超雑! ガンアクションの描写講座

春ノ嶺
春ノ嶺

実戦(拳銃)編

公開日時: 2020年11月2日(月) 12:49
文字数:3,918

 オートのみ説明します、リボルバーは各自なんとかしてください(虚空)




 まず射撃するためにどうしても覚えないといけない操作部位を覚えましょう、メモは必要ありません、どこを動かすとどうなるかだけ大雑把に覚えてください。


 まず|弾倉《マガジン》があります、弾を入れる箱です。中にはバネが入っていて、弾をパチパチはめるとバネが縮み、常に上へ向かって弾を押し続けます。装着する場所は一部の旧式銃や変態銃を除きグリップの内側で、下から挿入します。取り外したい時はマガジンリリースボタンを押しましょう、大抵は「右手でグリップを握った時に親指がかかる位置」にありますが、左利きの射手に配慮したり会社の方針だったりでトリガーガード(トリガーを囲ってる輪っか)の両側にパドルがついてる事もあります。ボタンを押すと弾倉の固定が解除され自重で落ちてきます、そのまま地面に落っことす方がかっこいいのはわかりますが弾倉もタダではありません、拳銃の射程で撃ち合ってるなら落下音を聞かれるかもしれませんし、金属製なので自然分解もされずゴミとしてその場に残り続けます、ただでさえ薬莢をぶちまけるのですから弾倉くらいはちゃんと回収しましょう。


 ちゃんと


 回収しましょう(威圧)

 ※フィクションなので個人の自由です


 マガジンを落とさないで素早く再装填する手順を紹介します。

 肘をしっかり横腹につける(手元をよく見ないで行うので銃の位置を毎回同じにするため)。

 マガジンポーチの予備マガジンを人差し指と中指の第二関節付近で挟み取る。

 マガジンリリースボタンを押す。

 空のマガジンを人差し指と親指で抜く。

 予備マガジンを挿入。

 空マガジンをポーチに入れる。




 マガジンが入ったらスライドを引いて初弾を薬室に投入します、スライドっていうのは上部分のがしょがしょ動く部分です。急いでやらなきゃならない場合は人差し指と親指で後端付近を摘み勢いよく引っ張って、これ以上下がらなくなったら手放しましょう、内部の爪が薬莢後端をひっかけて薬室に引き込み、この操作で同時に|撃鉄《ハンマー》も起きます。もし切羽詰まった状況でないならスライドを包み込むように握り、静かに引いて静かに戻します。




 続いてセイフティ、安全装置です。ほとんどの銃には手動安全装置がついています、これを解除しないと発砲できません。M1911ならフレーム後端、ハンマーの真下。M92ならスライド後端、ハンマーの手前に切り替えレバーがあります。ものによっては安全装置をかけるとハンマーが倒れてしまうので、親指でハンマーを起こしてください。


 その他、正しく握らないと発砲できなくなるセイフティもあります、主にグリップセイフティとトリガーセイフティです。グリップセイフティはグリップ後方についたボタン、トリガーセイフティはトリガー先端の小さなレバーで、共に押されていないと弾が出ません。


 そんで、注意しなければならない銃がふたつあります、グロックとトカレフです。グロックはここ10年くらいで急速に普及したオモチャみたいな拳銃ですが、会社の方針によりマニュアルセイフティを持っていません、トリガーセイフティだけとなっています。トカレフに関してはなんにも無しです、こちらは単に生産性向上のためですね。




 さあ発射準備が整いました、トリガーを引けば弾が出てきます。本来ならここで正しい構え方を…というところですが、現代の常識で拳銃を正しく構えるとへっぴり腰にしかみえなくなるので説明しません、創作に必要な知識ではないでしょう。構え方よりも先に棒立ちさせない事を心がけてください、敵に晒す体の面積は少ない方が有利です、停止中よりも移動中の方が弾は当たりません。


 物陰に常に隠れる、移動は物陰から物陰へ素早く行う、姿勢は低くする。これを基本に射撃の際は最低限の視線と銃だけを出し発砲します。物陰は遮蔽物とも言いまして、銃弾を防ぐためには厚さと硬さが要ります。敵に見つかっていない状態なら草むらでも十分身を隠せますが、撃ちまくられてるなら中身の詰まった壁が必要です。


 ぐだぐた言うても仕方ないので具体的にどう描写するのか春ノ嶺の過去作から例を挙げましょうか、描写の好みなんぞ作者ごとに違うので大して参考にはならねーでしょうが。ええお任せくださいこちとら和風ファンタジーの主人公にすら拳銃持たせるどアホウです、過去小説を漁れば拳銃を使った正しい銃撃戦のシーンが




 無い(絶望)




 いや、あの、ちゃうねん、あのね、あんね。ほぼすべての登場人物に拳銃、ハンドガンは持たせてるんですが同時にアサルトライフルも持たせてまして、そんな仰々しい銃があるのになして射程も精度も悪い拳銃で撃ち合いせにゃならんのかっていう。


 まぁそうね! とにかくそう、拳銃は小火器の中で最も射程が短い、威力も低い。こちらが拳銃のみしか持ってないシチュエーションなら相手も拳銃だとは思いますが、可能な限り正面からの撃ち合いは避けるべきです。遮蔽物をうまく使って相手の側面に回り、できれば背後から急所を狙いましょう。急所っていうのはつまり頭と胸、命中率やら不発の可能性を踏まえて1回の攻撃につき2発撃つのがベターです。どうしても正面から撃ち合わなければならないなら相手の弾切れを見極める、何発撃たれたかちゃんと数え、再装填に伴う動作音を聞き逃さないようにしましょう。


最後に拳銃は弾切れになるとスライドが後退した状態でストップするので弾切れだと一目でわかります、弾倉を変えた後、トリガーの上の方にあるスライドリリースレバーを動かせばスライドが前進し初弾投入が終わります。






 では次に創作で最も求められるであろう接近してのド派手な立ち回りについて。


 敵を全滅させるまで止まってはいけません、立ち止まった瞬間に蜂の巣です。四方八方から攻撃されるので格闘攻撃も織り交ぜつつ敵は必ず一撃で仕留め、仕留めたらすぐに身を隠すか次に向かいましょう。できれば弾倉内の弾だけで終わらせたいところですがうまく隙を見つければ再装填できるんじゃないすかね。


 何をどうするかは作者の趣味と立ち回らせ方ですが春ノ嶺がやるとこうなります。こっちはちゃんとありました。(以下読み飛ばしても構いません)




「世界大樹と狐の唄」209話より(調整済み)


 ふわりと、背後から土嚢やセメントで守られた機関銃陣地に降り立った直後、彼らの表情は一様に驚愕と恐怖で塗り替えられた。大した照準もせずアサルトライフルを持ち上げトリガーを引けば、後方50mからの支援射撃と共に乱射された弾丸が敵部隊の半数以上を瞬時に死亡、もしくは戦闘不能に追いやった。シオンとスズがフェルトを支援しているその場から隣の陣地へロケット弾の飛翔煙が伸びていく中、フェルトはライフルを手放し、腰から吊り下げていたコンバットソードの柄を右手で、レッグホルスターに納めていたハンドガンのグリップを左手で掴む。


「散れ!散開し…ぐ…!ぁ…ぁぁああぁぁぁぁぁぁッ!!」


 最も手近にいて、部下へ指示を飛ばしつつライフルを向けてきた1人の兵へまず狙いを定め、這うように姿勢を低く、足元まで一息で駆ける。ブルパップ方式でグリップより後ろに弾倉があるライフル目掛けて右足を蹴り上げ、ブーツ先端でそれを弾き飛ばす。相手の身長以上の高さまで舞い上がった体が落ち始めたらコンバットソードを一閃、左腕の肘から先と、右手の指4本が餌食となった。絶叫する彼を置き去りに再加速、時計回りで土嚢の内側を回るルートへ。4歩進んでハンドガンを2発、顔に受け卒倒、続いて重機関銃の射手へ斬りかかる。


 好き放題やっている間も後方からの射撃は続き、喉笛を裂かれた射手の他にはあと3人だけが健在である。うち1人はすぐ近くにおり、斬撃を見舞った勢いを殺さず駆け寄って、胸の奥深くまでコンバットソードを突き刺した。直後に銃弾が襲ってきたが、フェルトの小さい体はその兵に覆い隠され、いくつかは彼の体内で停止し、ほとんどは的を見失った為に貫通後フェルトを捉えられないか、もしくはまったく見当違いの方向へ飛んでいく。最初の1連射をやり過ごしたらハンドガンを突きつけ、次の指切り撃ちが始まる前に2人に対して1発ずつ、早撃ちパフォーマンスのガンナーばりに素早く(というかほぼ同時に)双方の額を撃ち抜いた。





 え‎(  ՞ټ՞ )???


 そりゃ私だって真面目に文章書く時もありますよ‎(  ՞ټ՞ )


 まだあるでよ‎(  ՞ټ՞ )




「カラーバレット」39話より


 まず飛びかかってきた1人目の下に潜り込みカウンターで首を抉る、刃が脊椎にはまったので死体を押し動かして自分を隠す、9mm弾が何発か死体に当たって止まった。貫通してこないのを見ると対人向けのホローポイント弾だろうか、壁に当たって床に転がったのを見ると非常にエグい形状をしていた、1発喰らえば命は無い。


 死体から右手のハンドアックスを抜く前に腰から左手でFive-seveNを抜く、2発撃って2人倒す。悲鳴すら上げない、どこかの誰かのようだ。死体を投げ捨て、ハンドアックスを切り返して右へ投擲する。また1人が頭を割られ、その間にFive-seveNでさらに1人を射殺。動きは単調、速いだけだ。


「正面!」


 エアが叫んだ、確かに1人突っ込んできているが左からも撃たれそうなのでFive-seveNの銃口はそっちへ。空いた右手を懐に突っ込むとM360というコンパクトリボルバーが出てきて、Five-seveNを射撃しつつほぼ腰だめで照準、2発連射する。


 ドンドン!と.357マグナム弾相当の実包からゴマ粒みたいな散弾がぶちまけられ、相手は卒倒した、足元に転がる。




 ‎(  ՞ټ՞ )

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