ある夏の日。
自分の部屋の畳の上に
大人の握り拳くらいのハエトリグモが坐り込んでいるのを見つけて、
一瞬脳がフリーズした。
エッ、でかすぎない?
これハエトリグモじゃないよ、
ネズミだって捕れそうだ、
ネズミトリグモだ・・・
ってわけわかんないこと考えながら、取り敢えずスマホで撮影したんだけど。
そのうち、
「こんなコトしてる場合じゃ無い。やっつけなきゃ」 って我に返って。
殺虫剤取りに部屋を出て、
帰って来たらもう居なくなってた。
家族に話したら、
「どっかのペットの毒蜘蛛が逃げ出したのかも」
「タランチュラかも」
って大パニック。
とにかく撮った現物を見せてみろって言うもんで、再確認してみた。
――小さな流木みたいなのが、
畳の上に転がっている画像が映し出された。
みんな一転、シラケ顔。
「どっから拾ってきた画像だ?」
「冗談も大概にしろ!」
叱り飛ばされ、お開きに。
私だけが納得いかない。
部屋には結局
何が居たの?
読み終わったら、ポイントを付けましょう!