超雑! ガンアクションの描写講座

春ノ嶺
春ノ嶺

選定(拳銃)編2

公開日時: 2020年11月1日(日) 22:26
文字数:3,272

(ていうかマジでリボルバー説明すんの?)

(M600くらいしか区別つかないことで有名なシアンさんが?)

(レンコン付いてるくらいの認識しかないよ?)

(ていうか全部おんなじじゃね?(暴言))

(…………あっ…)




 はい再開しまーす!!!!(滝汗)


 前回説明した9ミリパラベラムと.45ACPはオートマチック用弾薬です、オートマチックっていうのはレンコンがなくて細長い弾倉をグリップの中に装填して撃つたびにスライドがガシャガシャするやつです。対してリボルバーは弾倉を持たず、シリンダー(以下レンコンと呼びます)に複数の薬室|(弾が発射待ちする部屋)を持ち、銃身に接した薬室の弾を発射し終えるとレンコンが回転し次の薬室が発射位置に来ます。構造が非常に簡単で故障に強く弾が1発2発不発になったくらい問題としません(オートは不発弾を排除しないと次が撃てないがリボルバーはトリガーをもう一度引けば次の薬室が発射位置に来る)。そしてこの構造上、薬室に入る弾ならなんでも撃てるという利点があります。


 で、


 .38スペシャル弾は最もポピュラーなリボルバー用弾薬です、ジョジョ5部のグイード・ミスタも使っています。9パラと比べると弱い弾ですが反動がマイルドで扱いやすく、護身用や小型動物の狩猟に適します。この弾は名前こそ38口径ですが実際の弾丸直径は35.7口径|(9mm)で、つまり.357マグナムの入るレンコンには.38スペシャルも入るという事で、入るという事は撃てるという事です。ただし.38スペシャルのレンコンに.357マグナムを入れてはいけません、反動が強すぎて壊れてしまいます。


 そして.357マグナムは対人用途に使われるべき弾薬の中では最大級の威力を持ち、「極めて信頼できる一撃必殺の弾薬」と言われます、これを胴体に受けた者はまず立ってはいられません。しかし残念ながら人間以外の相手には役不足です、鹿がせいぜいと言われます。


 代表的な拳銃は、ちょっと待ってね。


 …………ちょっと待ってね!


 M36! コルトパイソン!


 M36はスミス&ウエッソンの小型リボルバーです、警察官用…ああいや非番の警察官の護身用か、まぁとにかくね、扱いやすい常時携行リボルバーとして普及しました。装弾数5、弾薬は.38スペシャル。1950年発売ですが死ぬほど大量の派生型が作られており、グイード・ミスタのM49もこれがベースです。2002年には.357マグナムに対応したM360が開発され、さらに2006年にM360から.357マグナムの発射能力を 排 除 し た M360SAKURAが日本の警察に採用されました。


 パイソンはコルト社の高級リボルバーです、装弾数6、.357マグナムの使用を前提にしています。黒光りする表面仕上げでリボルバーどオンチにもカッコよく見えゲッッッフン!! コルト社の経営難により手作業での加工が必要なこれは品質が低下し、1999年に販売を終了しますが、2020年1月に生産を再開しました。




 では弾薬紹介最後、50口径アクションエクスプレス弾は少なくともオートマチック拳銃に装填できる中では最大の拳銃弾です、弾丸直径12.7mm。

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9パラと並べるとサイズ差は一目瞭然で、「これを拳銃から撃つのか!?」という印象をもれなく与えてきます。その最大最強という肩書きからこの.50AEを発射できるデザートイーグルは名前のかっこよさも相まってあらゆるガンアクション創作に出演していまして、使用キャラクターも渋いおっさんから幼女まで多岐に渡ります。


 実際の性能としては中、大型動物のハンティングに「距離が近すぎる時用のバックアップ」として持っていくのが最適です、ヒグマみたいなのを相手にしないってんならメインとして扱っても問題ありません。オートマチックから発射できる弾薬としては間違いなく最強ですが、リボルバーには.50AEより強力な弾がたくさんあります。人間相手には明らかなオーバースペックです、人を倒したいなら9パラで十分で、クッソ重たい弾丸のせいで射程が短く、反動がやべえので下手な撃ち方したら手首を痛め、じゃあ自動車とか壊せんのかといったらそこまでの威力はありません。




 まとめると


 バランスを重視したい、奇をてらいたくない、実用性能を重視したい、スタイリッシュにいきたい。

 ↓

 9ミリパラベラム


 渋さを出したい、1発の威力が欲しい、アメリカ人、米軍での従軍経験あり、ほどよくゴツい銃がいい。

 ↓

 .45ACP


 雑に扱っても壊れない、護身用、メインが壊れた時の予備にもう1丁持ちたい、子供や女性も安心、懐に隠し持ちたい、完全装備の特殊部隊とやり合う訳じゃあねえんだぜジョルノよお。

 ↓

 .38スペシャル


 リボルバーとマグナムの組み合わせいいよね、1発の威力がもっと欲しい、小さい子供にあえて大型武器。

 ↓

 .357マグナム


 戦うのが人間じゃない、1発の威力だけが欲しい、計算のできないバカを演出したい、大きいは正義。

 ↓

 .50AE

 ※昔から大型拳銃弾を使う登場人物は頭が弱いと相場が決まっていますが、威力と携行製を計算した玄人、というパターンもあります。あとルパン三世の次元大介が9ミリ弾使ってたら暴動が起きます。




 使うべき弾の種類が決まったらあとはそれを使用可能な銃を探しましょう、インターネットで検索すればいくらでも出てきます。重要なのはぶっちゃけ見た目だけですが強いて気にするなら装弾数、サイズと重量、生産国を見ましょう。あんまり大きいと常時携行に問題が生じ、小柄な人物の小さい手では握れません。女の子のスカートの下に隠すならサブコンパクト(オートマチックのサイズ分類)がせいぜいですが今度は逆に大男には握れなくなります。そしてアメリカには世界中の銃が集まってきますが、アメリカの銃砲店が最も扱い慣れているのはアメリカの銃ですし予備部品の調達も容易です。装弾数は多いに越したこたありませんが、SF小説を10年書いてて弾数10発以上の恩恵を感じた事はほぼ無いというか。




 オートマチックとリボルバーの差について。


 現代正規軍は残らずオートマチックを採用しています、予備弾倉を用意しておけば非常に素早く再装填可能、1発目を撃った反動を利用し弾倉から2発目を引き出しつつハンマーを起こしてくれるからです。リボルバーはこの動作をトリガーを引く指の力だけで行うのでトリガーが重たくなります。


 しかし民間人の護身用としてはリボルバーが依然優位です、ろくに整備せずほったらかしても絶対壊れません、何より値段が安い。稀有な事例として日本警察がリボルバーにこだわっています、犯人との撃ち合いなんて絶対に無いからこれで十分だし、オートマチックより扱いが難しいので万一盗まれても素人には使えないからですね。


 それと再装填に関してですが、リボルバーでもスピードリローダーというアイテムを使えばある程度オートマチックとの差を詰められます。付け加えオートマチックは予備弾倉がちゃんとある時のみ本来の再装填速度を発揮できるもので、弾倉が1本しか無くバラの弾薬しかないならリボルバー以下です、あと予備弾倉って割とかさばります。





 二丁拳銃の是非について。


 まず私は否定派です、否定派なんですが、ガン=カタっていう近接格闘術がありまして。


 両手に1丁ずつ拳銃を握っているので再装填はできません、弾倉、またはレンコン内の弾薬だけで敵を倒しきる必要があります、さらに片手撃ちなので遠距離での射撃も不可能。というか本来二丁拳銃ってのはまず片方だけを使い、挟み撃ちなんかされた時に予備の銃を抜いてその瞬間だけ同時撃ちするもんです。


 それでも二丁拳銃をやりたいどっかの映画監督が生み出した設定がガン=カタです、敵の懐に飛び込み、東洋武術と組み合わせた近接格闘射撃で瞬く間に敵を全滅させます。現実の二丁拳銃に利点はまったくありませんが、どうせフィクションなのでうまく言い訳できれば二丁拳銃はド派手な戦闘を演出できます。


 そして当たらない敵の弾。

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