チャービルの部屋、ソファーに座ってチャービルは漫画を読んでいた。
作品は「アヒルはアヒルの子」だ。
そこにインターフォンがなる。
チャービルはすぐにボタンを押す。
インターフォン越しからはこう聞こえる。「グスマンとポーラだ!」
そう聞こえると、チャービルは答える。「こいよ」そういうと、鍵をあける。
少し慌てながら、紅茶を飲もうとお湯を沸かす。
そこにグスマンとポーラがやって来る。
やあ! ビル! 紹介するよ、彼女はポーラだ。
ポーラよろしく! 僕はトマト特殊捜査ビルだ。
と、ポーラとチャービルは握手を交わす。
え? なんだって? おまえ。
と、グスマンは言う。これには不思議がってポーラは笑わなかった。痛いやつだと思われた。
トマト特殊捜査チームだよ、グスマン。
あ、あ〜 そういう事ね。らしいよ、ポーラ。
は?
いまから紅茶を容れるんだ。アツアツのえーと、なんだって? レモンティーだ。
と、コップにティーバッグをいれる。
この匂いは?
これはティーツリーだ。
そうか。
すると、ぴゅ〜とケトルが鳴る。
チャービルはポーラを見ながらぼーとしている。
おい、お湯湧いたぞビル。
え、ああ。
と、チャービルはハッと動き始める。コップにお湯を容れながらポーラをふとみた。すると、コップからお湯が溢れてしまった。
おまえ! なにしてるんだ!? こぼしたぞ?
と、グスマンが言う。
え、ああ。
と、チャービルは言いながら濡れたカップを持ち、レモンティーを飲み始めた。
美味しいね。
すると、ポーラは笑い始める。
あっひゃひゃっひゃぁぁッッ!
首をうんうんと縦に振るチャービル。
ポーラ、悪いんだけど先に帰っててくれるか? 後で電話するから。この溢れたレモンティーおれが拭くよ。
優しいのね。わかった、またねグスマン。
と、ポーラは扉をバタリと閉めて、帰って行った。
残ったチャービルとグスマンは2人揃ってソファーに移動する。
同じ瞬間に2人は座り、足を同じ方向、右に組む。
そして汗がでているのか、ふたりはオデコあたりを手でフゥゥと拭いた。
暫くしてチャービルが言う。
あれはすごいな!?
すごいだろ!? だから言ったじゃないか!
と、グスマンが言う。
お前絶対変なやつって思われたぞ。
グスマンが言う。
なんというか、緊張しちゃってさ。
お前が緊張すると、僕って言ったり、変なこと言うからな。売れないコメディアンみたいだ。
せめて売れるコメディアンって言ってくれ。
いや発展途上のコメディアンだ。
もういいよ、それで。
で? どうするんだ? お前これから。
と、チャービルが聞く。
…… 別れる。けど、簡単にはいかなそうだ。
と、頭を抱えるグスマン。
たしかに、これは難しい。
ところでなんでティーツリーを?
浄化だ、浄化するためにしたが、効果はなかったようだ。
なるほどね。無駄だったか。
ああ。
もう帰るよ、どう別れるか考える。
と、グスマンが言って部屋を出る。
ああ、またなトマト伯爵。
それはお前だろ。
おれもだ。
と、グスマンは部屋を出た。
グスマンはあの彼女と別れられるのか。
相当難しい。
ー ♯16 ブレインデッド ー つづく。
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