学生時代。ある日の夜。
部屋でDVDを観ていたら、
不意にクスクスクスッと
小さな笑い声のようなものが聞こえた。
声の方へ視線をやると、
何と全身が水色をしたこびとが本棚の陰からひょっこり半身を覗かせて
こちらを凝視している。
ギョッとした。
おまえ、何笑ってんだぁ! と反射的に大声が出た。
〝――ゴメンナサイ〟
こびとは妙なイントネーションでそう発し、
サッと本棚の陰に完全に隠れた。
直ぐに確認してみたが、
何処にも何も居なかった。
翌日、早朝から38℃を超える高熱が出た。
こびとの仕業だろうか。
その他の病的症状は無かったものの何故か熱だけは長く治まらず、
結局二日も学校を休んでしまった。
〝ゴメンナサイ〟と素直に謝ったわりには
酷くえげつないことをするヤツだ、と思った。
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