剣と魔法の時代は終わった。これからはペンと学歴の時代だ。
そんな夢も希望もない言葉が囁かれ初めてはや100年が過ぎた、統歴2199年。その名も知れぬ予言者の言った通り、世界は一本のペンと連なる学歴によって全てが決まる、ロマンもなにもない時代を迎えていた。
そんな中、主人公の和泉琴子は、一流の学校に入学できなかったからという理由で両親から家を追い出されてしまった。
家と家族を失った彼女だったが、しかし、そうして全てを失ったとき、彼女は同時に『力』を手に入れた。
絶望の淵において、彼女は、まるで大昔の魔法のような不思議な力を手に入れた。
瞬間移動や念動力、あるいは憑依や、挙句の果てには時間停止まで。琴子の『力』はとても強力だった。
それは恐ろしい力だったが、琴子はそれを好機と解釈した。この力を使って、奪われた名誉を取り戻すんだ。彼女はそう決心して、欲望渦巻く大都市の闇へと身を投じた――。