beija Flor

ベイジャ・フロー
Kay.
Kay.

♯21 día festivo.4 end

公開日時: 2024年10月19日(土) 09:26
文字数:1,371

アジトで、ソファーでくつろぐサルに質問をするマリブ。


〈マリブ〉君はイサバル湖に行ったことは?


〈サル〉ないよ。見たことはある


〈マリブ〉アティトランは?


〈サル〉あるよ


〈マリブ〉どう思った?


〈サル〉どうって?


〈マリブ〉あの湖は世界で一番綺麗な湖と呼ばれている


〈サル〉そうらしいね、でも至って普通の湖だ。そこまで綺麗だとは思わなかったよ


〈マリブ〉そう。私もそう思う。この世の情報と実際見た時、惑わされる事はしばしばある。もちろん湖は綺麗かも知れないが、実際はそこまでだろう。世界一となぜか書いてしまった。私の中ではモレーン湖だ


〈サル〉何が言いたい?


〈マリブ〉今君を見ている情報、聞いた時の情報は余りにも一致しないからだ。君は普通のサラリーマンのような男と聞いた


〈サル〉間違ってないよ、普通のサラリーマンみたいなものだ


〈マリブ〉君は面白いな、数日だが凄く楽しいよ、久しぶりだ。こんな事は


〈サル〉そうかい? 光栄だね


〈マリブ〉君は小説を読むそうだな、ウィリアム・コツウィンクルを知ってるか?


〈サル〉ああ、ETだろ?


〈マリブ〉そうだ。ウィリアムの作品にドクターラットがある、君はラットだとして被検体だったらどうする?


〈サル〉ん〜 難しな。俺なら何匹か残して皆殺しにするかも、或いは一人だけ残して自分の利益になるように動く


その言葉を聞いて大きく笑うマリブ。


〈サル〉なんで笑うのさ?


〈マリブ〉すまない、面白くてつい


〈サル〉そうかな?


〈マリブ〉逸材だな、いま何時だ?


〈サル〉12時半だけど?


〈マリブ〉どうりでお腹空くわけだ。ラーメンでも作ってくれ


〈サル〉そうだな


ラーメンを作るサル。そこにラディが来る。ラディとロナックは仕事を終えてアジトに戻ってきた。ロナックはすぐにどこかへ出かける。


〈ラディ〉やあ、今日は眠いな。なにしてるんだ?


〈サル〉昼だから、ラーメン


〈ラディ〉マリブに言われたんだろ? ラーメン作れって


〈サル〉なんでわかるんだよ


〈ラディ〉君は女のしりに敷かれるタイプだからな。それぐらいは予想がつく


〈サル〉あそう。ラディは?


〈ラディ〉ぼくはこれから愛車を洗車するよ


〈サル〉そういえばマリブが夜飲みにいこうって


〈ラディ〉マリブが? 珍しい。わかった、呼んでくれ


少し時間が経って、サルは本を読んでいた。ヘミングウェイの老人と海だ。

サルはヘミングウェイも好きで良く読んでいる。

マリブに電話が鳴る。

内容はどうやら仕事だ、悠長に話すマリブ。電話を切ると、マリブはサルに問う。


〈マリブ〉ロナックはどこに?


〈サル〉ロナック? わからないな、出かけてるみたいだ


するとマリブはロナックに電話をした。


〈マリブ〉やあロナック、今仕事を受けた。Mr.サンノウだ。急遽だ、ヴェノムを借りる。大丈夫だ下手な操縦はしない、無傷で返す。モノはあの口座に振り込んでおく


そういうと電話を切る。


〈マリブ〉ゴメンなさいね! サル、今日の飲みはナシで


〈サル〉なにかあったのか?


〈マリブ〉これから仕事になったのよ〜 行ってくるわね。ニーノとラディによろしく


マリブはアジトを出た。急遽の仕事とは、休日なのによく引き受ける。マリブは1人行動をする、言わば狼みたいなものだ。

それに1人で行動したほうがスリルがあって、楽しい。後からニーノに聞いたが「イカれた殺人鬼」とまで言わせるほどだ。

まるで獰猛だが、静かに襲う狼だ。









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