beija Flor

ベイジャ・フロー
Kay.
Kay.

♯17 un miembro más

公開日時: 2024年10月1日(火) 09:22
文字数:1,364

あれから2日が経った。ニュースではフランスの海岸おきで1人の実業家が暗殺された事が報じられた。殺した人は相当心が参っていたのだろう。どんな感情なのだろうか、悲しさか嬉しさか微笑みか。


ロナックがニュースを見ていると、叫び声がする。声の主はサルだ。階段を急いで降りるサル、驚いた様子にロナックは冷静に話す。


〈ロナック〉なんだ? 朝から


〈サル〉お、おれの部屋に裸の女の子が!?


〈ロナック〉女の子? あのなこの家に女の子なんていやしない


〈ニーノ〉おいおい これでも一応女なんですけど?


〈ロナック〉お前は女の子じゃないだろ笑


ロナックは笑う。


そこに眠たそうな顔の女の子が降りてくる。


〈マリブ〉おはよー


〈ロナック〉マリブ、居たのか。久しぶりだな


〈サル〉そう! こいつだよ!


〈ニーノ〉なに慌てんだよ、私が隣で寝ててもどけっていうだけだろ


〈サル〉お前とはちがうだろ!?


〈ニーノ〉ころすぞお前


〈ロナック〉いい時期だな、紹介するよ。こいつはもう1人ツバメメンバーのマリブだ


〈サル〉え!? メンバーもう1人いたのか? ココもう半年以上いるけど、知らなかった


〈ロナック〉そりゃ言ってないからな


そこにラディが来る。


〈ラディ〉やあ、マリブ久しぶり


〈マリブ〉あらラディ、相変わらず車オタクしてるか?


〈ラディ〉余計なお世話だ


〈サル〉なんで言わなかったんだ?


〈ロナック〉マリブか? まあ色々だな。こいつはある任務を独りでにしてた


〈サル〉任務?


〈ロナック〉丁度いい、成果を聞こう


〈マリブ〉いいわよ


そう言うとソファに座ってパーラメントに火をつけた。


〈マリブ〉私の任務は成功よ。アーロン・バーンズ、ハイチのマフィア。そいつはニカラグアでハイチから逃げてきた時、大量の武器を持ってきた。ところが、アーロンはよそ者で、その武器を密猟したことで武器商人アランを怒らせた。そこで、「その邪魔者を殺せ」


〈サル〉なるほど、それでキミは独りで任務を遂行したのか。すごい話だ、ニーノが食いつきそうだ


〈ニーノ〉んーそれがそうじゃない。たしかにどんな仕事も引き受けるし、ころす。だが、こいつみたいに暗殺とか密かにころすのは苦手でな


〈サル〉なるほど


〈マリブ〉その男はよそ者だからな、密かに殺す必要があったのさ


〈ロナック〉まあ成功したのなら、良かったじゃないか


〈マリブ〉アランの顔見たかったんじゃないか? 激おこだったぞ


〈ロナック〉だろうな、目に浮かぶよ


〈サル〉アランさんって怒るの?


〈ロナック〉やつがキレたらニカラグアだけでなく、中央アメリカやばいだろうな


〈マリブ〉奴はここらを持つ唯一の武器商人だ、私らも奴だけがこの国に合法に武器を密猟できるのさ


〈サル〉合法に!?


〈マリブ〉正確に言うと密猟は密猟だからな、グレーゾーンだ。それだけコネと信頼があると言うことだ


〈サル〉へえ〜 そんなすごい人なのか


〈マリブ〉会ったことあるのか?


〈サル〉1度だけ


〈マリブ〉まあ気さくな奴だから、基本無害。だが取り扱い注意だ


マリブはパーラメントの火を消すと、バスタオルを持ってシャワーに向かう。

知ることの無かったもう1人の女性メンバー・マリブ。穏やかな顔をしているが、眼の奥には深い悪魔が潜んでいる、そんな瞳をしていた。

まだまだ隠れたことがありそうだ。





♯17 un miembro más-もう1人のメンバー


…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ





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