夜、19時頃だった。チャービルたちはベアン講演会場から帰りにビーニーズに向う途中、「カンカンカンカンカン」と消防車の音がする。
なんだろ? 家事かな?
と、チャービルが言う。
どうやら向こうで火事だな。どこだろ?
グスマンが言う。
ねえ、向こうってビルのアパートのほうじゃない?
そうだな。
3人は不審に思う。
ねえ、行ってみない?
と、ケリーが言う。
そうだな、まさかうちのアパートだったりして(笑)
そうチャービルは笑いながら言う。
3人はアパートに向かうことにした。
アパート周辺で消防車やらやじ馬たちが集まっていて、大変なことになっている。
なんだ?
ねえ!ビル! アパートを見て!
とケリーが言う。
え? なに!? なんだこりゃ!?
ビルたちが見たものはチャービルが住んでいるスキロスアパートだった。
なんでこんなことに!?
さっきチャービルが言っていたことが本当に起こっていた。
そこにダニエルが来る。
やあ、ビル。
ダニエル!? アパートどうしたんだよ!
わからん、君の部屋あたりから火事が起きたみたいなんだ。
おれの部屋だって? 特に付けっぱなしのものはなかったし、料理もしてなかった。
なんだって?
ねえ…… 。
と、ケリーが呼ぶ。
ごめんダニエル、また話そう。
ああ。
なんだよ、ケリー。
もしかしたら、灯油…… 。
あ!? まさか? でもそんなことあるのか?だれも触ってないだろ?
なんでかな? でもあなたの部屋って。
なあ、もしかしたら倒れたのかな?
と、グスマンが言う。
倒れた? なんで? そんな簡単に倒れるか?
なんでかな? 思っただけだ。
今日どこで寝よう?
ホテルだな。
と、グスマンが言う。
ホテルいくか…… 。
ご愁傷さまね、ビル。
と、ケリーはチャービルの肩にポンと手をおく。
あーもう、最悪だ。
と、悲しがるチャービルであった。
──────── 次の日・ホテル
コンコンと部屋をノックするグスマン。近くにケリーがいる。
チャービルは扉を開ける。
やあ、グスマン。入ってくれ。
いいホテルね、テーブルにナッツが置いてある。豪華ね。
と、ケリーが言う。
ああ、まあね。
行こうか。
と、3人はアパートに向かう。昨日ずっと消火を行っていた。深夜に消し終わったようだ。よくテレビ等でみる黄色いテープがアパートの入口に張られていて、立ち入り禁止となっている。偶然なのか怪我をした人はいたが、亡くなった方や見つかっていない人もいないそうだ。
なあ、ぼくの心は燃え尽きたよ真っ白にな。
と、チャービルがアパートが灰色化した景色をみて言う。
ああ、そうだな。
と、グスマンが言う。
そこにダニエルが来る。
やあ3人とも。
ダニエル、すまない。なんと言えばいいか……。
もういいんだ、ビル。古い建物だったし、所々木製だったからどっかの火花で建物に移ったんだろう。君、住むところどうするんだい?
と、ダニエルはチャービルに聞く。
それが、行くところはないんだ。ホテルあるけど高いし。
なあビル、 よかったらもう1つのアパートに来ないか? 空きがあるんだ。
なんだって!? いいのかい? ぼくの部屋から火事が起きたんだろ?
いいんだ、こういう時は助け合いだ。起きてしまったのはしょうがない。それにこれはお詫びだと思ってくれ。
お詫び? なんで?
いやなんでもないんだ。
と、ダニエルは目をそらす。
なにかあるのかい?
え、いや! なにもないよ。 実はアーリントンにアパートがある。そこに来ないか?
いいね! どこなんだい?
アパート名は同じだよ。ここはA棟。アーリントンにB棟とC棟がある。君はB棟に来てくれ。場所はミルビー・ロードの近くだ。近くにビーニーズ2号店があるから、目印になるだろう。
よかった、2号店があるのか。わかった、今日そこへ向かうよ。
鍵は管理人室に置いてあるから、貰ってくれ。部屋は161号室、5階だ。そのアパートは7階立てでエレベーターがあるからそこなら入ってくれ。
ありがとう!! 助かるよ、そういえば家賃は?
それはおって話すよ、でもこのアパートより少し高めだ。
わかった大丈夫だ。ありがとう、ダニエル。
ああ、早行ってくれ。
わかった!
と、チャービルはそのアパートに向かうことにした。
荷物は仕事用のバッグだけだ。中には本や少しの服、財布などがある。
ねえ!聞いてくれよ2人とも!
なに、チャービル。
と、ケリーが言う。
チャービルはさっきのアパートの事を話す。
本当に!? よかったわね! 早くそのアパート見に行きましょう!
と、3人はアーリントンのアパートに向かうことにした。そのアパートはどんなアパートなのか。
まさかの最悪の出来事が起こってしまった。だが、新しいアパートに住むことになった。
ー ♯20 ダニエルのお詫び ー 続く。
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