異世界のんびり放浪譚

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第1話 多分死んだっぽい

公開日時: 2022年3月10日(木) 11:36
文字数:500

書いてみたくなりました。

誰かがもし、読んでくれたりしたら嬉しいです。

お目汚し失礼します。

 人生詰んだ。しがない営業の俺は腰のヘルニアになって客先回りができなくなって会社はクビ、三十路を越えた腰痛持ちのおっさんに転職先はなく、面接までも辿り着かず、お祈りメールのオンパレード。

 貯金もなくなり、失業手当もあと2ヶ月で終わり。

「あぁ、もう死ぬしかないのかもな…」

 そう言って7本目のストロング缶を飲み干した。



(クゥーン…)

(クゥーン… クゥーン…)

 あれ?犬???

 パッと目を醒ますと、子供の頃に飼っていた、20年以上も前に死んだスピッツのモコが心配そうに俺の顔を覗いていた。

「モコ…?」

 違うよな、まさかな、と思いながらも声を掛けると、その犬は嬉しそうに顔を舐めてきた。

「モコ…!モコなのか!?」

 モコは尻尾をちぎれんばかりに振りながら、嬉しさを爆発させながら、全身で「そうだよ!」と表現していた。

 俺とモコは抱き合うようにしながら、俺はずっと泣きじゃくった。

 何分がたっただろうか、少しずつ冷静になってきた俺は、「あぁ、俺は死んだんだ。モコが迎えに来てくれたんだな」と頭の片隅で考えていた。




「おかえり。ようやく帰ってきたね」

 見知らぬ声、男とも女とも分からない、若いのか老人なのかも分からない声がした。

 え、誰?

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