腰痛が引くのを待ってから、俺たちは村へ帰った。
早速ギルドで買い取りをしてもらい、税金を引かれても金貨八枚ほどになったので、ちょっとだけホッとした。まぁ、全然余裕はないんだけど。
俺たちが帰ろうとすると、
「アイテムボックスいいな~。私も欲しかったです」
とメルちゃんが言った。
「あぁ、うん…。変なこと聞くようだけど、アイテムボックス持ちって多いの?」
「そうですね~、珍しいってほどじゃないです。商人さんたちは持ってる方が大半ですし。むしろ商人さんはアイテムボックスを持ってるかどうかより、むしろサイズの問題ですね!」
サイズによって貴族や大きな商会なんかに雇われたりすることもあるが、小さければ雇ってもらえないらしい。
「小さいサイズの方だと、農家の方が収穫に使う背負える程度の籠くらいで、大きい方だと幌馬車の荷台くらいもあるそうですよ」
俺のアイテムボックスのサイズはよく分からないが、そのうちどれくらい入るか試してみよう。
俺は節約の為、今日の夕飯から自炊するつもりでいる。
宿屋に戻ってからネットスーパーで、ガスコンロや鍋、フライパンに包丁などの調理雑貨からキャンプテーブルまで、一通りをカートに入れた。
そしてふと、突然俺は気づいた。
そうだ、塩と胡椒を売ればいいんだ!
大体異世界転移って、塩とか胡椒がすごい高値で売買されてるじゃないか!
クッソ、なんだよ、なんで今の今まで気付かなかったんだ…。鉄板だろ?コレ。
早速俺は塩と胡椒、ブラックペッパーや岩塩なんかを数種類ずつ購入し、それぞれ紙で包んだ。
『たかふみぃ、お腹空いた~! モコね、唐揚げ弁当が食べたい!』
やっぱり………。
「モコ、地球に俺と一緒に住んでた時に、食べてみたいって思ってたものってある? 唐揚げ以外のものだよ。俺が作ってあげるから」
「本当!? ヤッター!! う~んとねぇ~、 あ、モコ、あれ食べたい! たかふみが子供の時一人で作って食べてたやつ! ズゾゾゾゾーーーって!」
直ぐに分かった。サッポロ○番味噌ラーメンだ。
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