チャービルの部屋に来たグスマン、ポーラの事でなにか悩んでいた。
少し躊躇いながらもグスマンは話す。
…… ポーラは笑い方が酷いんだ。
は? どんなふうに?
どんなふうに? ソンビになったディアナ・ペニャルベールみたいだ。
ブレインデッド? それは気持ち悪い。
ねえ、ブレインデッドってなに?
と、ケリーが聞く。
君知らないのか? 映画だよ、ブレインデッドって映画がある。
映画? どんな?
借りてみたら?
そうする。
それで、その笑い方で萎えるんだ。綺麗な子なんだけど、笑い方で台無し! あれは化け物だ、付き合って1週間だが、やばい…… 。
と、言い始める。
落ち着けよ、グスマン。
でもそれってどうしようもないんじゃない? 彼女何歳?
32歳。
と、グスマンは答える。
なら無理ね。
なんで無理?
と、グスマンは言う。
だって30越えてる人に笑い方おかしいから直せ、と言われて直せる人はいない。これはしょうがない。
そうか、なあ1回ここにポーラを連れてくるから、聞いててほしい。
は? なんだって?
ここに連れてくる。
ここに? この部屋に?
そうだ。
やめてくれよ、ここを笑いで感染させる気か!?
いいじゃないか!? 少しぐらい協力しろよ! 今辛いのはおれだぞ!
わかったよ! 連れてこいよ!
明後日ここに来る、いいな余計なこと言うなよ。
おれはいつもマトモだ。
すると、ケリーは立ち上がりカバンを持つ。
ケリーも一緒に聞いてくれ!
と、グスマンが言った瞬間ケリーは部屋から出た。
タイミングを見張らかってその場を退出する。
ケリー…… 。
と、なんとも言えない顔をみせるグスマン。
上手く逃げたな。
と、グスマンが言う。
ああ、ブレインデッド並にな。
チャービルが言う。
そうだビル、部屋を変えるんだが、どこかいい所ないか?
なんで俺にきく?
さあ? なんでかな?
お前元不動産屋だろ? ツテを頼れよ。
たしかに、なんでかな? 頭が追いつかない。
と、グスマンはゆっくりと立ち上がり、部屋からでた。そして、ゆっくりと扉を閉める。
なんなんだ? あいつは。
──────── 2日後、ビーニーズ
9時頃、チャービルはビーニーズでシリアルとコーヒーを頼んで食べていた。
そこに、コメディアンのミミル・テオドールがやって来る。
やあ! 久しぶり、ビル!
ん? ああミミルじゃないか。いつぶりだ? コメディアンのほうはどうだ?
多分1ヶ月ぶりかな。仕事は順調さ。君はどうだ?
俺も順調。
この男はコメディアンのミミル・テオドール。ベアン講演会場によく出演する。ベアンとも仲がいい。
チャービルと性格が似ている。だが、潔癖症なところがある。ベアン講演会場では同期。
あ、悪いもう行くよ、グスマンと部屋を笑いに感染してくる。
と、チャービルが言う。
は? お前何言ってんの? まあいいや、また講演会で会おう!
ああ! よろしくな、ミミル。
と、チャービルはビーニーズを後にして、アパートに戻った。
チャービルは部屋に行くと、机やキッチンお風呂場などにアルコールを降ってティーツリーの香りを炊く。
これから部屋が感染しないことを祈って。
ー ♯15 あの子の癖2 ー つづく。
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