12日目・フランス近辺。
グアテマラからアイスランド付近からイギリスを大回りに、スペイン、フランスを敢えてそのままで直線して航海させた。
イギリスを回ってモナコに向かう。あえて回ることで敵の目を欺くのだ。
ロナックは敵船がくるかもしれないという予測をしていた。そこでロナックはイギリスを大回りさせて敵船の混乱を導こうと企んだ。
〈ラディ〉みんな、きてくれ!
〈ロナック〉どうした?
ラディの声にロナックたちは操縦室に集まる。
〈ラディ〉いま、イギリス近くで俺たちのような船があった。まあ大丈夫だろうけど、一応用心しておいてくれ
〈ロナック〉わかった
〈サル〉敵船か?
〈ラディ〉まだ分からないが、レーダー見てくる。ロナック、操縦を頼む
〈ロナック〉ああ
ラディはそういうと操縦室から出るとレーダーを見に行く。
すると、急に波が強くなる。その瞬間なにかがこちらにくる音がする。
〈ラディ〉大変だ!! 大砲だ! みんな何かに捕まれ!
〈ロナック〉なんだと!?
と、ロナックは操縦しながら叫ぶ。
ニーノは甲板へ行く階段にしがみつく。
サルはその場で腰を低くして蹲る。
〈ロナック〉あ! バカ! サル、それは危ないぞ!
と、ロナックが叫ぶ。その瞬間敵船からの大きな大砲玉が飛んでくる。そして、ラディは避けようと荒い操縦をしてなんとか大砲玉に当たらないように避けた。
だが、海に落ちたときの音と波は凄く、地震のようだ。幾つか船のガラスが割れて、激しく揺れる。当たらずにはすんだ。
〈ロナック〉くっそ!! なんなんだ!?
あの船は海賊か!?
〈ニーノ〉ロナック! 旗の紋章を見ろ! コルサーンだ!
〈ロナック〉なに!? モロッコの連中か。大変な事になった。ニーノ敵は2船、行けるか?
〈ニーノ〉ふっ…… ルボル・ハンターの血が騒ぐぜ。任せな!
ニーノはリリパット・ピストルを取り出した。敵船の様子を伺う。
〈サル〉ニーノ! 大丈夫なのか!?
〈ニーノ〉サル、見てな。これがこの世界のやり方だ、見せてやる
そう言うと、ニーノ高くジャンプをして敵船に乗り込む。すると時間にしたら恐らく10分ほどだろう、それぐらいの時間で2船は火の海化となり、海に沈む。
その時のニーノはまるで鬼、悪魔のようだった。笑い、喜びながら敵船を打つ。
人殺しに喜ぶのは悪魔かニーノぐらいだろう。あっという間に片がつく。
そして、最後は自分の船に戻る。
〈サル〉すごい……
〈ニーノ〉なーにぼやっとしてんだ、中にはいるぞサル
〈サル〉え、ああ……
顔をみると、いつものニーノだ。さっきまでの悪魔のような雰囲気は無くなっていて、いつもの陽気で妖艶な顔に戻っていた。
これがこの世界なのか。サルは改めてその事を知る。ニーノを分からされた。
現在、ビルバオを抜けてポルトガルを回ってスペイン・マドリード。明日にはモナコに着くだろう。今日はニーノとサルで見張る。
ラディは操縦をモナコに向けて急いだ。
モロッコからの刺客、「コルサーン」はモロッコでも厄介な連中海賊だ。かなりでかい組織で、紋章は「黒いハートに紫の翼」が特徴的だ。もし次に襲われるとしたら下手したら船の沈没も有り得る。ニーノとロナックだけでは対処しきれないかもしれない。
早くモナコに着かないとちけないのだ。
ニーノとロナックは強いし、恐ろしい。だが、コルサーンのボスや組織全体と戦うとなると、戦争になる。2人だけでは苦しい。
ラディは銃を持ってないし、サルはどちらかと言うと平和主義で銃も持ってない。
モナコに着けば大丈夫だ。
今の所、敵船は見当たらない。先程は2船だけでよかった。
ラディは急いでモナコの港に向けて、船を走らせた。
つづく。
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