夜、ある男の子はバーを訪れた。
バーテンダー おい ここで何してやがる! ガキの来る所じゃねえ!
ペリー 僕はペリー ある人を探している、アトーニーの居場所
バーテンダー だから! テメエが来るところじゃねえって言ってんだ!
ペリー 僕はガキじゃない、こう見えて20なんだ
バーテンダー ガキじゃねえか! 帰んな!
ペリー 聞きたい事はアトーニーの居所だよ
バーテンダー 耳ねえのか? 帰りな!
ペリー 仕方ない、なら死んでもらうしかないな
そういったペリーの顔をみるバーテンダー。その時の表情は、まるで吸血鬼、いやは確実にハイエナのように貪るようだ。
その表情に怯えるバーテンダー。銃を取り出したが、すでには遅し。頭を撃ち殺された。ペリーは無表情でバーから出た。
最後にこう残す「Αντίο」──────────
朝になり、ロナックらはテレビを見ていた。丁度サルが起きてきた。サルはロナックらに話しかける。
サル 何を見ているんだい?
ロナック 夜、チロルグロゥが経営しているバーが襲われた。相手は小さな男の子だったらしい。「アトーニーファミリーを探している」と聞いた、「バーテンダーはガキの来るところじゃねえ」そう断った瞬間店内は血の海さ、運が悪かった
サル なるほど、でもそんなのしょっちゅうだろ?
ラディ そうでもないのさ、朝デメララがバーを見に行った時唯一生き残った人が言っていた「Αντίο」。あれはこの辺の言葉じゃない、恐らくロシアなどその周辺の言葉だ、デメララが調べたところ不法民族でこの辺の人間じゃないよそ者だと言うことだ。それと相手は子供だそうだ
サル じゃあ探すのは難しいな、しかも子供か。チロル・グロゥのバーを襲うなんて余程の命知らずな子なんだな。デメララは怒るだろうな
ラディ そうだな、大激怒だろう
サル ひと嵐来そうだ
その夜の事だ、別のバーが被害を受けた。今度はチロル・グロゥのバーではなく、北斗七星のグウェダオさんが経営するバーが襲われた。ただ、この件に関して実はデメララはあまり怒ってはなく、至って冷静だ。あのバーは低迷期で手を引く予定と話していた。バーが襲われたことには怒ってないが、仲間が殺されたことに怒っていた。彼らも昔は兵隊の1人でデメララに着いてきた者だからだ。前線で活躍と考えていた。グウェダオもまた怒る気配はなかった。バー1つ如きと考えている。
問題なのはこの街で不法に入り、殺人を行っている事、アトーニーファミリーを探している事だ。殺人はよく起きる、だが不法となると話は別だ。表情を見るとグウェダオもデメララももっと大きな出来事を望んでいるように見えた。
これは幸なのか不幸なるか。敵は次の一手を出そうとしていた。
♯22 Perros y carne 1 犬と肉1
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