宝石勇者の異世界冒険譚

〜宝石に導かれし勇者♦︎二つの顔を持つ者♣︎〜
三毛猫 未異美
三毛猫 未異美

2》♠︎確認と噂♠︎

公開日時: 2021年4月17日(土) 10:43
更新日時: 2021年4月17日(土) 10:59
文字数:1,566

トウマとウッピィは王都へとひたすら歩きながら今後の事について色々と話をしていた。


そして王都クリスティスの執務室では、国王と配下の者たちが、まだ来ぬ紫の勇者とアルベルトの事について話をしていたが……。

 ここは王都へと続く街道。あれからトウマとウッピィは、クリオネアとこれからの事を話し合った後、王都に向かっていた。


 トウマは歩きながら色々な事を考えていた。


(これからはウッピィと一緒かぁ。あの屋敷を出てから独りだったけど、楽しくなりそうだな)


 そう思っているとウッピィがトウマの左肩の上に乗り話し出した。


「トウマ。クリオネアに言われた事、ちゃんと覚えてまふますよね?」


「うん!最低でも一日一回は定期連絡をいれる。それに、話せる事が知られると面倒だから、他の人たちの前ではウッピィとは会話をしない」


ほうでふそうです。うちが会話ひたいしたい時はひねん思念を送るので、トウマはほれにそれに無言で対応ひてしてはいさい


 ウッピィがそう言うとトウマは少し考えた後、


「……無言でって。どうやればいいか、いまいち分からないんだよなぁ」


ひかた仕方ありまへんねせんね。では、歩きながられんひゅう練習ひまひょうしましょう


 そう言いウッピィとトウマは、もしもの時の為に無言での対応の仕方を練習しながら、王都へ向け歩き続けた。




 時を同じくして、ここ王都クリスティスの城の執務室では国王デルシェ・C・クリスティスが、大臣オルタニス・フォンテと各隊の隊長を呼び話をしていた。


「まだか!いまだ紫の勇者は、この王都に来ておらぬ。アルベルト・ルディは何をしている!」



 クリスティス国の王デルシェ・C・クリスティス、35歳。


 キラキラひかる銀色で短めの髪。性格は誠実で穏やかであるが、若干疑り深い所がある。



「流石に3年も音沙汰がないのは変です。ルディ家で何かあったのかもしれません」



 大臣のオルタニス・フォンテ、52歳。黒まじりの銀色で長い髪を軽く縛っている。



「うむ。それはあり得るかもしれぬ。だが何故、なんの連絡もしてこない?」


 そう言いデルシェは各隊の隊長たちを見た後、オルタニスを見た。


 すると、青黒い髪の男が待ってましたとばかりに会話に入って来た。


「陛下。その件でパープリアルの領主アルベルト・ルディ伯爵について、お耳に入れておきたき事があります」



 この男はエルヴ・ティンク、特殊工作部隊の隊長である。因みに、この世界の特殊工作部隊は情報集めが主な仕事である。



「もしや、アルベルトの身に何かあったというのか?」


「いいえ。あったと言うより、何やら良からぬ事を企てているようなのです」


 エルヴがそう言うと隣にいた紫の髪の男が驚きの表情を見せた後、


「それは本当なのですか!?信じられません。確かにあの方は口数の少ない人ではありますが……」



 この男はセルジオ・フォレ、20歳、銃士隊の副隊長である。隊長は急な病により、代わりに副隊長のセルジオがこの話し合いに参加している。


 銃士隊の中で最も若いながら、副隊長になるほどの強者で、洞察力に優れている。


 殆ど裏表がない性格、元はパープリアルの出身で、アルベルトとは何度か会い会話を交わしていた。そして唯一、アルベルトが本音で話せる者の一人である。



「セルジオ。お前がアルベルト様を慕っている事は知っている。だが現に、パープリアルだけではなく他の領土でも、不穏な動きが見え隠れし噂も流れている」


 エルヴはセルジオを横目で見ながらそう言い放った。


(……エルヴは何を考えている?確かに、ここ最近この王都でも、アルベルト様の嫌な噂が耳に入ってきた。だがあのお方に限って……)


「だとしても、噂だけを信じるのは……」


「確かに、セルジオの言う通りだ。噂だけではアルベルトが、悪事を策略しているという証にはならぬな」


 そう言いデルシェは、セルジオを見た後、エルヴの方へ視線を向けた。


「では我が隊にて、アルベルト様の悪事の証拠を突き止めて参りたいと思います」


「うむ。エルヴ、その件はお前に任せる」


 その後も話し合いは長時間に渡り続いた。


 そしてその間セルジオは、アルベルトの事やまだ現れぬ紫の勇者の事を思い、考えをめぐらせていた。

読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)


『……(今アルベルト様の身辺で何が起きているというのだ?あの方に限って)……』…by,セルジオ


『どうされました?いささか顔色が悪いように見えるが』…by,エルヴ


『いや、大丈夫だ!ただ最近どうも寝付きが悪くてな……(何故ここにエルヴがいる?俺の後をつけて来たと言うのか?)……それよりも、貴方こそこんな所で油を売っていて宜しいのですか?』…by,セルジオ


『ああ。部下が動いているからその辺は大丈夫だ。それより、これから飲みに行くのだがお前も行くか?』…by,エルヴ


『いえ、お誘いありがたいのですが。これから隊長の見舞いに向かいますので』…by,セルジオ


『そうか。だが忠告しておく、あの女隊長さんのようにならないようにな!┐( ´−∀−`)┌……』…by,エルヴ


『エルヴ!?……(まさか?だが、どうやって……)……( *`ω´)……』…by,セルジオ


と、いう事で……ちょいマジ後書きになってしまった(^-^;A


では、次話もよろしくお願いします(*^▽^*)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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