あれから新しいダンジョンを発見することも無く、高ランクの依頼をこなしたり、ラーメン屋を手伝ったり、マリタに遊びに行ったりと平穏な日々がしばらく続いた。
ダンジョンの発見は栄誉なことらしいが、特に興味のない俺は日々変わらぬ生活だ。 この前新しいダンジョンが俺たちの前に現れた理由は分からず、レアドロップのアイテム効果じゃないかとも思えたが、確証が持てないのでよく分からないし、興味も無い。
そんなある時、村の外でモコと二人だけでだるまさんが転んだをしていると、身なりはキチッとしているがどことなくチャラそうなイケメンと、生徒会長みたいな真面目イケメンの二人組みが馬車上で口喧嘩しながら村へ入っていくのが見えた。
ずっと思ってたことだが、この世界は顔面偏差値が異様に高い気がする。
モコなんてレベチで顔面が良いけど、それ以外の人達もなかなかなもんだ。 まぁ、俺はFランだけど。
外遊びに飽きたとモコが言うのでギルドへ依頼を受けに行くと、さっきの二人組みがいた。
「お、ちょうど良いところに来たな」
ラウルさんが、そう俺に声を掛ける。
「どうしたんですか?」
「こちらのお二人さんなんだがよ、兄ちゃんに会いに来たそうだ」
「え?」
「王都からわざわざ来られたんだ。 しっかり挨拶しろよ」
二人組みは椅子から立ち上がり、恭しく頭を下げる。
「ッス。 俺はレオンハルトっていいま〜す。 で、こっちのウドの大木がトバイアス。 つーかマジ遠くて、ビビったわ〜」
レオンハルトは若干のロン毛で茶系の髪色。 目がバチくそデカく、戦隊モノで言うなら赤だろう。
トバイアスという男は、背が大人のモコよりちょっと低いくらいで180台後半くらいか? こっちはなんていうのか、正しいイケメンというか、黒髪短髪で清潔感よく髪を整えている。 戦隊モノで言うなら青だ。
「ハヤシさん、マジ会いたかったッスよ〜」
チャラいレオンハルトは、めっちゃ笑顔で手を差し出してきた。
俺、コイツ嫌いだ。
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