朝、チャービルの部屋にて。
チャービルは起きるとリビングに行く。
やあ、ビル。
ん? うわあ! お前なんでここに居るんだよ。
リビングに居たのは食パンを食べるグスマンだった。
なんでって、話したいことあるから来た。
どうやって入った?
どうやって? 冗談か? お前の合鍵はおれが持ってる。
あー、そうだったな。
なあ、聞いてくれよ、新しい部屋が見つかったんだ!
新しい部屋?
そうなんだ!お前の家から遠くなっただろう? あと元から新しい部屋探しててな。それでみつかった! この家から近い!
へー!
と、そこにコンコンと音が鳴る。
ん? 誰だろ?
ケリーじゃないのか?
あいつはいつもノックなんてしないだろ、第一このアパートにどうやって入るんだよ。
たしかにな。
どなたー?
と、チャービルは声を掛ける。
すると扉越しにいる人物は低い声で返事をした。
おれだよ、おれだおれおれおれ。
は? なに? オレオレ詐欺か?
なんだと!? 声でわかるだろ?
は? 誰だよ全く…… 。
と、チャービルは扉を開ける。
そこには太っちょの男がいた。
やあ…… ピーター…… 。
やあ、ビル。
チャービルは明らかなに嫌な顔をする。この男はピーター・メリマン。職業は公務員だ。
なんだよ。
お隣に越してきたんだな、挨拶に来た。
げ、お前ここに住んでるのか。
いいや、お隣と言ってもおれは6階だ。
でも同じアパートなんだろ?
まあな。
で? 何の用だ? 嫌がせか?
そう…… いや、挨拶だってば。これから毎日会えるな。なんでお前は挨拶に来ない?
は? お前がここに居るとは知らなかったんだよ。それと心の声がバレバレだぞ。
あっそう。じゃあまたな!! うひひひひっ!!
と、ピーターは去っていく。
なんだあいつ。
だれだ?
憎まれ役ピーター。
あーあいつか。ここに住んでたのか。
と、グスマンが言う。
チャービルは扉を閉めると、そのままソファーに座る。
あのピーター・メリマンはアーリントン、アービング、フォートワースの公務員でバスの運転手だ。
太っちょで雨嫌い、目付きが悪い男で性格が悪い。このスキロスアパートB棟6階270号室の住人だ。
昔、グスマンとフォートワースで彼のバスに乗ったことで知り合う。その時しつこく野球の話をしてきた。
というのもチャービルとグスマンが野球の話をしてた所に、会話に入ってきたのだ。彼も野球が好きらしい。よく、スタジアムでも会う。
はぁ…… 楽しくなりそうだ、このアパート。
と、チャービルはため息を着きながら言う。
それは皮肉だな。
そうグスマンが言った。
ー #23 新しい部屋3 ー 続く。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!