い始めるのだった。
一方で支倉がスマートフォンを片手に浜田森林総合公園について調べ始めた。
「浜田森林総合公園というよりかは梅林園のほうがメジャーだな。ただ、Googleマップで梅林園と検索しても出てこない。浜田森林総合公園(梅林園)と検索をすれば出てくる。これは梅林園のほうがイメージとして根強いためなのだろうか。」
支倉がそう話すと、侑斗が持参していたタブレットを片手に立ち止まると梅林園で起こるとされる心霊現象をYahoo!のワード検索で調べ始めることにした。
「ここは夜になれば人の目が少なくなるために、自殺者或いは犯行の現場となることがあるようだ。まれに蜘蛛女が出没することもある、蜘蛛女?妖怪?そんなことはさておき、梅林園に行った帰り道で事故を起こす、入り口の看板の前に白い服を着た女性の霊が建っている、林の中を自殺者の御霊が彷徨っているなどがあるね。」
侑斗が話すと、星弥と烏藤が声を大にして笑い始めた。
「蜘蛛女?スパイダーマンならぬスパイダーウーマンが現れるってか!まさしく渾身のネタだ!そんなことはありえない!」
2人で談笑していると、芦原と支倉があることに気が付き始めた。
「何だか管理棟の近くにある展望台から俺達のことを注意深く見る男性がいるような気配がするのだが、芦原さんは見えた?」
支倉がそう話すと、芦原は「ええ。わたしも。この管理棟のあたりから、何人もの御霊達に見られているような気配がしてならない。あの展望台から我々を眺める男性は生者ではない。恐らくだがあの展望台で自らの命を絶った自殺者だろう。」と語ると芦原は談笑し合う星弥と烏藤に気付いたのかどうか聞き始めた。
「田沢湖と違い、ここは異様な雰囲気が漂っている。わたしたちのような霊能者は深入りしないほうが良いだろう。長谷川君にもこれ以上いるのは危険だと伝え、早々と立ち去ることを推奨したほうが身のためだと思う。そう思わない?」
芦原の質問に星弥が答えた。
「ああ。ここは間違いなく自殺の名所だろう。首吊り自殺を図りこちらを恨めしい表情で睨んでくる女性もさっき俺が管理棟で見た。ここは早々と引き上げたほうが良いだろう。人目もつかずかたやひっそりと死ねるのだからね。観光スポットでもあるこの地をあえて死に場所と選ぶのには理由がある。それはこの世の中に対して嫌気を指した人間が、世間に対して強い憎しみの感情と復讐心を抱いた結果、わざと地元の有名な観光スポットで自死を選ぶんだ。夜になれば人目につかないのが目的ではなく、明るくなれば必ず人目に付くからこそ、自殺者が出るのだろう。当然ながら遺体が発見されればニュースにもなり梅林園に来ることを遠ざける人が出てもおかしくないからね。噂では殺人事件も起きたとあるが、俺が霊視を行った限りでは殺されたことによる怨念は自殺者の御霊以外は感じられなかった。また戊辰戦争の激戦地で多くの戦死者が出たともあるが、果たしてそうなのか。噂の範囲内に過ぎないのかもしれない。」と話すと、烏藤も続けて話した。
「四十四田ダムと全く同じだ。この世に強い怨恨の感情を持ち死んだ人間が、己の仲間を増やすためにあの世の闇の世界へと引きずり込もうとしている悪霊がいる。とにかく熱心にデジタル一眼レフカメラで写真を撮り続けている長谷川君を説得して、すぐにでも出発しなければいけない。でもその前に俺達は俺達で御祓いを済ませてから次の場所に行かないと、帰り道で事故に遇ってしまう危険性が拭えない。」
烏藤が強く主張すると、「長谷川君のことは俺が説得してくる。星弥は芦原と侑斗君と一緒に待っていてほしい。ついでに梅の花の撮影に夢中になっている吉原にも伝えてくる。」と言い出すと、星弥は「ありがとう。助かるよ!待っているから早く二人を連れて帰ってきてほしい。」と叫ぶと、烏藤が遠くのほうから”いいね”のポーズを取って梅林園の中へと入っていく。
隣にいた芦原が星弥にあることを指摘した。
「展望台からこちらを覗く男性だが、益々こちらを注意深く見ていないだろうか。」
芦原が感じ始めたことは、侑斗も考えていたことだった。
「展望台から覗いている男性が徐々に俺達のほうへと向かって階段をスーッと降りてきているような気がする。あれは階段を歩いて降りてきているんじゃない、まるで足元がスロープのような感じになっていて、俺達のところに近づいてきている。」
侑斗が星弥に話すと、星弥が呟き始めた。
「侑斗、芦原さんを守りなさい。こいつは危険だ。俺達のような生者に禍を齎そうとする悪霊に違いない。帰り道で事故が起こりやすい要因を作っているのは、間違いなく今俺達の目の前にいる男性と、管理棟の付近から注意深くこちらを覗き込んでいる40代半ばだろう女性の自殺者の御霊によるものだ。自分たちのいるあの世の暗闇の世界へと生者である俺達を引きずり込もうとしている(=仲間にしようとする)。」
星弥がそう話すと展望台から徐々に近づき始めてきた男性の御霊に対して、左手に数珠を持った状態で、悪霊退散のための御経を唱え始めた。
星弥が御経を唱えても効果はなく、さらにズボンのポケットに入れていた清めの塩をまき始めても、負のエネルギーが強すぎるために効果はないように感じられた。そんな様子を見た星弥は冷静に考えた末に言霊しかないと考えて、男性の御霊に対して説得を行い始めた。
「生前何があったか俺にはわからないが、死んでからこの地で訪れた人々に対して復讐を果たそうとしているあなたの考えには悪いが賛同は出来ない。あなたは堕ちるべき場所へ墜ち、受けるべき罰を受けるべきだ。」
星弥の一言一言に男性の御霊は怯むかとばかりに強い姿勢に出る。その背後に女性の御霊が近付こうとしたのに侑斗が気付き始めると、「もう一人いる女性の御霊が般若の麺のような表情で此方を強く睨みながら近づいている!兄ちゃん一人で対処をするのは危ない!俺が助ける!」と言って侑斗も星弥の傍まで駆けつけると悪霊退散の御経を唱え始めると、芦原もいても経ってもいられずに星弥の傍までやってくると星弥に「饗庭兄弟の御祓いに霊能者としてじっと見ているわけにはいかない。」と言って3人で御祓いを行い始めた。そんな様子を見ているばかりでは駄目だと判断した支倉も星弥に近づくと、同じように悪霊退散の御経を唱え始めた。
その一方で、烏藤が梅林園の中をゆっくりと散策していた吉原を発見して「悪霊がいる。これ以上いては危険だ。」と伝えてからその場で吉原の御祓いを行ったところで烏藤と吉原の二人で長谷川を探し始めた。
「悪霊がいる?それって一体どういう事?」
吉原の質問に烏藤が答えた。
「とても邪悪な、この世の中に対して強い怨恨の感情を抱きながらこの地で自殺をした人が、悪霊と化してこの世に禍を齎している。呪われたらおしまいだ。精神的に追い詰められた末に、自ら死んだときと同じようなやり方で死の道を導こうとする危険性がある。特に長谷川は悪霊の恐ろしさを知らなさすぎる。長谷川が憑かれてしまう危険性が高い。何としてでもこの場から離さなければいけない。」
烏藤の話に吉原は「わかった。何としてでも探そう。」と切り出し、必死になって梅林園内を探したら、やっと木々の間を無心になって撮影する長谷川を発見した。
長谷川の姿を見た烏藤は近づくと「長谷川君。これ以上いては危険だ。御祓いを済ませてから次の場所へと移行。」と話すと、長谷川は訳が分からず首を傾げた。
「烏藤さん、それは一体どういう事なんですか?」
長谷川が質問をすると、烏藤が答えた。
「梅林園には言葉には言い尽くしがたいが、とても邪悪なパワーを持つ悪霊がいる。呪われたらおしまいだ。自制心を失い、やがて悪霊により心を蝕まれるようになってくるとマインドコントロールをされていくにつれ死に追いやる危険性が高い。そうなる前に、ここから逃げなければいけない。」
長谷川は烏藤の言葉を聞いて絶句をすると、烏藤は長谷川にこう告げた。
「緊急で御祓いだ。」
烏藤がそう話すと、早急に長谷川の御祓いを行い始めると、吉原と長谷川を見つけてきたところで、星弥と侑斗と芦原のいる入り口付近へと戻ってきた。
疲れ果てて管理棟の階段のステップで座り込んでいた饗庭兄弟と芦原と支倉の4人の姿を見た烏藤が声をかけた。「大丈夫か?」
その呼びかけに、星弥が「ああ。大丈夫だ。取り憑かれてはいない。ただ完全に除霊が出来たわけではない。これからも違う人に禍を齎す可能性は十分にあるだろう。俺達が粘り強く御経や言霊で語り続けたことで、立ち入る隙が無いと判断して御霊のほうから俺達から姿を消した、そんな感じだ。」と話すと、烏藤はそんな4人の様子を見て「メンタルが弱っているときのほうが憑かれやすいリスクが高くなる。」と話すと、その場で緊急の御祓いを実施した。
やらばければいけない御祓いを済ませたところで、一同は車を駐車させていた駐車場に戻ってくると、梅林園を後にすることにした。
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