朝、チャービルは起きると紅茶を容れた。
今日はアップルティーだ。現在朝9時30分だ。
チャービルはアップルティーを飲みながら、今日の新聞を読んでいた。よくスポーツ欄と漫画を読む。新聞は「ダラス・ストリート」通称ダラストだ。
漫画は「アヒルはアヒルの子」を読んでいる。風刺漫画で、作者はカルロス・バルドーだ。
主人公はアヒルを擬人化した男の子を中心に物語が進む。
そのアヒルは政治家で、自分の案を世界に広めようと奮闘するストーリー展開となっている。メンバーはハムスターと蛙だ。
読んでいると、そこにグスマンがやってくる。
グスマンは今日は静かめに部屋に入ってくる。
今日静だな、グスマン。
まあね、たまには。新聞か?
と、グスマンはソファーに座る。
ああ。
アヒルはアヒルの子は面白いか?
今日はまあまあだ。
そうか、後で読ましてくれ。
わかった。もういいよ、あげる。
もういいのか。
と、グスマンは新聞を読む。
なんだこれ、私はアヒルの子だ! て叫ぶシーン、ダサいな。
そうだな。
そんなことみんな知ってるのに。
たぶんこの世界ではアヒルを知らないのかもな。
なるほど。
そこにケリーがやってくる。
やあ、ケリー! おはよ!
と、グスマンが言う。
は〜い! グスマン、ビル!
と、元気よく、少し甘い声を出す。
なにしてるの?
新聞読んでた。主にアヒルはアヒルの子を。
なにそれ? アヒルの漫画ってこと?
ああ、そうだ。
と、ビルが答える。
ちょっとみせて。
新聞を?
当たり前でしょ?
グスマンが持ってるから。
いいよ、あげる。もうみた。
と、グスマンはケリーに新聞を渡す。ケリーはソファーに座り、読み始める。
これがアヒルはアヒルの子?
そう。
なにこれ、集会で「ぼくはアヒルの子だ!」てふざけてるの?
いいや、本気だ。
本気なのね。変わった漫画ね。
面白いだろ。
んー。
アップルティーいるか? グスマン、ケリー。
いる!
私も貰う。
わかった。
チャービルはアップルティーをを容れた。今の季節に合う温かいアップルティーだ。フルーティーで少し渋みがあって、飲みやすい。
ほら、アップルティーだ。
と、チャービルはケリーとグスマンにコップを渡す。
ありがとう。
ありがとう、ビル。
と、グスマンとケリーが言う。
何時頃ビーニーズいく?
と、グスマンが聞く。
そうだな、11時ぐらいかな。もうすぐだから行くか。
そうね、もう行きましょう。お腹空いたわ。
わかった、上着着てくる。
すると、チャービルは今日はパーカーつきのスタジャンを着てきた。テキサス・レンジャーズのスタジャンだ。
さすが、暖かそうね。
まあね。
さて、行こう!
と、3人はビーニーズに向かった。
ビーニーズに着くと、3人は料理を頼む。グスマンはチリにターキーサンドにホットコーヒー、ケリーはハムのサンドイッチ、チャービルはパニーノにホットコーヒーを頼んだ。
ビーニーズには1時間ほどいた。少しゆっくりして、話をして、その後アーリントンのスタジアムに3人は向かうのだ。
ー ♯9 新聞と野球 ー つづく。
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