ホラー短篇集

HasumiChouji H
HasumiChouji

脱税してるクソを○せッ!!

公開日時: 2022年7月12日(火) 01:34
文字数:678

いや待て、その話から、何故、私が吊るし上げられる? 「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「Novel Days」「ノベリズム」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。

「ねえ、何で、誰もこれ問題にしないんですかねえ?」

 会社の食堂で同じ課の先輩に、スマホの画面を見せながらそう言った。

「これの何が問題なんだよ?」

 スマホの画面に表示されているのは、内閣改造の結果、閣僚の8割がカルト宗教「シン家族学会」の信者になった、と云うニュースだった。

「だって……8割ですよ」

「偶然の範囲内だよ」

「それでも異常でしょう」

「まぁ、考えモノだよなあ……」

「でしょう?」

「ああ、そうだよなぁ……」

「やっぱり8割は多すぎますよね?」

「君の言う通り、8割は少な過ぎるな」

「えっ?」

「えっ?」

「『えっ?』って何が『えっ?』なんですか?」

「いや、そもそも何で、閣僚の8割が『シン家族学会』の信者だと問題だと思ったの?」

 子供の頃の嫌な思い出が脳裏に浮かぶ。

 あの教団のせいで、私の家は……。

「だって、あれ、カルトでしょ?」

「はぁ? それ、君の感想だよね?」

「『それ、君の感想だよね?』で相手を論破したつもりになるなんて……」

「いや、君の感想だよ。そして、それは少数意見だよ。だって、

「へっ?」

「あ……あのさ……まさか……加入してないの?」

「えええ……あああ……は……はい……そうですけど……えっと……」

「おい、みんな、ここに十分の一税を『学会』に納めてないクソが居るぞ」

「ふざけんな‼」

「何だと‼」

「みんな苦しい生活から税金を捻出してるのに……」

「何てやつだ?」

「え……えっと……みなさん……冷静に……お……おちつ……」

 ゴンっ‼

 次の瞬間、何か重くて固いモノが私の側頭部に激突し……

    わた

  し

       は意識をう

  し

 な

     い

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