前回までは、チャービルの住むスキロスA棟が何故か火事になってしまった。
一時ホテルに避難したチャービルだったが、今後住むところに悩む。後日、スキロス・オーナーのダニエルの提案、好意によりスキロスB棟に住むことになったのだが……
スキロスB棟161号室にて、チャービルとケリーとグスマンがいた。
チャービルはテナガザルみたいな顔して、眉間辺りをポリポリと搔いていた。
場所、位置関係申し分ない。部屋も5階でしかも一番奥で中も綺麗で申し分ない! あのピンクのソファーだけ除いてな!
と、チャービルはピンクのソファーに指を激しく指す。
なんか哀れね…… 。
と、ケリーが言う。
なんだと!?
元はお前が置いた灯油のせいだろ!?
は? 待ってよ、置いていいって言ったのは貴方よ! それに全て半分ずつしか入ってないし、どうやったら火事が起きるのよ!!
ケリーはチャービルの言い草に言い返す。
てことはあれか? 独りでに動いてコロコロガシャーンッ! てか? そんなアホな、いさましいちびのトースターでもあるまいし。
と、チャービルは言う。
まあまあ、その辺に。
と、珍しくグスマンが二人の言い争いを止める。
まったく…… 。
チャービルはため息をつく。
まあいいわ、そのおかげであのボロい部屋から新品同様の部屋が手に入った。私のおかげね。
ほらやはり君のせいだ。
なによ!
まあ、ここは良さそうだ。講演会場も前より近くなったし。
そうよ。
ところで、お前らはどうするんだ? 帰るのか?
帰るわよ、実は私アーリントンのほうが家から近いの。
僕は少し遠くなる。と言っても5分ぐらい…… 。
5分ぐらいならいいじゃないか。
何言ってんだ! 5分って結構遠いぞ!
あっそ。
私は今の家から20分よ。前は30分かかってた。
そうなのか。
おれはこの家から35分だ! 前は20分で行けたのに。
あのな、グスマン、それはもう5分程度じゃないぞ。
あ、そうかもっと離れるのか。
おれビーニーズで夜食べて、ホテルにある荷物持ってくるけどいくか?
と、チャービルは2人にきく。
ビーニーズには行く、でもホテルは行かない。そのまま帰る。
私もよ。
そうか、わかった。なら気晴らしに行こう。
そう言うと3人はビーニーズに向かう。
──────── ビーニーズ2号店にて
あんまり1号店と変わらなくて安心したよ、ビーニーズ。
と、チャービルが言う。
そうね。
2号店は1号店とはそんな内装は変わらない。変わっているのは外装だけだ。2号店のほうがオーナーがよく居るそうだ。アービングに住んでいるので、アーリントンの方が近い。
さて、そろそろホテルいくよ、本当に行かないのか?
行かないってば!
と、ケリーが言う。
また明日来るわ。荷物そんな多くないでしょ。
まあね、大きなバッグ1つだけだ。あと、ダニエルと会わなきゃな。部屋の荷物が安全か聞かないと。
明日でいいんじゃない?
そうだな、もう遅い。ホテルいって、戻ったらテレビでもみるよ。
そのほうがいい。
と、チャービルとケリーが話す。
チャービルは会計を済ませ、昨日泊まったホテルに向かった。
ケリーとグスマンは電車で自分の家に帰る。
また明日、チャービルの部屋に集まるだろう。
ー #22 新しい部屋2 ー つづく。
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