beija Flor

ベイジャ・フロー
Kay.
Kay.

#15 Operación Mónaco.Ⅳ

公開日時: 2024年9月1日(日) 13:02
更新日時: 2024年9月1日(日) 13:07
文字数:2,100

13日目の朝。1日早く、モナコの港に着いた。海が綺麗だ、グアテマラの海はそんなに綺麗ではない。グアテマラはどちらかと言うと、森や遺跡が観光スポットとなっている。ニカラグアのコーン諸島までいけば、あるいはカリブ海やアルゼンチンのほうまで行けば海は透き通るような海がある。モナコはフランスの中にある国。海と面していて、ちゃんとした国だ。

太陽と海がマッチしたリゾート地となっている。地中海沿岸、世界中から愛された土地。


白いカモメが沢山飛んでいる。そんな中、サルたち一行は船を降りると、バーカンの邸へと向かう。ここまで来ればそう遠くはない。昨日の連中はここまでは来れない。モナコを敵にまわすとどうなるのかを知っているかだ。恐るべきミニ国家だ。小さい国なのに、巨大な祖国より強大だ


バーカン邸は港から10分くらいだ。すぐに着く。というかもう見えている。大きな邸宅だ、門は1つしかない。ベルを鳴らすと家政婦さんが出迎える。金持ちらしい身なりだ。

中に入るのだが、本宅までは少し距離があるようで家政婦のアンナが案内してくれる。丁寧にご紹介をしてくれた。

庭は凄く広い、山1つはあるんじゃないかってぐらいの大きさだが、実はそこまで大きくはない。実際本邸までは門から歩いて10分だ。庭には色んな木や植物があると思っていたが、黄色いバラが沢山植えてあって、咲いている。なぜ黄色いバラだけなのだろうか、不思議に感じていたサルだ。


暫くすると、バーカン邸宅に着いた。意外とシンプルなドーヴィルにありそうな邸宅だ。扉の前に着く。

アンナはコンコンコンとノックをすると、アンナがその扉を開けた。

待っていたのは、扉の先は広く、黄色いバラ。そのまま進む。奥の部屋に入ると、優雅にお茶を啜るバーカンが窓の外を見ながら座っていた。ロートレックほどのこじんまりとしたおじいちゃんだ。


〈アンナ〉バーカン様、ロナックらをお連れました


〈バーカン〉ああ、来たか。まあ座れ


バーカンの顔は優しそうだ。


〈バーカン〉遠くまで遥々済まないね、例のものは?


ロナックは例のものをバーカンに渡す。


〈バーカン〉ふふふふ


バーカンは笑う。


〈バーカン〉気づいたか? お主ら


〈ロナック〉何がだ?


〈バーカン〉そうか、まだか。では入りたまえ


そこに別の扉から現れたのはグウェダオだ。


〈サル〉グ、グウェダオさん!? なぜここに?


〈グウェダオ〉やあ、元気か? チーノモンキー、レターの件は聞いたのかい?


〈サル〉まだだ。バーカンさん、このレターはグウェダオに渡したものですよね? 普通は返さなくていいものをなぜ返すのですか?


〈バーカン〉そのレターはレア物でのう。書いた文字が消せる仕組みになっておる、定価で32万だ


〈サル〉なんだって!? そんなものをよこしたんですか?


バーカンはレターの状態を見た。


〈バーカン〉このレターはまだまだ価値はあがっておる。この紙はボローニャでユーカリとアカシアによって作られた、我々代々使っている世界でも3つしかないものだ。守らないといけない


〈サル〉守らないと?


〈ニーノ〉つーか、なんで兄貴がここに?


〈グウェダオ〉いい質問だ、それは俺らがグルだからだ。いいか、俺とバーカンはある事がキッカケで君たちを使ったんだ。モロッコの連中はどうだった?


〈ロナック〉まあそこまで強敵ではない


〈グウェダオ〉そうだろうな。実はあのカンナを狙っているのはバーカンの弟アラスターがやった事だ。それには手を焼いていてね、どうにか出来ないかと思っている。ところが、君たちは表向きは搬送だ。力を見たくてあいつらを使ったのさ


〈ラディ〉話がまだよく……


〈サル〉僕らは騙されたって事さ。力を試したくて嘘をついた。本当は敵なんていないし、届けるのは俺らじゃなくてもよかった


〈グウェダオ〉その通り!


〈バーカン〉済まないことをしたと思っている。だが、これしか君たちと直接話す機会はないと思っていてな。わしはもう年寄りだ、もう足腰弱くはない


〈サル〉それは嘘だ、この庭誰が手入れを? 慎重な貴方だ、自分でやらないと気が済まないはずだ。それに黄色いバラばかりだ、ここまで育てるのに他の人にはやらせない


すると、バーカンの目つきが変わる。まさに地獄からきた鬼のようだ。


〈バーカン〉その通りだ、わしはまだ老いぼれてなんかない。まあでもわしはここか動きたくない。このレターを見たところ信用出来そうだ。頼みで、弟を殺してはくれないか?


〈サル〉それが目的なんですね。本当はカンナはどうでもいい


〈バーカン〉フハハハハ! バカか? 小僧。カンナはわしがやっとの思いで手にしたんだ欲しいに決まってる。わしは信用できるやつが欲しいだけだ。グウェダオを使ってもいい、だがコヤツから提案がきてな。どうせなら面白い奴を使ってやった方がいいと


バーカンは笑っていた。なにがそんなに面白いのだろうか。これが変人でぶっ飛び超老人バーカンの本質だ。


〈バーカン〉頼みはさっきも言ったが弟を殺すこと


〈ロナック〉実の弟を俺らが片付けろって事か? それはないだろ? なぜそんなに殺したい?


すると、バーカンは昔の話を語り始めた。

どんな出来事なのだろうか。







※ バーカンの邸宅


つづく

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