以前、姉と二人で近所の商業施設へ買い物に行った時のことです。
夏物を見てたら、いきなり姉が
制服姿の少女に話しかけられたんですね。
その子はキッと気の強そうな目をしていて。
「ここはあなたの来るところじゃないわ、早くあっちへ行ったらどう?」
って言うんです。
姉はひどくビックリしていました。
「・・・随分失礼ね。あなたソノ制服、〇〇高校の生徒さん?」
「え? あれ、生きてる?! す、すみません。勘違いで・・・」
その子は、手のひらを返したように恐縮し、
何度も謝ってそそくさ去っていきました。
何アレ。ちょっとおかしいんじゃない・・・
私と姉は、プンプン怒りながら彼女の背中を睨み付けたものでした。
姉が交通事故で他界したのは、その翌日でした。
あの子は悪くなかったのでしょう。
おそらく「見える人」で。
近々命運の尽きる姉の姿が、普通の見え方をしていないだけだったのでしょうね――
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