昔ギャルしてた頃。

　スゲー浮気っぽい彼氏の携帯をこっそり覗（のぞ）き見してたら、

　彼が廃墟っぽい荒れまくった部屋の中でドヤ顔かましてる謎の自撮り画像　発見。

　色あせた部屋の壁には、

　人の顔みたいな染みが大きく浮き出てる。

　ビビるし。

　何この悪趣味な画像！ って問い詰めると、

「オレってアーティスト的なトコあるから？

　芸術だろ？この部屋さァ」

　悪びれもなく返して来たし。

「何ソレ、信じらんない。あんた超キモい！」

「は？　お前こそ何言ってんの。ちょっと理解足りなくね？」

　その彼氏とは結局別れた。

　本人の浮気癖もモチロンだったんだけど、

　「その画像の撮影場所はお前の家の近くの古い廃屋だよ。

　一ヶ月くらい前に忍び込んで撮ったんだ」

　彼がぶっちゃけたんだよね。

　その家 実は

　もう三年ちょっと前に不審火で焼け落ちて、今は草っ原なんスけど。

『もうこの世にない所』に呼ばれるヤバ男（お）なんて　

　こっちから願い下げっしょ。