チャービル、ケリー、グスマンはビーニーズに入ると、すぐさまカウンターではなくいつもの窓際にあるソファーテーブルに座る。そして、テキサス・レンジャーズの話をする。
すみません!
と、ケリーが店員を呼ぶ。
すると女性店員が来る。
はい、注文ですか?
ええ、糖質ゼロのチキンサラダに、カフェオレホットください。
俺はシリアルにカフェオレホット。グスマンは?
俺はそうだな、ターキーサンドにアイスのコーヒーで。
かしこまりました。
注文を終えると、話の続きをする。
それで? ディモってだれ?
と、ケリーが聞く。
ディモは大学の時の友達でな、スポーツ専攻だった。
おれとグスマンは違う学科だったけど、同じ野球が好きってことで仲良くなった。最近家の近くで久しぶりに会ったんだ。その時チケットくれた。
その人ってイケメン?
まあまあだな。いいやつだよ。
髪型は?
髪型? なんか紳士みたいな髪型だな、イギリスみたいな。
それいいわね。ねえ、紹介してよ。
ディモを?
そう。
いいけど、なんで?
いいじゃない、会ってみたい。
わかった。君って野球好きだっけ?
ええ、たまに見るわよ。テキサス・レンジャーズもこの前みた。
なあ、テキサス・レンジャーズといえば、バート・ブライレブンがすきだ。
と、グスマンが言う。
ああ、投手だろ? 1951年の。
そうそう。
おれはミニー・ミソーノがすきだ。あんな素晴らしい選手はいない。
たしかにな。
そうだ、ケリー。来月おれとグスマンがやってる野球チームの試合もあるけど、くる?
来月? いつなの?
2月5日だ。
わかった、空けとく。
と、そこに料理とカフェオレ、アイスコーヒーが運ばれて来る。
3人は朝ごはんを食べながら話す。
ねえ、あなた達がやってるチーム名なんなの?
ダラス・カブラスだ。
と、チャービルが答える。
ヤギ?
そうだ、ヤギだ。
可愛い名前ね。
カブラス作った監督がマカオ人でね。元々闘山羊をしてたらしい。それでヤギが好きでカブラスだ。
なるほどね。その闘山羊ていうのはヤギが戦うの?
そうだ、日本やアジア発祥らしい。
そうなのね。
いい名前だと思うヤギ。
そうね。
強いの?
過去4回優勝してる。
あら、強いのね。当日ヤギみたいに食べないか心配だわ。
ボールをか? それともキャッチャーミット?
どっちも。
そんなわけないだろ。
グスマンなら食べそう。
食べるわけないだろ。
そこで、ケリーは腕時計を見る。
あら、もうこんな時間ね。そろそろ仕事いく。
そうか、もう9時30分か。わかった、また後で。
ええ、夜部屋に行くわね。
ああ、わかった。
と、ケリーは先にお店を出て、仕事に向かった。
グスマン、お前は行かないのか?
そろそろいくよ。
じゃあ行くか。おれも続きしないと。
そうだな、会計は半々で。
ああ。
2人は会計を済まし、グスマンは仕事に向かった。グスマンはケリーが紹介したミシンの仕事をしている。工場だ。
チャービルは先程の本の件でいつ届くか、確かめに部屋に戻る。そして、次の講演会の本を選んだ。
今日も愉快な日常の始まりだ。
ー ♯7 野球の話をしよう ー つづく。
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